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新学期が始まる前に、書き残しておきたいこと

2021.03.28 ばってん少女隊のライブ『ばってん少女隊の、田舎娘FINAL〜私は私に期待大!!!〜』に参戦しました。

あ、あまりに、衝撃すぎて……。
本当だったら、前日2021.03.27に参戦したB.O.L.Tのライブレポを先に書いて、次にばっしょーのライブレポを書いて、と思っていたのですが、そういうわけにもいかなくなったので今勢いで書いています。

まず、このライブはメンバーの星野蒼良(そらら)の卒業ライブでした。5人のばっしょーのラストライブ。そららもメンバーも「最後まで楽しく笑顔で」と言ってくれていたように、ばっしょーらしい楽しいライブで5人の集大成を見届けるつもりで参戦しました。

セットリスト

SE.but-show TiME
01.ばってん少女。
02.スウィンギタイ
03.OTOMEdeshite
MC
04.Just mean it!
05.ありがとーと
06.でぃすたんす
07.ジャン!ジャン!ジャン!
MC
08.bye bye bye
09.OiSa
10.Dancer in the night
11.MILLION SUMMERS
12.Number Shot
MC
13.MEGRRY GO ROUND
14.Dear My Blues
15.STORM!
16.おっしょい!
MC
17.夢のキャンバス
18.Happy(星野蒼良ソロ)
19.OiSa ※お面6人によるダンスのみのパフォーマンス

ライブレポ

朝、家を出る準備をしているときにばっしょーの曲をかけようと思って、シャッフル再生したら1曲目に流れたのが『but-show TiME』だったんですよ。
「お、マジか!」と思ってすっごくワクワクした気分で朝が始まったんです。
そしたらライブでも登場SEに『but-show TiME』が流れたので、「キター!これこれ!」って一気に楽しくなっちゃいました。
改めて言うことでもないけど、『but-show TiME』の音、楽しすぎる。好きすぎる。

で、1部では『おっしょい!』から始まったと聞いてたから(1部の配信は冒頭間に合わず3曲目くらいから見てました)、次なにがくるんだろう、同じく『おっしょい!』くるかな?と待ち構えてたら、始まったのは『ばってん少女。』。

「うおーー、キターーー!!!」驚きと興奮が混ざったような高揚感。
2021.03.14の城島高原パークでのライブでシークレット曲として『ばってん少女。』が披露されてたから、今日はもうやらないと勝手に思ってました。(本当に勝手な決めつけだな!)
いやもうめちゃくちゃ楽しい。
1曲目からペンライトもぶんぶん振って振りコピもして頭もガンガン振って楽しみました。ヘドバンした後軽くジャンプするメンバーが好きなのでそれもちゃんとチラ見したりして。

ドジっ娘 扱いしないで

のところ、上田理子ちゃんのパートを春乃きいなちゃんが横取りする茶番で、「しないで?」って可愛こぶるきーなちゃん可愛いし、横取りされた理子ちゃんは「それ、私のパートよね?ねえ?」的なことを口パクで言いながらきーなちゃんに詰め寄ってて可笑しいし、そこにそららが「まあまあ」ってほがらかに割り込んでくる空間、めちゃくちゃ世界平和。

そららが「みんなで飛ぶよ!」って言ってくれて、それがなんかすごく嬉しかった。そららの掛け声で飛べる幸せ。煽り方が優しいのがそらららしいなーって思った。
そららの笛が聴けるのも、それに合わせてフリコピできるのも最後。最後なんて信じられないなあって思うくらい、いつも通り楽しかったです。

2曲目は『スウィンギタイ』、メロディも歌詞のメッセージ性もカッコよくて普通にパフォーマンスしてたらもっとエモくなってもいいはずなのに、ここまで可愛くパフォーマンスできるのはそれだけアイドル性があるからこそ。
今日はメンバーみんな頬のピンク色のチークが濃いめに入ってて、それが色白な肌を際立たせるから可愛さマシマシでした。特にきーなちゃんマジ白くてお人形さんみたいなお顔してた。

