Strip cabaret
フロリドSS
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「金魚ちゃんの事が好き……」 フロイドに急に人気の無い場所に呼び出されたリドルは、照れているようにも怒っているようにも見える態度でフロイドからそう告げられた。そんな彼の発言にリドルは顔を顰める。 「誰にでもそんな事言ってるんじゃないのかい?」 むっとした顔へとフロイドがなった。 「誰にでも言ってねーし」 「女性を取っ替え引っ替えしてるって聞いたよ」 背が高いだけで無くフロイドは顔も整っている。そんな彼は、女性を取っ替え引っ替えしているそうだ。そういう男の事をヤリチンと言
この世界には男女だけで無く、アルファ、ベータ、オメガという三つの種類に人を分ける事ができる。 この世界の殆どの人間がベータに属し、この世界ではベータ同士で結婚するのが普通である。希な存在であるアルファとオメガは対照的な存在であった。アルファは様々な面において優れており、社会的に地位の高い者が多い。そんなアルファは貴重な存在であるので、社会的に優遇されていた。アルファと対照的な存在であるオメガは、希な存在であるアルファより更に少なく絶滅危惧種として扱われるほどであった。そん
ヘンゼルとグレーテル 01.ガラスの少女 店内には小気味好い音楽が流れている。 繁華街から少し離れた場所にあるこのクラブは客の年齢層が高いので、若者が多い店と全く選曲が違う。盛り上がることができるのだが、下品にならない曲が多い。今流れている曲も、聞いていて不快にならないような物である。 今日ここでDJをしている人物は、何度かこの曲をかけているのでこの曲を気に入っているのかもしれない。クラブの奥にあるバーカウンターの椅子に腰を掛け、中にいるバーテンダーに作ってもらった飲
序章 練習が始まるまで僅かな時間しか無い。 今日この練習場を使う者は既に着替えを終えている時間であるので、男子更衣室の中からは人の姿が無くなっている。ユーリ・プリセツキーがいつもこの時間にならなければ着替えをしないのは、着替えている姿を他の選手に見られたく無いからだ。 更衣室の中に入り、中に誰も入る事ができないように内側から鍵を掛ける。 扉に背中を向けると、ユーリは髪と同じ白金の睫に縁取られた翡翠色の瞳を、更衣室の中に並んでいるロッカーに向ける。自分の名前が書いてあ
静かな廊下には、エバーグリーンの絨毯が敷かれている。古びているのだが掃除が行き届いているそんな絨毯の上を歩いているのは、カーマインの髪をした少女のような顔立ちに華奢な体をした青年。 薔薇色の小さな唇に、釣り上がった大きな瞳。それに、滑らかな白い肌。見る者の道を踏み外させてしまいそうな蠱惑的な外見をした彼が身につけているのは、どれも地味ではあったが確かな物で、彼の育ちの良さを伺うことができる。 名門NRCを首席で卒業したあと医学部に編入し魔法医術士になったばかりのリドル・
毎晩寝る時間はほぼ同じだ。その時間を目処に勉強を止めてベッドに移動する。寮長であるので一人で使っている部屋で寝ていると、物音が聞こえて来た。 こんな時間に何の音だろうか。寮生が騒いでいるのかもしれない。物音はこの部屋の中でしたように感じた事を不思議に思いながら目を覚ましたリドルは、暗い中で自分を見下ろしている人物の姿を見て目を丸くする。 「金魚ちゃん起きたぁ。おはよう金魚ちゃん」 リドルをベッドで見下ろしていたのは、海のような青い髪に左右の色が違う瞳。尖った歯をしたフロ
「ねーねー金魚ちゃんもオナニーするの?」 許可なく隣に座っていたフロイドからリドルがそう言われたのは、学園内にある図書館だ。 勉強をする場所であるここでそんな事を聞かれるとは思っていなかったので、一瞬思考が停止した。こちらを緩んだ顔で見ているフロイドを見ているうちにはっと我に返り、リドルは顔を真っ赤にして目を吊り上げる。 「突然なにを言い出すんだ!」 自分にそんな不躾な質問をして来たのは、この男が初めてだ。彼の質問は常識外れだとしか思えないものだ。 普通そんな事を他人
