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【世界幸福度レポート #4】高齢者の幸福度: インドの事例から学ぶ

こんにちは!
みなさん、「人生100年時代」って言葉、よく聞きますよね。でも、長生きすれば幸せになれるんでしょうか?

実は、この疑問に対する興味深い答えが、インドの高齢者を対象にした最新の調査で明らかになってきたんです。World Happiness Reportの2024年版に掲載されたこの調査結果、なかなかビックリする内容なんですよ。

※参考
World Happiness Report 2024


インドの高齢者、意外にも幸せ?

まず、調査結果の概要から見てみましょう:

  1. インドの60歳以上の高齢者の平均生活満足度は6.32点(0-10点スケール)

  2. 年齢が上がるほど、生活満足度が上昇する傾向

  3. 男性高齢者の方が、女性高齢者よりも若干満足度が高い

えっ、待って。年を取るほど幸せになる?これ、欧米の研究結果とは真逆じゃないですか?

そう、ここがこの調査のミソなんです。高所得国では「U字カーブ」(中年期に幸福度が下がり、高齢期に再び上昇)がよく見られるんですが、インドではそれとは異なるパターンが出ているんです。

社会的要因、その複雑な影響

では、なぜこんな結果になったのか。研究者たちは、以下の社会的要因に注目しています:

  1. 教育レベル:

    • 高等教育を受けた高齢者ほど、生活満足度が高い

    • ただし、教育の影響は男性の方が顕著

  2. カースト:

    • 高カーストの高齢者の方が、生活満足度が高い傾向

    • しかし、その差は想像以上に小さい

  3. 家族構成:

    • 現在結婚している高齢者の方が、未婚・離婚・死別した高齢者より満足度が高い

    • 大家族で暮らす高齢者の満足度が特に高い

  4. 宗教の重要性:

    • 宗教を重要視する高齢者の方が、満足度が高い

特に注目したいのが、「家族構成」の影響。欧米では「個の自立」が重視されがちですが、インドでは大家族での生活が高齢者の幸福度を支える大きな要因になっているんです。

健康と経済、予想外の結果

さて、ここからが本当に興味深い。健康状態と経済状況の影響です:

  1. 健康状態:

    • 自己申告の健康状態が良好な高齢者ほど、満足度が高い

    • ただし、慢性疾患の数と満足度には明確な相関がない

  2. 経済状況:

    • 所得が高いほど満足度も高い...という単純な関係ではない

    • むしろ、「生活への満足度」が経済状況以上に重要

つまり、客観的な健康状態や経済状況よりも、主観的な満足感の方が重要だということ。これ、結構衝撃的じゃないですか?

日本への示唆、そして他の発展途上国は?

さて、このインドの調査結果、日本にどんな示唆があるでしょうか:

  1. 家族の絆:核家族化が進む日本だからこそ、高齢者と若い世代の交流を促進する施策が必要かも

  2. 主観的満足感の重要性:「お金」や「健康」以上に、生活への満足感を高める取り組みが大切

  3. 宗教・精神性の再評価:必ずしも宗教そのものでなくても、人生の意味を見出せる活動の促進

他の発展途上国への示唆としては:

  1. 教育の重要性:生涯学習の機会を増やすことで、高齢者の満足度向上が期待できる

  2. カーストや階級の影響:社会的格差の是正が、高齢者の幸福度向上につながる可能性

  3. 伝統的価値観の再評価:必ずしも西洋型の個人主義モデルが最適解ではない

高齢者の幸福、その先にある社会の姿

ここまで見てきて、何か気づきませんか?

高齢者の幸福度って、実はその社会全体の価値観や構造を映し出す鏡なんです。インドの事例が示すのは、必ずしも経済的な豊かさや最先端の医療だけが幸福をもたらすわけではないということ。

むしろ、以下のような要素が重要になってくるんじゃないでしょうか:

  1. 世代間のつながり:高齢者と若者が互いに学び合える社会

  2. 多様な「幸せの形」の許容:画一的な成功モデルからの脱却

  3. 精神的な充足:単なる長寿ではなく、人生の意味を見出せる社会づくり

個人的には、この「インドモデル」は、超高齢社会に突入した日本にとって、新たな可能性を示唆していると思うんです。経済成長だけでなく、人とのつながりや生きがいを大切にする。そんな価値観の転換が、実は高齢者だけでなく、全世代の幸福度を上げることにつながるんじゃないでしょうか。

みなさんはどう思いますか?自分の親や祖父母の世代を見て、何が彼らの幸福に最も影響していると感じますか?そして、自分が高齢者になったとき、どんな社会で暮らしたいと思いますか?

高齢者の幸福を考えることは、実は私たち全員の未来を考えることなんです。インドの事例から学び、世代を超えて対話を重ねていく。そんな姿勢が、真の意味で「人生100年時代」を幸せに生きるヒントになるんじゃないでしょうか。


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