そしてきーなちゃんと言えば3曲目の『OTOMEdeshite』ですよ。

バカバカバカバカ!
でもでもでもでもね…

ここの可愛さに尽きると思います。
この歌詞3回あって3回ともきーなちゃんパートなんですが、今日は3回全部で「3つ目のバカ」で甘噛みしててめちゃくちゃ可愛かったです。狙わずにここまで可愛く甘噛みできちゃう天然最強。愛おしすぎました。

1度目のMCは自己紹介。
そららの自己紹介があまりにアッサリというかいつも通り過ぎて、「あれ、そららの最後の自己紹介もう終わった?」って気づいたときには過ぎ去っていた。
自己紹介1番手ということもあって風のようにあっという間だった。

そららの次に自己紹介をした理子ちゃんが後ろに水を飲みに行ったんですが、なかなか戻って来ず、最後の希山愛ちゃんの自己紹介が終わってもまだ背中向けてました。
全員で「お願いします」って言う中、ばたばた戻ってくる理子ちゃんアホ可愛すぎました。
配信アーカイブを見返したらカメラには映ってなかったですね。戻ってきたちょうどの瞬間で全員が映ったので、配信リアタイしてた人はなぜ理子ちゃんが「失礼しました」と謝っていたのか分からなかったんじゃなかろうか。

『ありがとーと』でもそららが「みんなで一緒にジャンプするよ~!」と声を掛けてくれて、気持ちよく飛べました。煽りが全部優しいのよ。

瀬田さくらのエアギターの振り付けがキレッキレだったので楽しかったのと、オチサビのときに腕を振り下ろして指差しするちゃん瀬田の笑顔が強すぎて、「あ、今正面のオタク死んだな……」と思いました。ナム。
『ありがとーと』に限らず、今日もちゃん瀬田の狙い撃ちレスは健在でした。

『でぃすたんす』の歌詞サイトには載ってないけど台詞パート、

みんなで歌って、踊って、笑って、楽しいね~!

って言うそららがとびっきりの笑顔をしていて、心の底から楽しくて仕方ないって気持ちが溢れてたのがとても眩しかった。
もうほんとに今日のそららは笑顔の印象ばっかり。一点の曇りもなく、ずーっとニコニコ、見る度に可愛いなあ可愛いなあって気持ちになった。

理子ちゃんは決め台詞

どーよ?

をドヤ顔でキメたあと、「フフッ」ってちょっと照れたような笑顔になったのが可愛かったですね。カッコいいと可愛いの共存に弱いオタク。

アルバム『ふぁん』の中で1,2を争うくらい好きなのが『ジャン!ジャン!ジャン!』なんですが(対抗馬は『OTOMEdeshite』)、配信1部を見ていて上田理子のキメパート

今すぐにアイドル界のジャンヌ・ダルクになりたい! なう!

の歌唱と表情が最高だったので、2部でイントロかかった瞬間勝ちを確信しました。始まった瞬間から縦ノリで楽しい。狭いライブハウスぎゅうぎゅうでやれる世界来て欲しい曲です。

呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃ Jump!
奏でろ!運命! ♪ジャジャジャジャーン!

でメンバーがそららに抱きつきに行っておしくらまんじゅう状態になったの、突然のことでびっくりしたけどめちゃくちゃ良かったです。
メンバー同士のわちゃわちゃシーンなんてなんぼあってもいいですからね。
メンバーのそらら愛が爆発した瞬間に見えました。

そこからの理子ちゃん、「ジャンヌ・ダルクになりたい!なう!」でキメ顔する切り替えの早さ、お見事!
ステージまで10mもない近距離で見る推しのキメ顔、映像で見たとき以上にキメッキメでカッコよくて最高〜〜!ってなったんですが。
ですが。
その直後、

素敵なShow! 始めましょ!
ダンシングオールナイト とめらんない!
心解き放って
Jump!Jump!盛り上がろう!

