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[大学・イギリスのこと]ハードサイエンスとソフトサイエンスのことだったり、社会科学とかフェミニズムとかポスト・プロセス主義とかだったりの大雑把な話。

この前、予告で出してた話じゃなくて違うこと話してるけど、読んでみてくれたら嬉しいです(予告で言った話は次の機会に…)。

今、自分が在学中のUniversity of Leicester Archaeology and Ancient historyという学部。この字面だけを見れば、普通に考えたら文系の学部なんだろうなってみんな思うんじゃないかな?まあ、人によっては考古学なら社会科学の学科だから理系だよって言っている人もいるかもしれない。でも、まあ、普通の日本の大学なら、歴史学や考古学というのはバリバリの文系学問と捉える人が殆どだろうね。ただ、現在、自分がいるのはArchaeology BScという学科なんだけど、そうBachelor of Scienceの学位、つまり理学士だ。考古学で理学士ってそれ…ってなるかもしれないし、実際、入った当初は思っていたが、そう、現在は理学士になるために日々勉強中だ。ただ、実際、Archaeology BA (Bachelor of Arts: つまり文学士)という学科も同じ学部内に存在していて、学部によって取れる学位が一緒ではないというのが一つ特徴。もちろん、ここにも学科ごとに行う内容に差異があり、それぞれで科学的な調査手法、文学的な思考といった具合に同じ分野でも異なる勉強や研究をしている。

さて、そんな疑問が深まる理学、つまりScienceについて今日は話してみようかなって思ってる。サイエンス...まあ、要は科学っていうと、まあ、物理だったり化学だったり、生物学だったり、あと地学もそうかな?まあ、そんな分野が主になるんじゃないかなと思う。もちろん、自分たちののようなArchaeology BScの学科を出るような人々もそれらについて結構扱う。物理も化学も生物も地学も全部、基礎はわかるよっていうのが、この学科がBScたる所以でもあるかな。何に使うの??考古学なんぞに…って思うかもしれないけど、古生物学だったりaDNA analysis(aはancientの略で、古代のDNA分析)とかの生物学分野を主にやってる人もいたり、GPR (Ground-penetrating radar)、LiDAR (Light Detection and Ranging)などのレーダーや3Dスキャニング、磁気や抵抗などを使った調査方法などを用いたGIS (Geographical Information System)を取り扱うことが得意な人もいたり、あとは、artefactsとかに残ってる成分分析する人とか、ミューオンのものを透過する性質使った調査とか、まあ、本当に扱ってるものは多岐にわたる。で、ちょっと話が逸れたけど、Scienceというのは、みんなこんな感じのものを想像してるだろう。でも、実はこれらってハードサイエンスっていう括りで、数式や化学式、生物学的、あるいは地学的な知識とかをバリバリ動員して、理論的な考察と結論を出すことが求められる。

でも、そう、ハードがあるならソフトもある。ソフトサイエンスって何?ってなった時に出てくる答えが社会科学、Social Scienceだ。社会科学っていうのは、いわゆる人文科学とか人類学から発達した学問になるのかな??HumanityだったりAnthropologyだったりと呼ばれている(正直、もっぱら調査系の授業の方が好きで、ここら辺の哲学的な授業が苦手で毎度苦戦してる)。まあ、そんなSoft Scienceという分野があって、マルクス主義だったり、フェミニズム(フェミニズムというのは、女性に対して優しくするとかそういうものではなく、男だからこうしなければならないもないし、女だからこうだよねみたいなこともないよねっていうジェンダー論全体についての話である)を用いて、人間や社会のあり方について考えてる学問だ。実際、そんな主義や主張を過去の社会や人間に対して考察するために適用しようと作られたのがpost-processual archaeology(ポストプロセス主義)という分野だ。これによって、現代の自分たちの性別に対する先入観であったり、人や社会に対しての先入観を取り払った上で、結論を出す際には、行動原理などに社会的な考察を取り入れるということが可能になった。post-processual archaeologyの一つ前の考え方であるprocessual archaeology (プロセス主義)というのは、科学的な調査手法から出たデータや結果からできる考察を用いて、客観的に人間の行動を考察するというものなんだけど、人間に対する考察を行っている上で、それは本当に客観視のみなのか?ということで、post processual archaeologyができたってわけだ。

まあ、そんなわけで、Archaeology BScの人間たちは、人の文化に迫るために、物や環境に対してはHard Scienceを適用し、そこから人について考察する時はsoft scienceを適用して…みたいなことをやっている。まあでも、教授から一年の時の授業の最初の方でずっと言われていたのは、「僕らは科学についてやっていて、科学者なんだというのを忘れるな。」ということだ。一番、信じるべきものはデータであるし、科学的手法を用いて検証されたものについてのみ考察し、発表することができるというのは、やっぱり、それが科学だということなんだと思っている。まあでも、個人的にはsoft science苦手だし、社会学とかすごく苦手だなって思いながら日々やっている。

もし、この話についてもっと詳しく聞きたいとか、この話ふくらましてよっていうのがあったら、ぜひコメントやツイート等言ってください。今回は、本当に表面的なことしか話してないので…。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!

森山蒼瑚

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