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近づく春、旅の憧れ

表に出たら、空気が春めいていた。

明日で2月も終わり。
日も長くなって、朝起きて出勤するときも、
夕方帰るときも前より明るくなった。
(行きは朝日が、帰りは夕日がまぶしい)

季節は確実に移ろっていて、
そんなことにハッとさせられる。
とりわけ冬の終わりは、なんだか気持ちも明るくなる。

冬は好きだけど、年々春の方が好きになりつつあるのかもしれない。
春には桜も咲き始めるし。
開花するのは3月末くらいかな。


『桜前線開架宣言』っていう現代短歌の本があるのを、ふいに思いだす。

ピンク色で装丁も綺麗で、春に読むのにちょうどいい短歌集かもしれない、とも。



最近、
面白いなぁと思って読んでいるのは、この本。



東と西で違うものを集めている写真集。
写真がメインだけど、ちゃんとその背景も載っていて「へぇ〜」と思ってしまう。

たとえば、
東の線香花火と西の線香花火。
東のタマゴサンドと西のタマゴサンド。
東の猫🐈‍⬛と、西の猫🐈などなど……

ビジュアルが明らかに違うものも、
似ているのもある。
どこが違うのか一見分からないものも。


私が住んでるのは岐阜で、ほとんど日本の中心だからか、これに関しては東、これは西寄りと分かるのも面白かった。


表紙にもなってる銭湯の写真も、
なかなかインパクトがある。
湯船が真ん中にあるなんて!
(すごく落ち着かない感じがする……)

何でも関西では商人が多かったから、体を温めてから洗うために湯船を中心に据えたらしい。
そういう時代背景を知るのは面白いなぁ、と。(今は東寄りの造りが多いみたい)

タマゴサンドもだいぶ違う。

益田ミリさんが、
本のなか(『小さいコトが気になります』)で、
「卵が焼いてあるタマゴサンドが食べたい」って言ってたけれど、関西のタマゴサンドは焼いた卵を入れるんだね。
(ゆで卵をつぶしてマヨネーズで和えてあるタマゴサンドしか食べたことない……)

あとは猫の違いも。

尻尾が曲がっているネコ(カギ尻尾のネコ)が関東には多いらしくて、それは江戸時代に猫又ねこまたが信じられていたから、らしい。

逆に関西では、尻尾がまっすぐなネコが多いのだとか。これも「へぇー」というか、この本に出合わなければ一生知らなかったかもしれないことだ。
(ちなみに狛犬の尻尾も関東、関西で違うとあった)


こういう本を見ると、
現地に行って確かめてみたくなる。

タマゴサンドも狛犬も猫も。
遠くに行かなければ分からないことだ。
そして意識して見なければ、気づかないようなこと。

読書って新たな視点を得ることなんだなぁ、
なんて、こんなときに実感する。


暖かくなったら、
旅に出かける人も増えるのかな。


『くらべる東西』を見ながら、
久しぶりに遠くの景色を見てみたくなった。




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