見出し画像

【第9回定期セミナー】SNS発信や文章作成の悩みに現役編集者が答える!なんでも相談室開催

お酒とメディアのオンラインサロン「Starter」では、月1回、文章の書き方やお酒の知識などが学べる定期セミナーを行っています。

1月18日(水)に開催された第9回のセミナーは「現役編集者に聞く!なんでも相談室」

会員から事前に寄せられた、SNS発信や文章作成にまつわる悩みの数々に、運営の現役編集者ががっつり寄り添い、解決に向けたアドバイスをしてくれました。

実際に質問をくれた会員のみなさんも参加し、おおいに盛り上がった当日の内容から、3つのトピックをピックアップしてレポートします。

※本記事より、有志の会員がレポートを執筆することになりました。ライタープロフィールは記事の最後をご覧ください

■セミナー概要

テーマ「現役編集者に聞く!なんでも相談室」

講師
木村咲貴
SAKEジャーナリスト。2018年、カリフォルニア大学ロサンゼルス校にてJournalism Certificate修得。アメリカ初のSAKE専門店True Sakeに勤務。現在は日本酒メディアの編集者を務めるほか、日本酒/SAKEを中心とした記事の執筆・翻訳に携わる。専門は海外流通・海外ローカル酒蔵。

クリーミー大久保(大久保敬太)
エンタメ・カルチャー系の編集を経て、企業のコンテンツマーケティング・ブランド醸成に従事。日本酒情報を発信するnoteのフォロワーは1万人を超える。

Q. 日本酒情報をツイッターで効果的に発信したい

最初の質問は「ツイッターでの日本酒情報の効果的な発信について」。相談者の方は、飲んだお酒や飲みに行ったお店の情報を、こまめにツイートしています。

最初は自分の備忘録のために始めたそうですが、とくに日本酒を飲み始めたばかりの人たちのために、お酒選びの役に立ちたいと考え始めたのだとか。この先さらに多くの人に見てもらうために、効果的な発信方法を教えてほしいという相談です。

A. 適度にキャラを出すほうが効果的かも

ご本人のツイート内容を見た木村さんは、「お酒についての情報が詰まっていますね!もし私が『◯◯というお酒はどんな味なんだろう』と検索した時に、こういう情報に出会えたらとても助かると思います」との感想。

その上で、「『個人的なことは書かないようにしている』とのことですが、もし、フォロワーを増やすのが目的であれば、ご自身のキャラを少し出してみてはどうでしょうか」とアドバイスします。

「ツイッターを使っている日本酒好きな人たちにとって、どんな人がこの情報を発信しているのかということも大事だと思うんです。お酒の情報だけでは、その人がどういう感じの人なのかわからないので、フォローするきっかけをつかみづらいかもしれません」

A. 目的により媒体や方法を変えてみる

続いて、大久保さんからは、「発信の目的やゴールによって使う媒体を変えるのもいいのでは」というアドバイスも。SNSによってユーザー層や機能が異なることに着目してのアドバイスです。

「ツイートは、蓄積されずにタイムライン上に流れていってしまいます。ツイッターはコミュニケーションを起こすためのプラットフォームなので、会話しやすい、反応しやすいという機能を生かしたほうがいいかもしれませんね。

一方、インスタグラムは情報が蓄積されていくので、第4回の定期セミナーで児玉さんが説明をしてくれたように、役に立つ情報が重宝されるんですよね。この方が発信しているのは、美味しいお酒の情報や、どこに行けば飲めるのかなど、読んだ人の役に立つコンテンツ。だから、インスタグラムのほうが、フォロワーが増えるのではないかと思います」

木村さんからも、「人の役に立つということで言えば、ツイートしたたくさんのお酒情報の中からテーマごとにピックアップして、まとめ記事のような内容のnoteを書いてみるのもいいのでは」との提案がありました。

Q. 英語で情報発信!知っておくべきポイントは?

次は、企業で広報の仕事をされているという会員の方からの相談。自社製品の紹介などを英文記事にして、業界誌などに寄稿するために、日々奮闘しているのだそう。日本語で作成した記事を英訳してから記事に仕上げていますが、大幅な校正をされることも多く、どうすればうまく書けるのか悩んでいると言います。

相談者「校正の方から、日本語独特の表現はいらないのでシンプルに書くように、と言われたことも。英語で情報発信をする際に、文章の構成など、英文のセオリーがあれば教えていただきたいです」

A. 英語の文章構成を知る

木村さんは前提として「つたない英語であっても、発信して伝えることは大事なので、その努力は諦めないでほしい」と言います。

「その上で大切なのは、文章を通して言いたいポイントが、読んだ人に明確に伝わること。ところが、日本語独特の表現をそのまま英訳してしまうと、言いたいことが伝わらなくなってしまいます。文章の中心になる部分がどこか、読んだ人がわかるように英文を構成しなければならないんです」

