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The last rose of summer


梅雨の晴れ間に


燃える薔薇のような日輪が


一点の翳りもない


蒼い天涯を廻(めぐ)るのだ



今年も列島に


炎暑の夏がやってくる



数百年前の話になるが


彼の國では怜悧な白い肌の磁器に


薔薇とお茶を携え


灼熱のティーロードを


隊列を組んで


チベットまで売りに行ったという


その薔薇、チャイナローズは


時が経つと


鮮烈な赤から


やがて


深みのあるクリムゾンレッドに


変化してゆくという



ああ


今年も


夏が終われば


母の不在のこの庭に


夏の名残のチャイナローズが咲くだろう


オールド・ブランシュ


the last rose of summer 



明日も


燃える薔薇のような日輪が


一点の翳りもない


蒼い天涯を廻(めぐ)るのだ



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