海の中にあるオクタヴィネル寮は、トレイの一つ歳下の幼馴染みであるリドルが仕切っているハーツラビュル寮とは雰囲気から何から違う。 明かりが付いているというのに薄気味悪さがどこかあるここは、寮長であるアズールの側近と呼びたくなる双子。リーチ兄弟を彷彿とさせる。 「こんな時間にどーしたのウミガメくん」 寮の談話室までやって来たフロイドは、学園にいる時と違いトレイと同じように寮服姿だ。 ハーツラビュルは白を貴重にした軍服を思わせるものだ。それに対してオクタヴィネルは、黒を基調
「何か面白いことないかな〜つまんなーい。あ、金魚ちゃんだ!」 フロイドは産まれた時からずっと一緒である兄弟のジェイドと学園の中を歩いていると、赤くて小さくて食べるところが全く無さそうな程細い。だけど、その見た目に反して誰よりも強い魔法を使うリドルを見つけた。 今まで出会ったどの相手ともリドルは違っている。そんな彼に興味を惹かれて見かけるとついつい側に行ってしまう。そして、相手をして欲しくて揶揄ってしまう。 「金魚ちゃん〜」 大きな声で名前を呼びながら側まで行ったフロイド
昼休みになり大食堂の中は、お腹を空かせた生徒たちで溢れている。そんな賑やかな大食堂の中に並んでいるテーブルの一つには、真っ赤なイチゴのような赤い髪をした小柄で華奢な少年の姿がある。 凛とした雰囲気の整った顔立ちをした彼は、一年生にしか見えない程小柄で幼い顔立ちであるが、ハーツラビュル寮の寮長である二年生のリドル・ローズハートだ。銀色のトレーに並んでいる料理を食べている彼の横には、リドルが小柄であるのでより一層大きく見える生徒の姿がある。 リドルとは反対に百九十センチを超
「ねえ、そろそろ良いでしょ〜? オレもう我慢の限界なんだけど」 寮の自室に遊びに来ている恋人の言葉に、リドルは顔を顰める。 恋愛経験が乏しくても、彼がキス以上のことをしたいと言っているのだということは分かっている。それは、今まで何度も彼から似たようなことを言われているからだ。 「まだ付き合って三ヶ月じゃないか」 「もう三ヶ月! 三ヶ月も我慢したオレえらくない?」 「それぐらい普通だ」 冷ややかにつっぱねると、不満そうな顔をしたフロイドがこちらにやって来る。そう簡単に彼が
「人間って卵から産まれてくんじゃないんだね」 「何を当たり前な事を」 そんなこと幼子でも知っていることだ。魔法で人間の姿に今はなっているが実際には人魚であるといっても、まさかその事を知らないとは思ってもいなかった。 「オレの子供金魚ちゃんに産んで欲しいな〜」 「馬鹿なことをお言いでないよ。ボクは男だよ」 ベッドに転がっているフロイドから言われた内容にリドルが憤慨しなかったのは、彼が恋人であるからだ。 リドルを見るとちょっかいをかけてしまうのは好きだから。それをアズールに
見かけると側にやって来るだけでは飽き足らず、フロイドは最近勝手にリドルの部屋に現れるようになっている。今日も勝手に部屋に居座っているフロイドを無視して、リドルは机に向かって自主勉強していた。 「ねえ、金魚ちゃん〜ぶっかけて良い?」 側まで持って来た椅子に座って勉強を邪魔しようと話しかけて来るフロイドをずっと無視していたリドルなのだが、その言葉を無視する事ができる筈が無い。 「ぶっかけ……?」 彼の言っている意味が全く分からない。 「金魚ちゃん見てるとぶっかけたくなって来
「んっ……」 小さく身動ぐと、体内に違和感がした。まるで太い棒のような物が体の中に埋まっているような。今まで経験した事がない類いの違和感に眉根を寄せて瞼を開くと、目の前にはリドルの顔を覗き込んでいるフロイドの姿がある。 「……っ!」 フロイドは違う寮だ。何故オクタヴィネルの彼がここにいるのか分からず困惑していると、機嫌が良さそうな様子で彼から笑いかけられた。 「おはよ、金魚ちゃん」 「おはよう……」 思わず返事をしてしまったリドルは、体を起こす事によって自分がいるのがハ
「フロイドと付き合う事になったって話しただろ?」 一年中美しい薔薇が咲いているハーツラビュルの庭でお茶を飲んでいたトレイは、一緒にお茶を飲んでいた幼馴染のリドルから急にそんな事を言われた。 関わりたくない相手。オクタヴィネルの双子。特にフロイドに対してそう言っていたというのに、彼と付き合う事になったという話を、トレイがリドルから聞かされたのは一月ほど前の事だ。 「ああ、言ってたな」 「それで……」 「それで?」 リドルが緊張した面持ちになっている事から、恋人とのことで何