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カウンセラーを目指していたら、自分が適応障害になった。

心理カウンセラーを目指す動機は様々ですが、
私の周りにはよく、こんな人たちがいます。

かつては自分自身がうつ病などの精神病を患って苦しんだ経緯があり、
その後今度は自分が心理支援する側に!という理由でカウンセラーを目指す

自分の周辺でメンタル不調に陥った人がおり、
助けたいという思いからカウンセラーを目指す

そう、私の周りでは・・・
自分OR周りがメンタル不調に苦しむ
→カウンセリングに興味を示す
→カウンセラーを目指す
こんなパターンをよく見かけます。

ところが私はというと・・・

キャリアコンサルティングの学びから、
メンタルヘルスに興味を示す
(EAPメンタルヘルスカウンセラーに興味を示す)
→カウンセラーとして臨むべき姿勢、大事な心得を学ぶ
→すると、自分がメンタル不調に陥る
→結果、適応障害と診断。

カウンセラーを目指すのだから、メンタル不調とは無縁だ思っていた自分が、まさかまさか。
結果通院するまでにメンタル不調に陥ってしまったのです。

ただ!これは2つの仮説がありまして・・・

カウンセラーへの学びをしていたが故に、適応障害となった

というケースと、

カウンセラーへの学びをしていたが故に、重度のメンタル不調に陥らずに済んだ

どっちのパターンも当てはまると考えています。


まず、

カウンセラーへの学びをしていたが故に、適応障害になった

という仮説について。

私は、カウンセリングとはある意味で真逆であろう
某業界で、業務コンサルティングの仕事を行なっていました。
コンサルティング業務をやられている方ならお分かりかと思いますが、
コンサルティングとは、お客様の何かしらの利益に貢献するために、
お客様が抱える問題や課題を解決するための提案活動を指します。
その提案を受けて実行した結果、お客様にとっての利益向上につながるか、
その結果でコンサルタントとしての評価に繋がるのです。

そう、つまりはコンサルティングは結果が全て。
乱暴な話をしてしまうと、過程よりも結論ありきで業務に取り組むことが常だと、私はこのように認識しています。

結果が全てということは・・・
数値やデータなど客観的事実が何か、言語化されているものがものすごく大事になってくる世界なのです。
なので、言語化ベースのコンサルティングの世界だと、
客観的事実を「どのように伝えるOR伝えた」や
客観的事実を人へ共有するときの「表情や声色」といった態度や姿勢、
つまりは非言語メッセージはあまり重要視されないことがほとんどだと私は感じています。

対して、カウンセリングはというと・・・
相談者が話してきた言葉以外にも、話している時の表情や空気感、間(ま)といった非言語がどう表されているか、ということに意識を向けることが物凄く大事になってきます。

非言語メッセージが大事ということは、
カウンセラーとして相談者の声をしっかり聴いていますよ〜という受容的姿勢、態度が物凄く大事になってくるのです。

業務コンサルティングを仕事していた時に、並行してカウンセリングを学んでいた私にとって、受容的姿勢や態度をあまり重点を置かないコンサルティングの世界は、だんだん馴染まなくなってしまったのです。

「コンサルはコンサル」「カウンセリングとは別物」という棲み分けが自分の中でできればよかったのですが、そこまで器用ではない私にとって、
コンサルティングで求められることとカウンセリングで求められることをごっちゃに考えてしまい、結果受容的姿勢や態度を重んじない世界に違和感を覚えていってしまったのです。

その結果・・・コンサルティング業務を行なっていたある日、不調を感じてしまい、病院へ。
結果医者から適応障害と診断されるまでになりました。

ちなみにですが、ここではコンサルティングそのものを否定したいのではありません。

コンサルは言語化ベース、つまりは、
言語化されているが故に、
人と齟齬なく共有できる、
数値やデータさえ示せれば誰でも同じ事実として共有できるというのが
コンサルティングの特徴
であるということです。

一方のカウンセリングは非言語ベース、つまりは
態度や姿勢は、その人によって受け捉え方が違ってくる、という特徴がある、と私はそう認識しています。


そして、

カウンセラーへの学びをしていたが故に、重度のメンタル不調に陥らずに済んだ

という仮説について。

カウンセラーとして相談に乗る際に、既往歴があるかということをインテーク時に聞くことが大事なポイントの一つとされています。

何かしらの不調を相談者から訴えてきた際に、
体調はどうなのか?
病院へ通っているのか?
そしてメンタル不調が由来となりそうだと仮定した場合、精神科や心療内科への受診履歴はあるのか?

これらの情報をヒアリングするのはカウンセラーとして大事な役目の一つです。

「具合が悪いんなら病院へ行く!」
つまりは自分自身が不調に陥っていると気づいた時に、
カウンセラーとして相談者の既往歴をヒアリングするんだから、自分も病院へ行こう!と考えました。

カウンセラーとしての学びをしていたが故に、
精神科・心療内科へ行くという発想が私にはあったのです。

結果、私の場合は不調に気づいたタイミングから仕事を一旦お休みし、頭痛や不安定に泣く、寝れないといった身体症状が出ていたので、心療内科へ行きました。

数ヶ月〜半年の間通院はしましたが、その後メンタル不調から回復が見られ、今のところ通院はなくなり、現在に至っています。


もし、自分がカウンセラーを目指していなかったら・・・
カウンセリングの学びをしていなかったら・・・
ひょっとしたら適応障害と診断されなかったかもしれないですし、
あるいは当時よりもさらに重症になっていた可能性もあり、
結果どちらも考えられるので、どうなっていたかはわかりません。

ただ、これだけは言えます。
ひとまず体調悪いと思ったら、無理をせずにしっかり休みましょう!


by なっちゃん