歩いてきた道を戻る選択肢もあったけど。
自分が生まれ育った場所を離れてから、わりと「元気にしてるかなぁ」と胸がキュッと痛む時がある。
感情の起伏が激しい期間がやってきた。でも、あの夜光る月だって満月新月と移ろぐし、癒しを与えてくれる海だって満潮干潮を繰り返す。そりゃ人間だって感情が変化するに決まっている。
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19の時、私は良い人の道をそれて、駄目人間の道をズルズルダラダラと歩いてきた。
親元離れたら、自由だと思った。
だから、何をするにしても怖くなかったし、自分の決断がいつも正しいのだと信じていた。そして、歩く道は自分で作るのだと、そう心に誓った。
誓ったはずなのに、時々気分が落ち込むと、後悔した瞬間が次々と頭の中に流れて苦しくなる。心臓がバクバクして、呼吸もなんだか上手くできない気がする。
プライドが高いために、弱音を吐き出すこともカッコ悪くて、そして恥を晒すようで、とてもじゃないけれどできなかった。
だから、ひたすら自分の決めた道を振り返らずに進むしかなかった。
自分が正しいと思うために。
それがきっと、大人になる境目でもがく私を苦しめる元凶だったのかもしれない。
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それと同時に流行りだしたSNSが、私の心をより不安定にさせたのかもしれない。SNSを開けば日本はもちろん、世界中に住む色んな人がそこに集まる。
幸せそうな投稿のひとつひとつにショックを受け、自分と比べ、そして嫌になるを繰り返した。
でも最近、そんなSNSも少し変わりつつある。賛否両論あるものの、カミングアウトがしやすい場となっている気がする。今まで隠していたものを堂々と発言することで「共感」を呼び、どんどん輪が広がっているのだ。
実はそのSNSをキッカケに、苦しんでるのは私だけじゃないんだなと勇気が持てたり、それこそ知らなかった事実を得ることになった。こうして私はSNSにのめり込み、助けられたり毒されたりしながらも、毎日飽きもせず眺めている。
私が引っ越すことを決めたのも、SNSキッカケだった。自分の意思プラス誰かの発言が、私の新たな人生の道しるべになっているから驚きだ。
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自分が決めた道を戻りたいなんて一度も思ったことないけれど、時々後悔だってする。仕方ないけど、自分しか歩けない道だもの。開き直りも肝心だ。
これから先も、何度も何度もルートが分かれた道が目の前に現れるだろう。それでもいつも後ろの道は全部壊して進んできた私には進むしかない。
3日前からずっとこの調子。落ち込む時は落ちるところまで落ちた方が良いのかもしれない。
また歩くために、休憩をとりながら。
お仕事中のドリンク代にさせていただきます。ちょっといい紅茶を買いたいです。