見出し画像

私は猫だ。名前は匿名希望よ。

私の前世は猫なの。

急にこんなこと言われて、驚いたかしら。だって、こんなに自由気ままでマイペース。とてもツンデレだと言われるし、甘え上手だとも言われる。

でもそんなの、私は気にしたことがないわ。だって、私にぴったりな天職だってあるのよ。

猫って夜行性って言うでしょ?だから、私は夜しか行動しないの。

次々くる人の群れ。子猫のように甘えたら、キラキラした高級な大人のドリンクがもらえるし、飼い猫のようにツンツンした後、にゃんにゃん可愛く甘えたら、もう私から離れられなくなるの。

他人の話なんて、つまらなくて聞きたくないし、くだらない趣味を進めてきたって何にも響かない。私は私よ。あなたの好みを押し付けられたって、関心が持てないわ。束縛なんて、気持ちが悪いの。

そうね…誰にも縛られたくないわ。むしろ、私の世界は私が主導権を握りたいし、周りを振り回していたい。犬のように従順なんて、私には無理ね。だって、前世は猫だもの。

でも何故かしら…。
心は満たされないし、いつだって寂しいわ。本当は甘えたい自分だっているのに。

私は猫よ。名前は匿名でお願いね。

ずっと捨て猫の私。本当の名前を時々忘れそうになるの。それくらい、この世界に長く染まったのかしら。あぁ、もう私は若くない。賞味期限は後わずかというところね。早く私を拾ってくれる人が現れないかしら。

#毎日note #毎日更新 #ライター #毎日投稿 #毎日更新倶楽部 #小説 #猫の日 #猫 #短編小説

お仕事中のドリンク代にさせていただきます。ちょっといい紅茶を買いたいです。