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【第12回定期セミナー】文章が一気に上手くなる! ライティングのテーマ別ポイント解説・実践編

お酒とメディアのオンラインサロン「Starter」では月1回、文章の書き方やお酒の知識などを学べる定期セミナーを開催しています。

4月20日(木)に開催された第12回のセミナーのトピックは、「文章が一気に上手くなる!ライティングのテーマ別ポイント解説」

これまで、ライティングに関するさまざまな講習やトレーニングを行ってきたStarter。
今回のセミナーでは、その知識をどうやって実践に活かせばいいのか、酒類業界関係者も在籍するサロンメンバーが直面する機会の多い商品紹介・レポート・インタビューという3つのテーマ別に、上手な文章を書くときのポイントを解説します。

講師を務めるのは、当サロンの主宰であるSAKEジャーナリストの木村咲貴さん。
もっと上手に文章を書きたい、書くことへの抵抗感をなくしたいという人へ向け、文章の組み立て方や執筆のちょっとしたテクニックをわかりやすく伝授してくれました。

この記事では、どのように書けばより相手に伝わる文章になるのか、読者の視点を交えながら気をつけるべきポイントをご紹介していきます。

■セミナー概要

テーマ「文章が一気に上手くなる!ライティングのテーマ別ポイント解説」

講師
木村咲貴
SAKEジャーナリスト。2018年、カリフォルニア大学ロサンゼルス校にてJournalism Certificate修得。アメリカ初のSAKE専門店True Sakeに勤務。現在は日本酒メディアの編集者を務めるほか、日本酒/SAKEを中心とした記事の執筆・翻訳に携わる。専門は海外流通・海外ローカル酒蔵。

司会進行:児玉アメリア彩

1. お酒の紹介文を書く

「自分が造った、または販売している新商品を飲んでもらいたい」
「インフルエンサーとして、自分の推しのお酒を買ってほしい」
そんなシチュエーションでは、どのように書けば、より相手に伝わるのでしょうか?

飲んでみたい!と思わせる

木村さん曰く、「おいしそう!どんな味がするんだろう?と、読んだ人が刺激される文章にするのがポイントです」。

例えば、お酒の説明でやりがちなのは、酒蔵の歴史から入ってしまうこと。深く長い歴史のある蔵が多い日本酒の世界では、創業◯年という情報はよほどでない限り特徴とはなり得ません。また、「自然を大切にした酒造りをしています」といった、多くの蔵に当てはまるような抽象的すぎるポリシーも避けるのが無難。そのお酒がどんな味かを具体的に想像できるような製法や原料をわかりやすく伝えると、差別化しやすくなります。

キャッチーな情報で読者の心をつかめ!
「お客さん/読者は忙しい」という前提に立つことが大事だと話す木村さん。
限られた時間の中でお酒を探している人でもパッと見て「飲んでみたい」と思ってもらうためには、はじめの方にキャッチーな情報を持ってくるのが効果的です。

ここで、木村さんが、一本のお酒について書いた2つの紹介文を比較しながら解説してくれました。

文章A(上)とB(下)で同じ内容を述べていても、Aは硬い表現や専門的な表現が並びますが、Bは一般的な用語が使われていて味わいを想像しやすくなっています。さらに、Bは、一文目でお酒の味わいの個性を語っています。「そのお酒を語る上で核となる情報から組み立てていく」という重要なポイントを学ぶことができる例文です。

2. セミナーやイベントのレポートを書く

自分が参加したセミナーや主催したイベント、企業の展示会等の体験レポートを書くときには、どんな点に注意したらよいのでしょうか?

参加してみたいと思わせるために

木村さんが前提として教えてくれたのは、「参加していない人がゼロから文章を読んでわかるかどうかを念頭に置いて執筆する」ということ。参加者しかわからない文脈になっていないか?客観的な視点に立って見返してみることが必要です。
また、あえて全部を書かず、読者が「気になる」部分を残すこともテクニックの1つ。自分が魅力的と思った点に絞って伝えることで、読者が続きを読みたくなる、次回参加したくなる、という状況を作ります。

概要と雰囲気をリアルに伝える

読者が知りたいのは、①参加するとどんな体験ができるのか②雰囲気が自分にマッチしているかという2つの要素。前者は、見出しだけ読めば内容がわかるように構成を作ること。後者は、参加者として自分視点の感想をリアルに織り込むことで伝わりやすくなります。

実例として、木村さんが即興で書いたというイベントの記事を紹介。自分の目線を入れて臨場感を出す、具体的な数字で信頼性を表す、差別化できる情報を客観的に伝えるなど、記事を作成する上でのポイントを教えてくれました。

3. インタビュー記事を書く

インタビュー初心者がやりがちなのは、インタビュー音声をそのまま書き起こしたような構成にしてしまうこと。記事としてのおもしろさは、どんなことに気をつけると生まれるのでしょうか?

質問の順番通りに書かなくても良い

インタビューの流れが文章化においてベストとは限りません。記事として一番読みやすい形に構成し直すことが重要です。

初見でわかるように補足しよう

前提知識となる情報を忘れずに。初めて読んだ人がその記事を理解できる、参照できるレベルの情報は入れるのが鉄則。

主役になる発言から記事を組み立てる

全ての文を主役にする必要はなく、キーになる発言を軸にして構成を組み立てます。

インタビュー記事執筆のテクニックを惜しげもなく話してくれる木村さん。ここで、アメリカの酒蔵を取材した際の原稿作成履歴を公開してくれました(取材対象者・掲載媒体の承諾済)。
インタビューの文字起こしからプロットを作る過程、見出しやタイトル付け、構成の組み直し、清書した原稿、編集者からの修正と、1つの記事が生まれるまでのリアルな流れを見ることができました。

Starterでは、こうしてプロのライターの仕事に触れることができるのもの大きな魅力の1つ。最後の質疑応答の場面では、セミナーの疑問点はもちろん、メンバーの仕事上の悩み等にも、具体例を出して丁寧に回答してくれました。

[ライターの感想]
「こんなことも披露していいの?」というのが率直な感想です。中でも、実際に行ったインタビューの書き起こしから構成を組み立て直す過程は、自分以外のやり方を知ることができてとても勉強になりました。

「書きすぎてしまう」「読者が置き去りになってしまう」というのは、書きたい思いが強い時ほど起きてしまうものだなと、自戒の念も込めて思います。執筆の際は、客観的な視点で見返すことを徹底していきたいです。

また、やりがちな文章の改善ポイントや実際にあったイベントのまとめ方の解説がとてもわかりやすく、編集者としても活躍する木村さんならではの視点をもっと学んでみたいと思いました。

「メディアでインタビュー記事を書けるライターを増やしたい」と、Starterのゴールとも言えるようなビジョンを話してくれた木村さん。これからのサロンからも目が離せません。

Starterの会員の方は、今回の定期セミナーのアーカイブ動画を見ることができます。

次回のセミナーの講師は、フォロワー一万人を超えるnoteブロガーでもある現役編集者のクリーミー大久保さん。
テーマは「新人ライターブートキャンプ『起承転結の罠』編」!リアルタイムでライティングスキルを磨いていきます!

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今月のライター:fj(Starter会員)
百貨店ECの販促ライターを8年経験。現在はSNSやブログでおつまみレシピや飲んだくれ生活を発信しています。新潟出身、愛するお酒は〆張鶴です。
Twitter:@sake_mama
Instagram:fjtokyo
Note:https://note.com/fj_uco
Blog:https://www.fj-tokyo.jp/


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