見出し画像

【若者と働き方の真実 ~データが語る3つの視点~ #1(全3回)】"すぐやめる若者"の実態 - データが語る意外な真実

「最近の若者はすぐ辞める」なんて言葉、よく耳にしませんか?特に経営者や人事部門の方々にとっては、頭の痛い問題かもしれません。でも、ちょっと待ってください。本当にそうなんでしょうか?

今日から3回にわたって、この「すぐやめる若者」説について、データを使ってじっくり掘り下げていきたいと思います。

まずは、退職率のデータから見ていきましょう。

厚生労働省が2023年10月に発表した「新規学卒就職者の離職状況」によると、2020年3月卒業者の3年以内離職率は、大卒で32.3%、高卒で37.0%となっています。つまり、3割以上が3年以内に辞めているわけです。これだけ見ると、「すぐやめる」印象は間違いではないように思えますね。

でも、ここで過去のデータも見てみましょう。同じ厚生労働省のデータを遡ってみると:

1987年卒:大卒32.5%、高卒48.2%
2000年卒:大卒36.5%、高卒50.3%
2010年卒:大卒31.0%、高卒40.8%

どうでしょう?意外かもしれませんが、最近の方が若干低くなっているんです。「最近の若者は…」なんて言ってる人、自分の若い頃を思い出してみてください。案外、似たようなもんだったりしませんか?

じゃあ、なぜ「最近の若者はすぐ辞める」という印象が強いんでしょうか。考えられる理由をいくつか挙げてみます。

  1. 情報の拡散スピード: SNSの普及により、誰かが退職したというニュースが瞬く間に広まります。昔なら知られずに済んだ退職も、今では大きく取り上げられやすくなっているんです。

  2. 人手不足による影響: 少子高齢化に伴う人手不足で、一人が辞めた影響が以前より大きく感じられるようになっています。

  3. 世代間のコミュニケーションギャップ: 価値観の違いから、若者の行動を理解できない上の世代が、否定的な印象を持ちやすくなっているかもしれません。

  4. メディアの影響: 「若者の○○離れ」のような見出しが話題を呼びやすいため、メディアが若者の退職を大きく取り上げる傾向があります。

実は、離職率だけを見れば、昔から大きな変化はないんです。でも、私たちの認識は「若者はすぐ辞める」方向に偏っているようです。

ここで考えたいのは、単に「辞める・辞めない」だけでなく、「なぜ辞めるのか」「どうすれば働き続けたいと思えるのか」ということです。

次回は、この点について深掘りするために、「エンゲージメントスコア」というものを見ていきます。これは従業員の仕事への熱意や愛着を数値化したもので、世代による違いがはっきり出ているんです。

若手社員は本当に「すぐ辞める」傾向にありますか?それとも、単に世代による働き方の違いが、そう見えているだけかもしれません。


◯妊活なんでも相談:https://www.stork-consulting.jp/ninkatu-soudan/
※妊活や不妊に関することなど、テキストベースでご相談をお受けしております。

◯企業様向け研修・コンサルティング
ウェルビーイングやダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン・ビロンギングの推進に関するご相談を承ります。まずは以下までお気軽にご連絡ください。
info@stork-consulting.jp

●X:https://x.com/kifune_kazuya
●note:https://note.com/storkconsulting
●HP(株式会社ストークコンサルティング):https://www.stork-consulting.jp/


#ウェルビーイング
#少子化
#ダイバーシティ
#エクイティ
#インクルージョン
#ビロンギング
#deib
#エンゲージメントスコア

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?