とはいえ、英文の構成を組み立てるのはかなりの知識とテクニックが必要になります。例として、木村さんが、英語の例文を翻訳サイトで日本語に訳したものを見せてくれましたが、日本語と英語の文章構成には大きな隔たりがあることが一目瞭然でした。

代わりに簡単なやり方として、木村さんがおすすめするのが、自動翻訳ツールを利用して、英訳文章をブラッシュアップするというやり方です。

「普段から関連するジャンルの英語のサイトや、気になるSNSのアカウントのコメントを読んで、どんな表現をしているのかチェックしたり、自分がモデルにしたい文章を見つけて参考にするといいのではないでしょうか。思い切って、言いたいことを箇条書きにしてしまうのもひとつの手だと思います」

Q. 文章作成の苦手意識を克服するには

最後は、「文章を書くことが恥ずかしく抵抗があります。どうしたら自信を持って書けるようになりますか?」という相談。

企業アカウントとしてツイッターを開設したものの、どう書いていけばいいのかわからず、開店休業のようになっている現状を変えたいという内容です。

A. 情報伝達に徹するのも一つのやり方

まず、大久保さんから「文章を書くのが恥ずかしいとのことですが、僕も恥ずかしいですよ……恥ずかしいけれど仕事だから頑張ってます……」という、意外な発言が!

反対に、「私はあまり恥ずかしくないですけど……」という木村さんは、「例えば月曜は仕事関連の内容、火曜は個人的なつぶやき、というように、曜日ごとに発信するテーマを決めて、1日1ツイートしていくようなやり方でもいいのではないでしょうか」とアドバイス。

大久保さんは、目的によって発信方法は変わってくるはずだと続けます。

「もしツイッターの目的が、新しいフォロワーを獲得したいという場合は、木村さんが言っているように、テーマを決めた発信方法がいいと思います。反対に、すでに関係性ができているフォロワーに情報を伝え、その結果行動を起こしてもらいたいのであれば、伝えなければいけない当たり前のことを、簡潔に伝えるだけでもいいのではないでしょうか。

文章を書くことに抵抗があって、自分を出しづらいのであれば、情報発信の手段と割り切って利用するのもありだと思います」

A. 発信は文章だけに頼らなくてもいい

別のアプローチとして、文章(言葉)だけでなく、画像や動画などに頼ってみてもいいのでは、とのアドバイスもありました。

「文章を書くのが嫌だなと思ったら、社内にある製品の写真や、製品の機能がわかる動画などをのせて、ひとこと説明するだけという発信方法はどうでしょう」と木村さん。

大久保さんも「文字はあくまでもコミュニケーションツールの一つなので、発信は画像でも動画でもいいんですよね」と賛同していました。

[ライターの感想]
「書くのが苦手」という悩みの中には、書くための知識やスキルはあっても、自分の考えを書くのが恥ずかしいと感じたり、効果的な発信の仕方に自信がないという理由も多いのではないでしょうか。簡単に走れるかもしれないのに、不安にかられて最初の一歩を踏み出せず、スタートラインの手前で足踏みしているような感じです。

「編集者に聞く!なんでも相談室」は、そんな悩みを和らげつつ最初の一歩を踏み出せるように、木村さんと大久保さんが背中をポンっと押してくれるという、Starterの居心地の良さが再確認できたセミナーでした。定期セミナーでは実用的なスキルを教えてもらうことが多いですが、こういう悩み相談も年1回くらいのペースで開催されるといいなあ。

個人的に、今回のセミナーを通して大きな学びとなったのは、「発信の目的により媒体や方法を変えてみる」ということ。私も日本酒についての発信を続けたいので、どの媒体でどのように発信すると自分のゴールに向けて効果を出せるのかということを改めてきちんと考えてみようと思いました。

Starterの会員の方は、今回の定期セミナーのアーカイブ動画を見ることができます。

次回の定期セミナーは「会話からインタビュー、司会まで。“話し上手“のテクニック」をテーマに、SAKETIMES編集長の小池さんと、Starter運営の児玉さんがレクチャーする予定です。どうぞお楽しみに!

+ + +

今月のライター:Yoko Ishikawa(Starter会員)
フリーランスライター/Japanese Sake Adviser (SSI)/ラスベガス在住/アメリカでおいしいお酒に出会ってから日本酒に目覚めました。最近は飲むより楽しい自宅でのSake造りも楽しんでいます。
Instagram  @lvsakegirl
note  lvsakegirl



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?