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写真とデザイン

ボクは建築の設計を仕事にしていたからいわゆる「デザイン担当」って呼ばれるような仕事をしてた。建築の設計は図面を描くことだけが仕事じゃなくて、クライアントとの打合せ、設備や構造担当者との各種調整、行政や施工者との協議打合せもデザイン担当の仕事になる。

そして建物の設計をするときに外装や内装を「デザイン」することもデザイン担当の大切な仕事で、ボクはその「デザイン」に楽しさを見出してブラックと呼ばれてもおかしくない建築設計の分野に身を投じてきた。

ボクは建築設計が大好きで何年もその仕事をしてきたけど、それと同じくらい、もしくはそれ以上に大好きなのがカメラで「写真」を撮影することなんだ。

そう考えるとボクの人生には常に「デザイン」が流れているし、ボクも「デザイン」的思考を大切にして生きている気がする。そしてそれは、おしゃれな服で着飾ることやYouTubeのルームツアーで見るような生活感のない空間を作ることじゃなくて、もっと「デザイン」の本質の部分でボクは「デザイン」を大切にしていると思うんだ。

デザインと写真の関係

デザインと写真を繋げたときにちょっと違和感を感じる人はいるかもしれない。写真家と呼ばれる大御所の作品は確かに「デザイン」と呼ばれてもいいのかもしれない。でも世の中にたくさんいる商業カメラマンやウェディングカメラマンは作品と呼ぶにはちょっと違う気がする。
ましてやみんなカメラ(スマホ)を持ってSNSに個人個人の作品を毎日アップしている現在で、デザインと写真を関連づけることは難しい気がする。

それでもボクはデザインが持つ力で写真に携わっていきたいと思ってるんだ。

デザインをデザインするということ

デザインと写真について考える前に「デザイン」について考えないといけないかもしれない。

ボクがデザインについて考えるようになったのはグラフィックデザイナーの原研哉さんが書いた『デザインのデザイン』や『RE DESIGN』を読んでから。「デザイン」に対する認識がガラッと変わったし、当時建築家の本ばかり読んでたボクにとって目から鱗のことばかりだった記憶がある。

写真でデザインする

建築が好きな人は写真やカメラが好きな人が多い気もする。それは建物見学したときに記録や記憶として残すためにどうしてもカメラや写真が必要だったから。もちろんボクも必要に迫られて始めた口。

でも今のボクは原研哉さんの本を読んで、違う視点でカメラや写真に接している。それは『写真でデザインする』ということ。
原研哉さんが書籍の中で「デザインはモノのあり方をもう一度見直して再構築すること」って言ってた。(もう何年も前のことだから正確じゃないかもだからできれば書籍を買って読んでみてね)

だからボクは写真を通していつもボクたちが普通にみている当たり前の風景を自分なりに理解して再構築して独自の視点で撮ることだと思ってて、だからこそボクはいわゆる定番スポットにはあまり興味なくて、それよりもボクでしか撮れない構図や写真をカメラに収めたいと思ってる。

ボクの生活のそばには常に「デザイン」の思考があって欲しいし、できればそれが写真とかブログで表現できたらいいなと、小さな世界から呟いてみる。


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