「科学者たちが語る食欲」
最近、食べるものに気をつけるようになっているせいか、日本橋丸善でふと目に留まり、衝動買いして読んでみました。
食べ物に関して気をつけていることは、
1. タンパク質が不足しないように注意する
2. 食物繊維を意識してとる
3. 高度な加工食品は食べない
です。
食欲をうまくコントロールできたら、無意識的に食べ物を選ぶことができるのではないかと思い、その参考になる情報を得ることが、この本を読む目的です。
で、目から鱗の内容がたくさんあり、350ページくらいの本ですが、面白くて、すぐに読み終わります。
ざっくりとした内容は、以下の通りです。
1. 食欲は単一のものでなく、主要栄養素ごとに食欲が分かれている。
2. 粘菌、バッタ、マウス、野生動物、人間など、いろいろな実験や観察を通し、タンパク質に対する食欲が他の食欲よりも優位に働くことが分かった。
3. ターゲットとなるタンパク質を摂ることができるまで、食欲は持続する。
4. タンパク質を十分に摂るように自然のものを食べると、他の栄養素もちょうど良いくらいのバランスで摂取することができる。
5. 人間の場合、年齢によって理想的なタンパク質比率が変動するが、大体15~20%くらい。
6. 加工食品は様々な理由で、低タンパク、低食物繊維、高脂肪、高炭水化物になっている。
7. そのため、必要量のタンパク質を摂取しようとすると、脂肪や炭水化物を取りすぎてしまい、上記の15%程度の比率から大きく乖離してしまう。要はカロリーの摂り過ぎ。
8. 低タンパク質の加工食品をいくら食べても、タンパク質が不足し、食欲が落ちることはない。
9. これが、先進国等で肥満が蔓延し、糖尿病が深刻になっているメカニズムだ。
10. したがって、加工食品を口にせず、自然のものを食べるようにすれば、細胞レベルで本能的に備わっている食欲に従うだけで、自然とバランスの取れた食事になり、肥満は解消する。
ということです。
結論はシンプルですが、その結論に至る科学的な証拠・実験が多く記載されていて、非常に面白いです。
気をつけなくてはいけないのは、決して糖質制限が良いと言っているわけではありません。
タンパク質比率を高めるような食事にすると、寿命が縮み、生殖能力にも影響を与えると警告しています。
要はバランスの取れた食事(人間の場合は栄養素の約15%がタンパク質)が重要だということです。
これを考えると、極端に糖質制限し、タンパク質不足をプロテインで補うというやり方は、体に良くないということになりそうです。
そういえば、炭水化物を過度にカットし、タンパク質ばかり気にかける食事をしていると、甘い食べ物が欲しくなり、クッキーとかを食べてしまうことがあります。これはタンパク質に対する食欲が満たされているものの、炭水化物に対する食欲が満たされていないことから、そのようなことが起きるようです。そのような時、クッキーとか食べても体重に悪影響は全くありません。
要は、バランスですね。クッキーとかで糖質を体に入れるのであれば、イモとかで糖質を摂ったが、加工食品ではなく自然食品と言えるので、望ましいですね。食事にもう少し炭水化物を加えてみようと思わせる内容の本でした。
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