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オリパラをただ楽しみたいだけなのに【2021年総決算#4】

こんにちは、Studio Topitaです!
私たちは理想郷を本気で「想像」「創造」するサークルと称し、毎月テーマを決めて語り合い、議事録をアップロードしています。
ぱっと聞いただけでは「?」かもしれませんので、どうぞ是非、自己紹介をご一読いただきたいです。
(常連さんは、いつもありがとうございます!)

Studio Topia 12月 第3回
「オリンピック/パラリンピックが私たちに教えてくれたこと」

今夏に開催された第32回東京オリンピック・パラリンピック。
2020年から1年の延期や、コロナ禍での開催など、想像していたのとは全く違うオリパラとなりました。

本当は、壮大なセレブレーション、平和の祭典としてなんの気兼ねもなく楽しみたい。
ですが、さまざまな問題点も存在し、露呈したのも事実です。
今後オリンピック・パラリンピックはどうあるべきなのか。
心から楽しみたいからこそ、違和感を忘れずに向き合って、次に繋げる必要があります。

(↓今回記事を書く中で、そもそもオリンピックってなんなんだっけ?どういうふうに、誰が開催しているんだっけ?など疑問が生じることが多くありました。皆さんの参考にもなればと思って、こちらの記事を載せておきます)

以下、議事録です。

議事録

今回は、オリンピック・パラリンピックに関して総合的に語り合いました。
テーマごとに区分して記録します。

オリンピック・パラリンピックそのもの
オリンピック・パラリンピックに関し、「SNS時代にも『マス』を感じた」というコメントが参加者から出されました。
開会式の視聴率が50パーセントを超えた、という事実は筆者もとても驚きましたし、テレビだけでなく、SNS等でもオリパラについて盛り上がることが多くありました。もちろん良い話題だけではなく、批判や追及も多くありましたが、いずれにしてもその話題性や波及力は凄まじいものです。
趣味や好みが個別化し、それぞれの繋がりの中でのみ完結する…というのがSNS時代の当たり前かと思いきや、どうもそうとも言いきれなさそうです。
大きなイベントに対し、それぞれの見方や繋がりの中で楽しむ、というのが正しいかもしれませんね。
なにはともあれ、いまだにこのようなイベントは大きな力を持ちうる、というのはとても大きな発見だと思われます。

政治
さて、オリンピックといえば「平和の祭典」なわけですが、実際のところ、平和に対してどれくらい寄与できているのでしょうか。
最近では、2月に行われる北京オリンピックに対しての「外交的ボイコット」なども話題となり、政治色も強くなっているオリンピック・パラリンピックです。

国が関わる一大イベントともなると政治的な色合いも出てくるものではありますが、果たしてそれは「平和」に貢献しているのでしょうか。
会では、いっそのこと世界中のさまざまな地域でオリンピックを同時開催し、その中で連携をして交友を深めていけばいいのでは、といったアイデアが練られました。ひとつの地域で、一度に33競技、300以上の種目が開催されるとなるとさまざまなコストがかかることから、別々の地域でのオリンピック開催は提案されていることではありますが、まさに「平和」の観点からも重要なアイデアでしょう。
例えば、オリパラは5都市での同時開催、と決めてしまって、開催地を決める投票は、その5都市の組み合わせを決める抽選会にしてしまう。イデオロギーや政治の対立などは全く関係なく、そのくじ引きで組み合わされた5都市は、最高のオリパラを作るべく協力し合う…などとなったら、これまでにはなかった交流が生まれたり、新たな文化の掛け合いが生まれたりと、なかなか面白いことになりそうですが、どうでしょうか。
また、愛国心同士のぶつかり合いが時には過激になりすぎ、ヘイトに走ってしまうこともあります。今後はそういった争いが起きないよう、大会運営側が争いが起きにくいような大会デザインをしていく必要があるのではないか、という指摘が出されました。

選手
今回のオリンピック・パラリンピックでは、SNSなどを通じた選手の発信も多く話題となりました。
今後のオリンピックではさらに選手側からの発信が大きくなり、責任と同時に出場の有無などに関して選択の自由が生じるようになるのではないか、という意見が出されました。
また、大会開催や出場に関して、選手への誹謗中傷がSNSを中心に集まったことを受け、そういった被害を受けにくくなるような対策が必要になってくる、という指摘も出されました。

協会
オリンピックを主宰しているIOCや、それぞれの競技の協会・理事会などの話題も出されました。
オリパラの組織に限った話ではありませんが、組織の人事に任期が設けられていなかったり、同じような出身の人しか集まらないような構造になっていたりすると、どうしても組織として硬直してしまいがちです。そのなかで利権にまつわって問題が生じたり、時には汚職も発生してしまったり、とあまり良くないことが発生しやすくなってしまうのでは、と指摘されました。そこで、例えばオリパラであれば、若い選手の声を吸い上げたり、時にはメディアが問題点を指摘することで、組織としての硬直を解消していく必要があるのではないか、という話になりました。

