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活動報告 #1

「studio DANN / 団」は、京都工芸繊維大学で知り合った学生4人の活動体です。私たちは現在、洛西ニュータウンという京都の西にある地域で、「祭コインで住める部屋作り」にチャレンジしています🚀


洛西ニュータウンは、京都市内からバスと電車を乗り継いで1時間ちょっとの場所にある、戦後に開発されたニュータウンです。例に違わず高齢化が進んでいるこの街ととあるご縁出会うことになった私たちは、すでに様々な活動を展開しているプレーヤーの皆さんに少々圧倒されながらも、少しづつ地域に足を踏み入れ始めました。
この記事は、そんな私たちの活動のはじめの1ヶ月の模様をまとめたものです。

7月10日 らくさいっこに会った

洛西ニュータウンでお茶会やイベントを企画し、着々と地域の「ファン」を獲得しているらくさいっこは、京都の大学生3人組。改修してコミュニティスペースを設ける予定の部屋を見せていただきました。部屋の改修にあたって、住民の方たちを巻き込んだDIT(Do It Together)を実践したいという彼女たちの活動にこれから協力をさせていただくことになり、とてもワクワクしています。

洛西ニュータウンに暮らしているらくさいっこメンバーに、バランス釜のお風呂の入り方を教えてもらっているところ

✴︎協力
らくさいっこ 浦井陽向さん、大竹莉瑚さん、渡邊優希さん
instagram→ https://www.instagram.com/rakusaikko

8月17日 改修費用の検討

現状傷みもそこそこ感じられる団地に、ひとまず「ふつうに」暮らすにはどのくらいお金がかかるのか?暮らしからコミュニティを横断し、近頃はお寺を拠点にするための活動を行っている羽根田さんとミーティングを行いました。 そこで印象的だったのは、改修の基本は「減築」であるということです。ただ上から塗り重ねれば良いのではなく、過去にこの団地を作った職人さんの技をよく見ていう必要があるということを知りました。 全国に一斉に作られた「団地」という人々の生活の受け皿が、このようなかたち・素材でできていることの意味はなんなのか?その時代の社会には、どんな出来事が起きていたのか?よく観察し、その尊さを涵養するように、新しい空間を構想していきたいと思います。

らくさいっこのお部屋の基礎改修が終わった段階で出てきた部材の一部

✴︎協力
合同会社ビーバー はねだまさひろさんhttps://www.facebook.com/masahiro.haneda.50/

8月22日 断熱改修の検討

昭和に作られたコンクリートの集合住宅。上階は夏の暑さが厳しく、下階は冬の寒さに堪える空間を、断熱改修によって「健康に住み続けられる空間」にするにはどうしたら良いのか。
部屋の位置によっても断熱効果は変わるとのお話を聞いて、たくさんの空気の泡が集まった様子を思い浮かべました。個(室)として快適な温熱環境をつくることは、群(団地の一棟)の温熱環境改善にもつながり、全体としてエネルギー効率が高く環境負荷の少ない居住環境ができる。人間の身体と地球がつながったように感じられた瞬間でした。

✴︎協力
- 大阪大学 森田敦郎先生
- 有限会社ひのでやエコライフ研究所 山見拓さん
WebSite→ 有限会社ひのでやエコライフ研究所 – エコライフしましょ! https://www.hinodeya-ecolife.com/

8月22日 洛再Linksの活動見学

この日は洛西高校にお伺いし、部活動として地域で活動している「洛再Links」について紹介していただきながら、今回の改修プロジェクトとの連携についてお話しをしてきました。活動内容は非常に多岐にわたり、洛西で採れる竹を活用して堆肥や腐葉土を作ったり、その土で野菜や藍染の藍を育てたり、文化祭のステージを作るための竹の加工が行われていました。
すでに精力的に展開されているこのような活動と、放置された空き家などの問題の接点をこれから探していきたいと思います。

✴︎協力
河本さん、児玉さん、吉田さん
洛西Links → https://www.kyoto-be.ne.jp/rakusai-hs/mt/club/culture/clubc15/

8月24日 部屋の温度を測ってみる

断熱改修を具体的に進めていくにあたり、まずは実際の部屋の温度を測るための準備を行いました。各部屋の中での一日の温度変化を調べるため、壁や床、天井など、10箇所ほど計測するポイントを定めていきます。この日は最高気温が37度を超えるほどの猛暑日でしたが、準備を行った1階の部屋は、窓を開けていればクーラーをつけなくても過ごせるほどに快適だったのが驚きでした。1980年代に建てられたこの団地は断熱性能があまり高くないものの、5階などに比べて直射日光が当たる面積が少ないことが影響しているようです。また、自治会費の減少により草刈りが減り、背丈を超えるほどに育った部屋前の雑草が太陽光の吸収を抑えていたようです。 計測結果を待ちながら、熱エネルギーと暮らしに関するさまざまな問いを深めて行こうと思います。

室内温度の予備調査。スマホに専用の機械を取り付けて計測している。

8月25日 ラクセーヌ夏祭り

街の中心に位置するラクセーヌでは、8月24・25日の2日間で夏祭りが行われていました。会場に到着するなりフラダンスの音楽が聞こえてきて、小さなお子さんを連れた家族をはじめとする沢山のお客さんで盛り上がっていました。今後10年で市営住宅の空室が50%になるとの試算もある中で、これからもこの街で、今日のような光景を沸き立たせるきっかけをつくるにはどうしたらよいのか、時間をかけて変わる街ときちんと向き合って考えていきたいと思います。

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