「解き放って」の高音のエモさと表情バチバチにキメた横顔の強さに思考ぶっ飛ばされてしまいました。
め、めっちゃ良〜〜〜〜〜!!!!!
暴力的なまでに顔が良かったです。ほんとぶん殴られたような衝撃でした。顔が良すぎて。その上歌も良かったから連打でした。ボコボコに撃ち込まれて秒でノック・アウト。

本日のマイベストオブ上田理子は「心解き放って」です。優勝。

続いてのMCでは、1部と同じ写真で振り返るコーナー。
1部では集合写真でしたが、2部ではメンバーとのツーショット写真で振り返り。

寝てる愛ちゃんの横で元気なそらら、きーなちゃんの背を抜かすそらら、ちゃん瀬田からの愛をかわすそらら、受け入れるそらら、結ばれる瀬田星野、フラレてしまった上田……。

あと、星野瀬田の幼馴染みショットを見たときの
瀬田「一緒に初めて天神来てみたって感じ」
星野「わかるわかる~」
上田「渋谷にしとこ。(ここ)東京だから」
って理子ちゃんの都会コンプレックス丸出しな発言が愉快で好き。
これまでもツアーで東京来たときのMC等でこの手の発言はあったんですが、久々に聞いたのでとても懐かしい気持ちになりました。
上田理子、いつまでも都会にかぶれない女でいてほしい。

『bye bye bye』も『but-show TiME』動揺当日の朝にシャッフル再生してたら流れてきて、「うわー今日これ聴くの辛すぎるな……」と思ってた曲でした。
歌詞が今日という日にブッ刺さってる。

bye bye bye bye bye bye bye
ただのさよならにはならないから
bye bye bye bye bye bye bye
また会えたらねって意味にしちゃおう

もう会えないじゃん!!!!!って思ったら、もの凄く悲しくなってしまい、あんまりまともにパフォーマンスを見れなかったように思う。

去年横浜で見た『OiSa』はもっとエフェクトかかってた印象だったんですが、今日の『OiSa』は「あ、生歌が結構聞こえる」って思いました。
特に終盤の「おいさおいさ……」って延々言ってるパートも生歌で歌ってて、息切れしそうな吐息まで聞こえて、音源やMVの『OiSa』とはまた違った雰囲気になってました。

『OiSa』→『Dancer in the night』の流れでは笑顔を封印して、パフォーマンスを「魅せる」ことに集中している感じ。

ドコか遠い国へ

このちゃん瀬田パート、歌声の抑揚の付け方が素晴らしくてグッと引き込まれました。
それから、そららパートの

僕らはそうして明日も生き続けるのでしょう

たっぷり間を取りながら伸びやかにゆるやかに歌う歌声、あまりに心地よくて脳がとろけるかと思いました。

ちなみにこの日のライブ以降『Dancer in the night』が頭から離れなくって、4/1現在、仕事中頻繁に「stay young on the floor oh oh oh」の部分が脳内再生されてダンスandダンスまだ踊り続けています。

笑顔を封印したクールなパフォーマンスから一転、『MILLION SUMMERS』が始まると空気がぱあっと明るくなる。夏だ!楽しい夏がきたぞ!
直前の『Dancer in the night』と歌い方?というか歌の声色が全然違くって、その表現力の振り幅に驚かされました。

『MILLION SUMMERS』の途中でそららの光るブレスレットが腕から取れてしまい、以降ずっと手に握ったままパフォーマンスしてました。フォーメーション移動のときとかに付け直そうとしてたけど、かなり終盤まで付けられずに苦戦してたみたい。
そんな状況でも歌やダンスは集中力を切らさず、パフォーマンスの質を保っていたのは流石。

そららセレクトのブロックの締めは『Number Shot』。
私にとっての本日のベストアクト、ここでした。

『MILLION SUMMERS』で夏の明るく楽しい空気になっていたところに『Number Shot』イントロが始まって、楽しさの絶頂はココだ!と言わんばかりに弾けた5人。
ここが夏の野外ステージだと錯覚しそうになる……いや、心はもう2019.07.21 海の中道海浜公園のNUMBER SHOT2019ののぼせもんステージにいました。
錯覚なんかじゃなかった。あの夏に帰ってきた、そう思いました。

5人も、客席も、ただただ楽しいばかりのステージでした。
あまりの楽しさにぶっ飛んでたら、落ちサビ前の間奏部分でうっかり声出しそうになりました。
そらら、マイクを客席に向けるんじゃあないよ!
すんでのところで声を飲み込みました。危なかった。

絶対サンシャイン こっち来るけんね
カマせ! Number Shot!

