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裏側を見せるエンタテインメント

音楽ライブも演劇も舞台裏は見せるものではなく、あくまでもステージで完成した姿を披露するのがエンタテインメントであり、そこに興奮と感動が生まれるものでありました。

そして時代は変わり、誰もがネットで発信できるようになり、一人一人がテレビ局として機能することが可能になりました。
マスメディアを通じてしかプロモーションできなかったものが、個人レベルでできるようになったことで、一気に世界が変わってしまったのです。

録音された音源は完成品です。その完成品が定額制でいつでも聴けることは、ユーザーからすれば素晴らしいことですが、提供するアーティスト側からしたら、気が遠くなるような曲数の中から選んでもらうことは至難の技です。そういう意味では録音した音源を売る時代は終わったと言えるでしょう。

これから先、自分の音楽を聴いてもらう、または知ってもらうためには、音楽だけ切り取ってプロモーションしても、大海に水を撒くようなものなので、特定のユーザーに受け取ってもらうことはとても難しいです。

もちろんそれは無駄なことだと言っているわけではありません。
昔と大きく変わったことを認識し、時代に合ったやり方を構築する必要があり、もし以前と変わらないやり方をしていたとしたら、せっかくの作品が埋もれていってしまうということを言いたいのです。

わかりやすい例えで言うと、高級な料亭は調理場を見せません。
板場で調理された完成品を、用意された席で楽しむものだからです。
でも洋食ではオープンキッチンのお店をよく見かけます。
コックさんが忙しく立ち回り、フライパンを煽り、出来立ての料理がテーブルに運ばれてきます。

つまり自分が食べる料理が、どのような手順で調理されて手元に届くのかが見えているわけです。そして料理がテーブルに運ばれてきて、美しくお皿が並んだ時の期待感はマックスです(笑)

これは一つの例えとして聞いて欲しいのですが、オープンキッチン方式に切り替えるのもアリなのです。
つまり舞台裏を見せると言うこと。

例えばギターやピアノを弾きながら作曲をし、音楽ソフトを使ってデモ音源を作成するところを動画でアップしながら、メロディーや歌詞、アレンジなど修正を入れつつ、完成するまでの過程も観てもらう。

するとそこまでにどんな苦労があったのか、どれだけ愛情を込めているかは十分伝わりますし、ユーザー側も、その過程を経てこの曲が出来上がったのか〜と自分も一緒に作業に参加している気分を味わえます。
そして完成した音源を手に入れてもらえる確率はグンと上がります。

さらにその動画の中で、あなたのキャラや性格が伝われば、あなたのファンになってもらえる可能性も十分あるし、そのパーソナルな個性が見えるからこそ、親近感を覚えてもらうことができ、作品に対しても共感してもらえるんです。

つまり楽曲だけを切り取ってプロモーションするのではなく、あなた自身をプロモーションするということ。
音源が売り物だった時代は、音源自体をどうプロモーションするかということがテーマでしたが、音源が売り物ではなくなった現在では、方法論が変わることは仕方のないことです。

もちろんパッケージ(CD)にしてライブ会場や通販サイトでの販売もできますが、もはやこれは音が聴けるグッズとして捉えたほうがいいでしょう。
どちらにしても音楽ビジネスは、大きく様変わりをせざるを得ない状況なので、アイデアが浮かんだら実行に移してみつつ、検証し修正を入れていくことですね。

ライブも同じようにリハーサルや楽屋の様子を見せるのもアリだと思います。メイキングやドキュメントのようにね。
変に脚色したりヤラセのようなことは避けたほうがいいかもです。

今はコロナ渦でもあるし、できることをコツコツとという感じですが、レコード会社や事務所に頼らずとも活動できる環境ができたことは、とても未来が明るいと言えます。
ぜひ面白い活動方法を見出し、ネットでアピールしてください!

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