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静岡のばぁちゃんちの海

僕にとっての原体験の海は、毎年夏休みに行っていた母親の実家近くの海で、現在の静岡県静岡市清水区にある、海沿いの興津という町なのですが、海岸まで山が迫っていて、そのわずかな隙間にJRと国道1号線が並走していて、神奈川県の大磯に似ている街並みでした。

当時の駿河湾は魚介類が豊富で、あさりを採ってきて味噌汁にしたり、釣ったばかりの魚が食卓に並ぶような、今考えると夢のような暮らしでした。
今日たまたま古い写真を見つけたことで、この記事を書こうと思ったのですが、うっすらと記憶が残る興津の海岸は、まるで沖縄のような風景です。
今は埋め立てられて面影もないですが、今でもこの風景を思い出すと、胸がキュンとするんですよね。

たぶん60年くらい前の写真だと思われます。


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グーグル マップだと、たぶんこのあたりです。

スクショ


西園寺公望公が引退後に、別邸として建てた「坐漁荘」があったくらいですから、めっちゃ風光明美な場所で、埋め立ててしまうことを知った時のショックは鮮明に覚えています。

まぁ昭和の高度成長期の頃の話なので、世の中はイケイケな状態で反対などできなかったのかもしれませんが、僕にとっての原風景である海がなくなってしまったのは、今でも残念でなりません。
蟹や小魚を採って遊んだ磯や、水中眼鏡をつけて遠くに泳ぐ魚を見るのが大好きで、今でも夢に出てくることがあるんですよね。

昭和の頃は山を切り開き海を埋め立て、住宅や工場を建設していきましたが、これから先は自然と共存する方法を考えていかねばなりません。
北海道に移住して大自然の中で生活していると、その重要性をとても感じるし、創作はもちろんのこと、何かをイメージしたり自分と向き合ったりするのは、僕にとっては都会より田舎の方が合っています。
何よりも、自然の中で心静かに受け取るインスピレーションは宝物です。

最近は函館から帰ってきた時もなんかほっとするんですよね。
函館は大都会ではないですけど、大沼に帰ってくると森や湖が迎えてくれますから、それだけで心が落ち着きます。
今日は少し暖かいので、窓を開けているのですが、新鮮な空気と小鳥たちの泣き声でとても癒されています。



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