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映画『丹下作膳餘話 百万両の壺』

1935年/製作国:日本/上映時間:92分 
原題
 丹下作膳餘話 百万両の壺
監督 山中貞雄




STORY

 伊賀の国には代々伝わる「こけ猿」の壺があった。「百万両を埋めた絵図面が塗り込められている」という言い伝えのある家宝である。
 しかし柳生の里城主・対馬守はその壺を価値のないものとして、弟の源三郎が婿入りする際に引き出物として(最も価値のない物をあげるつもりで)与えてしまっていた。
 ある日家老より壺に百万両の価値があることを聞かされた対馬守は、焦って江戸の源三郎に使いを出すが、源三郎はそれを兄の嫌がらせと見て意地になり、返還を断固断り、壺をくず屋に売り払ってしまう。
 百万両の壺は巡り巡って、遊び人の七兵衛の息子ちょび安の金魚入れとなるが、七兵衛は矢場の女将お藤に良い恰好を見せようとしてヤクザの恨みを買い、殺されてしまう。
 七兵衛が常連客として出入りしていたお藤の営む矢場にて用心棒をしている隻眼&片腕の剣士丹下左膳と、(一見)子供嫌いの女将お藤は、ひょんなことから一人残された七兵衛の息子ちょび安の面倒を見ることとなる。
 
 そして矢場にはもう一人の常連客、源三郎の姿があり、壺に百万両の価値があることを知ることとなるのであった……
 
 今、百万両の壺を巡る、日本映画史上最強のハートフルコメディの幕が上がる。


レビュー

 個人的に邦画で、最も視聴回数の多い作品。大好きです。
 お藤を演じた喜代三の小唄は粋だし、沢村国太郎のとぼけた魅力も素敵で、丹下左膳の大河内傳次郎はカッコ良く、ちょび安は可愛い。
 コメディ映画として最高峰の作品で、さらには心に残る優しさを描いた、優れた人情&家族物でもあります。
 主要な登場人物たちが「百万両」を連呼しつつも、全く「金欲」の無いところも、素敵で、可笑しくて、微笑ましくて。

 人生の本当の価値を知っている人たちの手による、傑作です
 
 
 
 
 ※本編をぺタリンコしておきます。よろしければ御覧ください。

本編


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