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マーケティングって何のこと?:成功を引き寄せるマーケティング入門【第1-3章】

みなさんこんにちは。
今日ご紹介する本はこちら。
USJを劇的に変えたたった1つの考え方

マーケティングについて一切勉強したことがない人でもとっつきやすいように書きましたというこの本の特徴と、個人的にテーマパーク好きなので内容をイメージしやすいかなと思ったので選びました。

今回は、3章ずつにまとめてご紹介していこうと思います。

こんな人におすすめ

・パワーアップしたい人
・最近マーケティングの部署に配属された人
・テーマパークの経営が気になる人

どんな内容なの?

プロローグ USJがTDLを超えた日
第1章 USJの成功の秘密はマーケティングにあり
第2章 日本のほとんどの企業はマーケティングができていない
第3章 マーケティングの本質とは何か?
第4章 「戦略」を学ぼう
第5章 マーケティング・フレームワークを学ぼう
第6章 マーケティングが日本を救う
第7章 私はどうやってマーケターになったのか?
第8章 マーケターに向いている人、いない人
第9章 キャリアはどうやって作るのか?
エピローグ 未来のマーケターの皆さんへ

この本の内容は大きく2つ。1つは、ビジネスで成功するためのカギとしての「マーケティング思考」について。もう1つは、筆者の森岡さんが体得してきた「キャリアアップの秘訣」についてです。これらのことを、USJのV字回復を実現させた際の具体例を挙げながらわかりやすく教えてくれます。

この記事では、第1章〜第3章をまとめていきますよ。

第1章 USJの成功の秘密はマーケティングにあり

森岡さんはUSJを「消費者視点(Consumer Driven)」を徹底する企業に変化させました。消費者視点というと、消費者が望む全てを実現しようとするものと思うかもしれませんがそうではなく、どれだけ消費者に伝わるかを重視することです。難しいのは、「ゲストが本当に喜ぶもの」と「ゲストが喜ぶだろうと作る側が思っているもの」は必ずしも一致しないということですが、そこを分析し理解できる消費者理解の専門家であることがマーケターには求められています。マーケティングというものが、会社の売り上げを伸ばすための頭脳であり心臓である以上、単なる自己満で終わってしまわないように気をつけないといけませんね。

第2章 日本のほとんどの企業はマーケティングができていない

マーケティングは、アメリカにおける自由主義経済という弱肉強食の世界で企業が生き残る術として発達してきました。日本にマーケティングという考えがなかった理由としては、日本国内での自由主義経済は政府の規制があったため競争するよりもお互いに連携することを重視したこと。さらに終身雇用制度や年功序列の考え方の影響で優秀なマーケターを中途で採用に躊躇してしまったり、企業の上層部がまだマーケティングを重視する必要がなかった世代であるため、あまり発達してきませんでした。

日本が注力してきたのは技術力の競争であり、第1章の「消費者視点」のお話にもありましたが、技術者が追求する技術と消費者が本当に欲しい技術は必ずしも一致するわけではありません。今後ますます激化する国際的な競争激化時代を日本が生き抜くためには、日本の持てる技術力と、マーケティング力の両方が必須になってきます。そのためには、新たな技術を開発しました。ではそれをどう売っていこう?ではなく、消費者が何を求めていて、その要求に対してどう技術を活用していくのか、という考え方が大切です。つまり、マーケターが方向性を決定し、技術者がそれに沿って開発を進めていくことができるかどうかが、今後日本が返り咲くカギとなるのです。

第3章 マーケティングの本質とは何か?

マーケティングとは、売れる仕組みをつくること。その方法として、次の3つが挙げられます。

・消費者の頭の中を制する
・店頭(買う場所)を制する
・商品の使用体験を制する

1.消費者の頭の中を制する
買い物をする時、知っているメーカーのものと聞いたこともないメーカーのものが並んでいたら、あなたはどちらを購入しますか?きっと、知っているメーカーのものを買う方が多いと思います(=認知率)。どちらも知っているメーカーだった場合は、それぞれのブランドが持つイメージ(=ブランド・エクイティー)を比べて、より信頼できる方もしくは自分の価値観に合う方を選ぶのではないでしょうか。つまり、認知率とブランド・エクイティを高めていくことが、「消費者の頭を制する」ことに繋がります。

2.店頭(買う場所)を制する
お目当の商品Aを買いにお店に行ったものの、商品Bしかなかったから仕方なくBを購入したり、商品Aも売ってはいたけれど商品Bの方が目立つところで売り出されていたからつい買ってしまった、という経験はありませんか?この場合、商品Aはどれだけ多くの店頭に置かれているかの割合をあらわす配荷率(Distribution)が低く、店頭の目立つ場所を陣取ることができるかという山積(Display)がうまくいかなかったことになります。せっかく消費者の頭の中を制することはできているのに、店頭を制することができなかったためこのようなことが起こってしまうのです。もったいないですよね。
そしてもうひとつ、売れるためには価格(Pricing)を高すぎず安すぎないところで設定しなければなりません。安いほどはじめは売れるかもしれませんが、ブランド・エクイティが下がってしまうため中長期的な成功を考えるとあまり得策とは言えません。

3.商品の使用体験を制する
上記の2つを制することができればしばらくは想定通りの売り上げを維持できる可能性が高いのですが、あともう1歩です。長期的に成功するためにはリピート率をあげることが重要で、そのリピート率に関わってくるのが消費者に伝わる価値がその商品に備わっているかどうかです。つまりここでも、マーケターが消費者視点をもって開発者を導いていくことが消費者にとっての使用体験を制することになります。

ここまでの気づき

■プロの作り手は、素人である消費者とは真逆の感覚に進む

疑問に思ったのは、ディズニーランドはウォルトディズニーがクリエイターとして細部にまでとことんこだわり抜いているはずで、その背景やディテールを再現するのは「玄人思考」ですよね?ウォルトの才能によるミラクルだったということなのでしょうか...?消費者視点の重要性とクリエイターのこだわり、完成度。バランスがものすごく難しそうです。。


■巨大テーマパークは日本のテーマパーク業界全体にも責任がある

これまでTDRが定めてきたチケット料金の水準に対し、海外と比較したときにもっと伸び代があるのではと考えたUSJ。海外テーマパークのチケット料金に比べればまだまだ安いということは知っていたのですが、この2トップによる金額設定が他の遊園地・テーマパークの金額設定にも影響し、だいたいは低く設定せざるを得ないので潰れてしまうケースもあるというのは盲点でした。TDRもUSJも数年に一度チケットの値上げがされているのでネガティブな消費者が多いと思いますが、業界全体で考えると悪いことばかりではないようです。2トップが低価格をキープしていると、お気に入りの遊園地がなくなってしまうかもしれません...

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