メディア
その流れで、オリパラとメディアの話にも発展していきました。
「何かあるとすぐにメディアだけのせいにされる。確かに、メディアが問題点をきちんと指摘できないのも問題だが、それだけではないのも確かだ」という指摘がされました。ジャーナリスト、記者、テレビのディレクターなどが問題を取り上げないことが批判されますが、彼らを批判して終わりでは何も解決しません。それぞれが問題点に気が付いたり、言いたいことがあるのなら、そのまま声を上げられる場所があればいい。と、いうことで、オリパラから多少ずれますが、それぞれの問題意識を提案に変える「名もなき市民の物申す会」といった(非営利)組織を作ることも、アイデアとして出されました。

社会
会では、オリンピック・パラリンピックが社会に対して与えた影響についても振り返ってみました。
以下は、東京オリパラが社会に与える影響について、都のオリパラ準備局が公表している取り組みです。

会で出た意見としては、「オリンピックのようなセレブレーションがなければ社会の整備は進まない面があるため、社会にとっても必要な祭典である」と言った意見や、その一方で「果たして今回のオリンピックは社会にどのような変化をもたらしたのだろうか」と、その影響力に懐疑的な声も上がりました。

個人
最後に、オリンピックに対する個人的なスタンスについて語り合い、会を終了しました。
問いとしては、「次回北京オリンピックに向けて、どのような『オリンピック・リテラシー』を持つか」。難しく感じますが、要は「北京オリンピックをどう見るか」ということです。
これに関しては、「競技自体は楽しみつつも、報道等から運営や選手などの思惑に注目し、オリンピック批評を忘れずに鑑賞したい」という声がでました。今回の東京オリンピック・パラリンピックで問題が数々あったことを踏まえ、あくまで批評のスタンスは忘れず、その問題点を意識しながら鑑賞したい、というコメントでした。これに対して「オリンピックはただエンタメとして楽しみたい」という意見も。批評の重要性は承知しながらも、エンターテイメントとして作られているイベントは、ただエンターテイメントとして楽しみたい、という意見でした。対立するような意見でありながら、多くの人がその二つのスタンスの中で揺れているのが実際のところではないでしょうか。
東京オリパラに関しても、以下の読売新聞の世論調査によれば、大会開催に「中止」を求めながらも、開催されれば観戦を望む人も多くいたようで、その揺らぎは多くの人が抱えていると思われます。社会的に批判ムードもあるような、祝福ムードに溢れているような、微妙な空気が流れていたと言えるのではないでしょうか。

皆さんはどう思うでしょうか。

まとめ
ここまで、オリンピック、パラリンピックに関して、さまざまな方面から意見が出され、掘り下げ、想像してみました。
全体を通して、その問題点が取り上げられることが多くあったと思われます。会でも「もちろんいいところもあったけれど」と前置きされながら、大会を経て社会的にポジティブな変化があまりみられなかったと総括されました。
今回の東京オリパラでは、さまざまな問題が明るみになりました。オリパラは、大きな問題の一つ一つが自分達と関わりうるものであることを教えてくれたのではないでしょうか。そのひとつひとつを忘れることなく、今後につなげていくことが重要だと思われます。

今回出た問い

・第32回東京オリンピック・パラリンピックについてどう思うか
・オリンピック、平和の祭典についてどう思うか
・選手や選手像の変化についてどう思うか
・今後のオリパラ開催はどのようにあるべきか
・オリパラをきっかけに、今後気をつけるべきだと気づいたことは何か
・次回北京大会はどう見るか

編集後記

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

今回は第32回東京オリンピック・パラリンピックについて振り返りました。

大学では、かなり多くの授業でオリパラの話題で持ちきりでした。特に私はメディア系の学部ということもあり、ジャーナリストの先生などからメディアなどに関して批判的な見解をたくさん聞いていました。その上で今回の会に望んだので、批判の目線が強すぎるかな、一般的な見方から多少ずれているかな〜、と思った部分もあります。

ともすれば「粗探し」とも言われかねないスタンスだと思いますが、個人的には粗を探して悪口を言いたいというより、そこで起こっている問題の根本的な原因や、同じことが自分や自分の身の回りで起きていないかの探求や点検に活かしたいという気持ちです。

といっても、正直、10人いれば10人の見方があるとも思いますし、それでいいんだとも思います。似ているようで違ったり、違うようで共通項があったりもします。
お互いのスタンスや興味関心を持ち寄り、何か新しい理想を生み出していく、StudioTopiaはそんな場所だと改めて思った会でした。(奈都)

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Studio Topia 12月テーマ「2021年総決算」
第3回「オリンピック/パラリンピックが私たちに教えてくれたこと」
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