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始まりは、いつもしくじり

人生なんて
成功よりも、失敗の繰り返しさ
成功体験よりも
失敗の経験の方が
棘のように
胸に刺さっている。

成功ってさ。
成功した瞬間が、絶頂で
そのあとは、余韻でしかない。
しかも、いつまでも、その余韻に浸っていると
どこかで、足元をすくわれてしまう。
実際に、先日、経験したばかりだ。
成功したことに浮かれてしまい
周りが見えなくなり
迂闊にも、しくじってしまった。

だから、成功経験については
思い出すことはない。

しかし、棘を抜こうとしても
なかなか抜けなくて
多分ではあるんだけど
すでに何十年も刺さっている棘もある
刺さっている棘を
更に奥まで差し込んで
力で見えなくして
思い出さないようにした棘もある。
だから、二度と抜けない棘になる。

そうだ、誤魔化しは効かないのだ。

誰か、心の棘を溶かすための
呪文を知っている人がいるなら
教えてほしい。

つい先日、更にもう一本
心に大きな棘がささったところだ。
それも、ロンギヌスの槍ほどの
おおきな棘である。

時計の針は、間もなく
夜の九時を刺そうとしていた。
夜の街は賑やかだ
ネオンはまだ明るく、
クルマも多くて、人も多い。
ここは、とある街の飲み屋街
もう少し遅い時間になると
酔い潰れて、自分ひとりでは
歩けない人も見られるようになる。

俺はいま、仕事を終えて
帰りの電車の中にいる。
明日は休みである。
帰りに一杯、引っ掛けたいところだ。

実は、先日、離婚をしたばかりであった。
原因は、オレにある。
明らかにオレが悪い。
理由は聞かないで欲しい。
世間一般的な
よくある「しくじり」というやつだ。

妻はひとまず実家に帰り
オレは、今まで住んでいたアパートで、一人暮らし。
子供がいなかったのが、
せめてもの救いだったとも思う。

妻の荷物は、一通り片付けが終わり
書類関係の手続きも終えて
今は、ある程度、落ち着いたところだ。

「今夜は呑みたい。」
そう思っていたところだった。
家には帰るつもりもなく、
駅のロッカーに荷物を置いて
有料なので、お支払いは済ませ
そのまま、飲み屋街へと向かった・・・・。

そこで、何があるのか?
それは、まだ、分からない




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