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JICA海外協力隊・オアハカの産業開発に挑む①:オアハカ全土の企業データを集める!

こんにちは、JICA海外協力隊としてメキシコ・オアハカ州で活動をしている井戸です。
本日は私が活動で関わっているSEDECO(オアハカ州経済開発局)のEmetrica Centralプロジェクトについてと私自身の活動をご紹介します!

SEDECOって何してるの?

SEDECO(Secretaría de Desarrollo Económico del Estado de Oaxacaの略)は、主にオアハカ州内の産業開発を行う政府機関で、日本でいう経済産業省のようなところです。
オアハカ州は570自治体ある巨大な州で、中心地から一番遠いところだと車で約6時間かかります。日本だと東北と関東を合わせたぐらいの大きさです。
SEDECOではその全域を活動の対象としていますが、やはり570自治体を全て見るのは難しく、各自治体にいる職員と密に連携をとりながら活動を行っています。

570自治体からなるオアハカ州

オアハカ全土の企業データを集める!

SEDECOで私が所属するのは中小企業や個人事業主に対して講座やイベントなどを実施し支援を行う部署で、そこで取り組んでいるプロジェクトの一つがEmetrica Centralプロジェクトになります。

Emetrica Centralでは州内の事業者の情報を収集し、ビジネス成熟度評価を行い、各事業フェーズに合わせた支援内容を提示することを行なっています。
目標は州内に存在する全ての事業者データを集めること。現在、約2万あると言われている事業者の内、約3000事業者のデータを集めています。

Emetrica Centralの調査票

ビジネス成熟度評価では、SEDECOで独自に開発した調査票を事業者に回答してもらいその結果から企業を5つのレベルに分類しています。

レベル1構想フェーズ
 ビジネスのアイデアはあるが、形にできていない
レベル2実験フェーズ
 商品やサービスを形にできたが、ビジネスとして試行錯誤中
レベル3開発フェーズ
 安定した収益を得られ、ビジネスの拡大に向け投資を検討し始める
レベル4強化フェーズ
 組織・資本管理やプロセス標準化などに取り組み企業基盤を固める
レベル5安定フェーズ
 持続的成長を実現し、収益拡大のため新たな領域への投資も行う

実際に集めたデータの一部が以下から見れるので、ぜひ見てみてください。

オアハカ州事業者データ

こういったデータを使いながらSEDECOでは
①新たな政策の検討をする
②事業者に対して効率的に支援を行う
③教育機関やNGOなどに展開しオアハカ州での活動を促す

ということを行っています。

協力隊としての活動

Emetrica Centralプロジェクトの中で、JICA海外協力隊としての私の活動は主に2つ。

①Emetrica Centralのシステムを設計し、エンジニアと共に開発する
②事業者へ向けた支援メニューを作る

2023年12月にオアハカに来て以来、主に①の活動を行ってきました。
スペイン語もほぼできずで始まったプロジェクトですが、ChatGPTなど翻訳機を駆使したり、ホワイトボードに絵を描いたりして、なんとかコミュニケーションし、同僚にも助けられながらプロジェクトを進めています。

左:ChatGPTを使っておしゃべり 右:ホワイトボードでシステムの説明

システム開発では調査票で集めたデータをCRM(顧客管理システム)に登録したり、事業者に対してレベル別にメッセージを送ったり、集めたデータを見るためのポータルサイトを作成したりをSaasをどんどん使いながら実装しています。
一応、オアハカ州政府のサービスになりますが、そもそもの基盤システムも整っていない状況なので、完璧を求めすぎず、どんどん作って試し、修正しながらいいものにしていこう!という感じなので、いろんなチャレンジをさせてもらっています。

ノーコードサービスMakeを使ってデータをCRMへ自動登録

データ収集のために村へ訪問することも度々あります。
オアハカ内でも村ごとに色が異なるので毎回新たな発見がありますし、何より村の人の話を聞くのが新鮮でとても楽しいです!

データ収集のために村へ訪問

そして、こらから取り組もうとしているのが②事業者へ向けた支援メニューを作ることです。これがまさにPuert@と共に動こうとしているものになります。

次回、Puert@がオアハカでどんな取り組みを考えているのかご紹介したいと思います!

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