「キングダム」〜大将軍の帰還〜

本日は久しぶりに凄い映画を観たのでご紹介したいと思います。
それは、先週の金曜日、7/12に封切られましたキングダム〜大将軍(だいしょうぐん)の帰還〜
です。私のことをよく知る方は、え?そんな王道アクション映画観るの?と思われるかもしれませんが、私自身も前作たちを上映当初、全く見ていなくて、ネトフリで1, 2を見て、3をアマゾンプライムで課金をして鑑賞したら、観た途端に、翌日の金曜ロードショーで放映されるというね。
あらすじとしては中国の昔の王朝、秦の王様が7つに分かれていた国を統治するお話で、史実をベースにした物語となります。もちろん、今回の新作を見るにあたり、1〜3までを
見ていただく必要があると思いますが、今上映中の映画がその3つを必ず上回ってくること間違いなしです。
そして、今回の作品の主役は間違いなく、大沢たかおさんが肉体改造をして挑んだ王騎でした。
今までもキャラが立ちすぎて、物真似をしたくなる様な存在でしたが、王騎の過去やプライベートな話、人間臭さや部下に対する愛情を見ることのできる今作となりました。起承転結の流れとしても素晴らしかったし、この映画に携わる方々が8年間という期間、それぞれの仕事に向き合い過去3部作を越えた集大成の映画になっていたと思います。
原作は読んでいないので、漫画に対してのキャスティングに関しては、どの俳優さんがぴったりとかはわからないのですが、今までの大沢たかおさんのイメージからは考えられない新たな境地、雄々しく、猛々しい大将軍としての振る舞い、闘いが素晴らしかったです。インタビューも拝見しましたが、8年間同じ役に向き合うという事、コロナ禍で中国での撮影ができなくなり、ロケ地を変更せざるを得なかった事など、通常では考えられない困難さの中で、レベル違いの物をそれでも作り上げたいという強い想いがあったことを語られていました。
王騎に相対する吉川晃司さん、扮する龐煖(ほうけん)も素晴らしく、その2人の死闘の演技を支えるVFX技術。土埃や鉾がぶつかる瞬間、馬が吹っ飛ぶ所など、普段、アクション映画はほぼ見ないので、日本の技術がここまで進化していることにびっくりさせられました。
そして、大沢さんの甲冑。趙軍の将軍たちの白い甲冑が布ってバレバレだったし、他の人たちの鎧が布だったから、大沢さんのも多分そうなのだけど、何回見ても王騎の衣装だけは本当の甲冑にしか見えなかった!でもそれは大沢さんの演技力からそう見せられていたということなので凄いことです。でもあの肉体なら甲冑着たまま戦えそうですよね笑
あらすじの初めの部分は前回から繋がる戦いのシーンからのスタート、絶望。そこから希望の光、悲しみ、士気の盛り上がり、と見どころはたくさんで、あっという間の2時間半でした。
前作、運命の炎での回想シーンも長くて飽きてしまったけれど、今回は、過去と現在を入れ子式を取ってくれたので飽きずに見ることができました。IMAXで観たんですか、やはり大画面の高画質、高音質で見がいのあった映画でした。BGMはもちろんですが、合戦や人の呼び声などが多方向から聞こえると臨場感が増しますね。
他にも印象深かったキャラクターたちはたくさんいて、急に強さを見せた王騎の副臣・謄、楊端和の貫禄と美、羌瘣のトーンタンタンから鉾の上を走って攻撃するシーン、信を命懸けで守る飛信隊の面々、特に幼馴染の尾兄弟、尾平と尾到、王に仕える昌文君に呂不韋、万極のサイコパスみ
新木優子さんがシーンに映るとうっとりするほど美しかったのですが、この細腕で鎧を着て戦場に立つことは可能なのか?と現実的に考えてしまいました。
李牧は策士ではありますが、あの狡いのアリなの?そして、龐煖と合わせて、趙側の李牧は小栗旬が飄々と演じる事で、もしかしたら秦軍は負けてしまうのかもしれない…この闘い、先がわからないなと、まんまと思わせられました。
サブタイトルの"王将軍の帰還"、そういうことか…と最後に頷き、この先のシリーズは見たい気もするけれど、ここで最後にした方がベストな幕の引き方とも言えそう。
エンドロールまでしっかりと観客を離さず、95%の人が最後の最後、場内が明るくなるまで席を立とうとしませんでした。それがまた、この映画が圧巻だったことの表れだと思いました。
以上、できるだけネタバレには配慮して良さを伝えたつもりです。キングダムはまだ公開されたばかり、ぜひ、劇場でごらんください。

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NYでフリーランスのライターと日本語の先生をしています。どこまでも自由になるため、どこにいても稼げるようなシステムを構築しようと奮闘中。