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【雑談】顧問税理士の選び方。

こんにちは、きくちきよみと申します。
税理士です。

今日は、経理出身の一税理士として自分が思う "企業の顧問税理士" の選び方について書いてみたいと思います。


「税理士」に対するイメージ。

顧問契約のない中小企業の経営者の方とお話しするとき「税理士です」と名乗ると、返ってくる反応は2パターンです。

「今の税理士に大きな不満はない。他の税理士にも特に拒絶感はない。」
「今の税理士に不満がある。他の税理士も信用できない。」

私自身が会社側の人間だったこともあるので良くわかるのですが、中小企業の経営者にとっては、①の場合と②の場合とで、税理士さんの実際の能力に大差はないことがほとんどです。(海外取引などが絡んでくると、知識・経験の差が出ることもあります。)

経営者によっては、①の税理士は②の税理士になることもあり、②の税理士はが①の税理士になることもあります。

ステップ1:顧問税理士の選び方は、「経営者と合うかどうか」。

中小企業さんの経理さんは、経営者の参謀として「税理士の選定」に立ち会うことが多いと思います。

私自身、経理部員時代に税理士の選定を任されたり、税理士を変更する際に意見を求められたりしたことがあります。その中で実感したこととして、選定基準は「経営者との相性が良いかどうか」だけだと思っています。

「相性」というと漠然としてしまうのですが、社会人としての基本的な部分が合うかどうか、と言う点が最初の「相性」になります。

例えば、打合せに1分遅れる人を許せない経営者に、時間のルーズな税理士は向きません。知ったかぶりをすることを許せない経営者に、知らないと言えない税理士は合いません。経営者が「最低限」と信じることをクリアできない時点で、顧問税理士にはなりえません。

ところが、経営者自身がちょっと気になる部分を無視して、「〇〇出身の偉い先生だから」「〇〇さんの紹介だから」と顧問契約を結んでしまうことがあります。

顧問契約を締結する前に「絶対に相性が良くない」ことが明らかなときには、「~が理由で合わないと思う」旨を伝えるのは、経理さんの責務だと思います。


ステップ2: 「顧問税理士」として活躍してもらうには。

"経営者と相性は良いはずなのに税理士さんが効果的な役割を果たしていない気がする" というときは、次のステップの検討が必要です。

私が中小企業の経理だったときに不満に思っていたことは、「税理士さんはうちの会社のことを全然知らない」ということでした。

業界が抱える問題のある商慣習や、1週間前に社員の〇〇さんがケガで入院してしまったこと、取引先の〇〇さんのお孫さんが小学校に入った・・・など、すべて知りません。経理部員だった当時は、「そんな人にうちの会社のお金を任せられるのか」というのが本当に疑問でした。

今、税理士になって実感することは、「会社の人に事情を教えてもらわないと、税理士には何もわからない」ということです。

当たり前のことですが、会社の外にいる税理士には、会社の事情はわかりません。同業他社の状況と比較したり帳簿を見たりして、ある程度の推測はできますが、数字以外の実情は何もわかりません。

ただし、情報を頂いたり状況を説明頂いたりすれば、"法律や判例に照らし合わせて検討し、会社にとって最善の提案ができるプロ" でもあります

単なる相性の問題。

繰り返しますが、経営者と税理士の関係性の問題は、単なる相性の問題だと思います。

是非、経営者と相性の良い税理士さんを見つけ、より良い会社経営を目指して頂ければ幸いです。

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ここまでお読み頂きまして、ありがとうございました。