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読んだ本と、読みたい本

きのうは、久しぶりに夜更かしして読書。


ずっと気になっていた、一穂ミチさんの小説。



(装丁も美しい)


直木賞候補になったときから読みたいと思っていた。

本当は2日くらいに分けて読もうと思ってたのだけど、中盤からの展開が気になって、一気に読んでしまう。


境遇の違う女の子が心を通わせる物語。

そんなふうに端的に言い表せないないほど、
2人が抱く感情の透明さに息が詰まった。

友情じゃない。
恋愛に限りなく近いけど、その2文字も相応しくない。
この感情は、なんて言うんだろう。

ただお互いが必要で、
必要だから焦がれるしかなかった。
幼い頃の思い出を抱えながら、
ふたりは痛々しい別れと再会を繰り返す。

「光のとこにいてね」

別れ際に告げられる言葉が、儚く何より美しい約束の呪文に思えてくる。


初回限定版にしか付いてないスピンオフも良かった。

今日は、朝から図書館へ。
ダ・ヴィンチの最新号が川上未映子さんの特集で、俄然読みたくなってしまう。

インタビュー記事も素敵だった。
新刊の『黄色い家』も読みたいなぁ。


『春のこわいもの』も、
書架に見つけて借りる。嬉しい。
読みたい本が書架にあるときの嬉しさは、なんだろうね、しみじみ嬉しい。


その後、
本屋さんで『すべて真夜中の恋人たち』を購入。
アメリカの文学賞(全米批評家協会賞)の最終候補作。
川上未映子さんの文章とても好きだから、
(エッセイも好き)
アメリカで評価されるのは嬉しい。
村上春樹さんみたいに、
外国で読まれる作家になっているんだなぁと。

村上春樹さんも、新刊が話題になっている。
(新刊情報だけで書店での告知があるの、この人くらいじゃないかなぁ)

長編はずっと追っているけど、
(『海辺のカフカ』と『スプートニクの恋人』が好き)
いまだに『騎士団長殺し』は全部読めていない……

なんというか、
(他の好な作家さんにも言えることだけど)
その作家に没頭する時期というのがあって、
村上春樹作品だと大学生のとき。
(ねじまき鳥クロニクルとか、すごく分厚い本を持ち歩いて、道場で読んでた記憶ある……)
大学では合気道部で、
休み時間になると道場に行って読書してた。
そんな風景を思いだすのも、
大学のときに一番読んでたからだ。


それで言うと、
大人になって知った作家さんも、
そのときの自分に必要だから出会っているんだろう。

今だと、川上未映子さん。
読みたい作家さんがいるとそれだけで嬉しいし、フィクションの力を思い知らされる気がする。


物語は日常にどうしても必要で、
書くことも好きだけど、読むことの快楽と愉しさを思いださせてくれるから。


でも、(ときに書けないと思いながら)
言葉を生みだす時間も同時に好きなのです。


そういう幸福な時間がずっと続けばいい。


日常の合間に、いつも変わらずそう思ってる。



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