読んだ本と、読みたい本
きのうは、久しぶりに夜更かしして読書。
ずっと気になっていた、一穂ミチさんの小説。
(装丁も美しい)
直木賞候補になったときから読みたいと思っていた。
本当は2日くらいに分けて読もうと思ってたのだけど、中盤からの展開が気になって、一気に読んでしまう。
境遇の違う女の子が心を通わせる物語。
そんなふうに端的に言い表せないないほど、
2人が抱く感情の透明さに息が詰まった。
友情じゃない。
恋愛に限りなく近いけど、その2文字も相応しくない。
この感情は、なんて言うんだろう。
ただお互いが必要で、
必要だから焦がれるしかなかった。
幼い頃の思い出を抱えながら、
ふたりは痛々しい別れと再会を繰り返す。
「光のとこにいてね」
別れ際に告げられる言葉が、儚く何より美しい約束の呪文に思えてくる。
初回限定版にしか付いてないスピンオフも良かった。
*
今日は、朝から図書館へ。
ダ・ヴィンチの最新号が川上未映子さんの特集で、俄然読みたくなってしまう。
インタビュー記事も素敵だった。
新刊の『黄色い家』も読みたいなぁ。
『春のこわいもの』も、
書架に見つけて借りる。嬉しい。
読みたい本が書架にあるときの嬉しさは、なんだろうね、しみじみ嬉しい。
その後、
本屋さんで『すべて真夜中の恋人たち』を購入。
アメリカの文学賞(全米批評家協会賞)の最終候補作。
川上未映子さんの文章とても好きだから、
(エッセイも好き)
アメリカで評価されるのは嬉しい。
村上春樹さんみたいに、
外国で読まれる作家になっているんだなぁと。
村上春樹さんも、新刊が話題になっている。
(新刊情報だけで書店での告知があるの、この人くらいじゃないかなぁ)
長編はずっと追っているけど、
(『海辺のカフカ』と『スプートニクの恋人』が好き)
いまだに『騎士団長殺し』は全部読めていない……
なんというか、
(他の好な作家さんにも言えることだけど)
その作家に没頭する時期というのがあって、
村上春樹作品だと大学生のとき。
(ねじまき鳥クロニクルとか、すごく分厚い本を持ち歩いて、道場で読んでた記憶ある……)
大学では合気道部で、
休み時間になると道場に行って読書してた。
そんな風景を思いだすのも、
大学のときに一番読んでたからだ。
それで言うと、
大人になって知った作家さんも、
そのときの自分に必要だから出会っているんだろう。
今だと、川上未映子さん。
読みたい作家さんがいるとそれだけで嬉しいし、フィクションの力を思い知らされる気がする。
物語は日常にどうしても必要で、
書くことも好きだけど、読むことの快楽と愉しさを思いださせてくれるから。
でも、(ときに書けないと思いながら)
言葉を生みだす時間も同時に好きなのです。
そういう幸福な時間がずっと続けばいい。
日常の合間に、いつも変わらずそう思ってる。
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