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私が、ハロワと自治体を頼らない理由。

この数年、「正社員としての収入が、アルバイトや派遣と変わらない」「週五勤務に加えて残業もあるのに、ボーナスも無く給与も上がらない」という声が、SNSで多発しています。

最近では、実際にハローワークで提示された勤務条件がX Twitterにも晒されて、「バイトした方がいい」「何の為の入社なのか」と炎上。確かに、この内容では何の為に正社員として働くのか、利点が全くわかりませんね。



さて、ハローワークなのですが、私は一度もお世話になったことがありません。関わったのは母の入退院と介護、そして重い鬱発症で働けなくなり、電気や水道が停められて「給付金を受ける為に、ハロワに登録をしてください」と自治体に連絡を頂いた時。




コロナ禍で、底辺世帯が受け取れた給付金。



私が経済的などん底に落ちたのはちょうど、まだコロナ禍に世界が震撼する少し前。一応「低所得世帯を助ける給付金と貸付金」という存在はありました。しかし自治体でお世話になっている担当官に言わせれば、「ほぼほぼ、餓死寸前にならないと、貰えない」のが現実。



それが一転、世界的感染危機で国内外が凍結状態に。貧困家庭が正直に預金帳のコピーと保険証、マイナンバーカードなどの身分保証や住民票コピーを申請書と同封送付すれば、数十万単位で受け取れるようになったのです。

おそらく個人営業の飲食店は、それまでの営業収入が全く無かったにも関わらず、申請の壁を上手くすり抜けた店舗もかなりあったはず。「一年中、ほぼ来客のいなかったボロボロのバーやスナックに、一千万円の給付金が送られていた」などのニュースも珍しくは無かった。

実際に私の地元商店街でも、家族三人でやっと食い繋いでいたお店がコロナ給付金で多額を手に取り、他県に別荘を買って移住した人達もいました。今はどうしているか全く知られていませんが、過重受取りの調査を逃れたのではないかと、噂になっています。

そんな裏黒い内容もあったコロナ給付金でしたが、私一人の命をなんとか繋いでくれた最後の生命線。それはまず間違いありません。あのお金がなかったら、私は確実に死んでいたと思うし、こうして再び、新しい住居にて創作活動を再開させられることもなかった。


ハローワーク、行く前に希望を持てず。


ハローワークについては、母の介護をワンオペでしていた時期に、何度か自治体から行くように勧められました。しかしネットでその内容を見る限り、見通しのある仕事が紹介されていたことはまずありません。電話もいつも繋がりにくく、時々通過する建物の周辺は、おそらくホームレスであろう中年以上の男性が喫煙しながらたむろしている。


「私には、とてもここで仕事を見つけるのは無理だ」と早くに自覚して、昔からお世話になっていた派遣会社……、小さいけれど親切なスタッフさんと顔見知りで、池袋に事務所のあるオフィスに電話をしました。

数年勤務していた実績があったので、苦しい状況を話すとすぐに埼玉方面の「コロナワクチン接種コールセンター」を紹介してくれたのは、本当にありがたかった。朝と夜の出退勤が、下り電車なのでラッシュに遭遇せずに済む。これは本当に行幸です。


自治体の窓口にも直接相談に行きましたが、何より不安だったのは仲介している派遣会社があの、悪名高きパソナだったこと。実際に数件仕事を紹介されましたが、駅も遠くて時給も安く、ガスや電気を止められているにも関わらず週払いでお給料を受け取ることができません。




実際の現場を知らない、自治体の人々。



コロナ禍以前から、母の介護や苦しい生活の中で気づいた現実。それは行政や自治体の人間がハローワークの現場や、ワンオペ介護する側の不利さを全く理解していないこと。

確かに彼らは、仕事として話は聞いてくれるし、実家を解体せねばならなかった時に業者を紹介してくれました。しかし、自分が体験したことのない人生の大事件において、実践的な知識やお金の変動を全然知らないのです。



二十代の若者で構成された片付けや引っ越し業者達が、日雇いの青年のみでなんとか一日の仕事を回していることや、現金払いでなければ処理費用を受け取ってくれないこと。多額のお金を払うのに、ポイントなどは全く還付されない。

これらの辛い体験を踏まえて、私はいかに日本社会が「高みからばかり見ていて、平凡な生活をしている人々のリアルを知らない政治でできている」のかと、よくわかりました。

福祉の人達も実体験がないから、いざ深刻な相談を受けても適切なアドバイスや対応が不可能だし、じっくり探さないので利用者に不利な組織をあてがってしまうことも多々ある。

一番驚いて空いた口が塞がらなかったのは、「もう母と二人で心中するしかないな」と区役所に相談した時、「メルカリで色々、売れば良いんですよ」と言われたことです。高く売れるものがあるなら、区役所窓口なんかに行きますかね?

そんな行政や福祉の怠慢、行き届かない範囲がどんどん改題しているから、令和になって「ハロワがあてにならない」「正社員なのに、バイトと同列」という現状に陥っているのだと思います。


結局は、自分で作ったキャリアが頼り。


自分の足を使ったことのない行政や自治体よりも、自分のキャリアを地道に積み上げてきた派遣会社とのやりとりの方が、ずっと安心だしお互いの信頼関係が成り立っている。この数年は、特に実感しました。

これから日本はどんどん貧しく苦しく、特に裕福層と貧困層の差が膨大に開いていくはず。そして恐ろしいことに、数少ない裕福層がますます特別扱いされて、貧しく苦しむたくさんの人間が無視され打ち捨てられるのが当たり前になっていくでしょう。



政治家が血税を奪い、無駄遣いばかり。


この頃は、さすがに深刻な労働力不足危機を感じたのか、コンビニや現場監視に椅子が設置されるようになったり、70歳以上の労働者に就業口が広げられるようにはなりました。しかしそれでも、焼け石に水であることに変わりはない。

自民党やそれに連なる天下り組織には、一般庶民の生活の苦しさは絶対に理解できないし、そもそも最初から分かろうとするつもりもない。国会で同じ無意味な議論ばかりし続けている人達が多過ぎて、とにかく根本から税金の無駄遣いが溢れている。



東京都知事選挙も特に結果は変わらず、相変わらず物価や光熱費は高騰をし続け、私達の暮らしがもっともっと削られて行きます。せめて消費税が撤廃されて、真面目にその日をなんとか暮らす人が、報われる未来になってくれたらと、願わずにはいられません。




マダム、ムッシュ、貧しい哀れなガンダムオタクにお恵みを……。