落ちサビを歌う愛ちゃんを4人が囲む構図、めちゃくちゃエモかった。
もう1人、いた気がする。錯覚かな?あの夏のように6人だった。この瞬間だけはきっと。

落ちサビ前半で涙が込み上げてきて、後半「Number Shot」を「ばってん少女隊」に歌詞変えて絶叫する愛ちゃんに涙、涙、涙。
愛ちゃん、ばりカッコよかった。

『MEGRRY GO ROUND』、
ばっしょーを初めて見て気になりだしたのがももクロの2017年夏ライブでの外周ステージ「SIF」で見た『おっしょい!』だったので、その直後の冬にリリースされた『MEGRRY GO ROUND』はとても思い出深いです。
リリイベは行けてないんですけど。リリイベでフリコピを教えてる動画とかが確か配信されてて、それを見て練習した覚えがあります。
5人の最後のライブで見ることができて、感慨深い気持ちになったし、フリコピ忘れてるかと思ったけど身体がちゃんと覚えてたのも嬉しかった。

前日のそららのサプライズを受けて急遽セトリに入れたという『Dear My Blues』、そして次の『STORM!』。

はてない地平線はどこまでも続いてる
駆け出して気づくだろう 脈打つ高鳴りを
Ah 透明な情熱を走らせて
つまづいたら泣けば良い
くだらなすぎて最高!
桜舞う嵐が来た
フレ!フレ! flag! いざ参りましょう
道無き道切り開け
さあ don't look back しゃんと胸を張って行こう

2曲とも、これから新しい道を進んでいく彼女たちの背中を押す、今日のために書かれたんじゃないかって思うくらいぴったりの歌詞だった。
それをお互い顔を見合わせながら歌う姿は、お互いを励まし合うような鼓舞するような、これまで積み上げてきた物語を讃えているような、青春の塊で、尊い瞬間だった。

『Dear My Blues』では柔らかく歌い上げる5人が美しくて、『STORM!』ではエネルギッシュに歌い上げる5人がバチバチにカッコよくて、泣けた。

『STORM!』を見るとZeppツアーのことを思い出す。初めてばっしょーの単独現場に行ったのが2018年末のカルッツ川崎のライブで、その次の現場がZeppツアーの東京公演だった。
今のようにパイプ椅子を並べることもなく、肩がぶつかりそうになる程度の間隔しか空けずにステージ前方に密集していた客席で、ぶつかったりぶつかられたりしながら踊ったりペンライトを振ったりしていた思い出。
頭のネジ外してバカみたいに楽しめる現場だった。ばっしょーの音楽最高だな、って心の底から実感した日だった。

そうそう、この日の座席は5人の立ち位置でいうと理子ちゃんのほぼ正面(真ん中下手寄り)だったんですが、そのおかげで理子ちゃんと「あ、今目合った?」って瞬間が何度もあったし、そもそも理子ちゃんが正面向いたらほぼレスみたいなもんじゃん、って感じの神席でした。
中でも『STORM!』の正拳突きの振り付けは、上田理子ちゃんに正面で頂きました。2,3発もらったと思う。最高のご褒美でした。

続く『おっしょい!』は、どの曲よりも自然と身体が動いた。

ばってん、なんばしよってもよかでしょ
乙女心コロコロばい

この愛ちゃんパート、『Number Shot』歌った後に歌われると胸にじーんときた。NUMBER SHOT2019のときも『Number Shot』の後に『おっしょい!』というセトリ順だったから、同じ気持ちになったこと思い出した。

おいさコールの後、そららが「ありがとうー!」と叫んだのと同時に、脳内で「てんきゅー!」って声が聞こえちゃったから、だめだった。涙が溢れてきた。
そららの「ありがとう」はそらららしい言葉だな、良い言葉だなって思った。それは嘘偽りない気持ちだったけれど、ダメだったのは、まだピンク色のあの声を恋しがる自分の未練たっぷりな心の方だった。

最後の5人の挨拶は、その言葉の一つ一つが優しくて愛に溢れていて、幸せな気持ちになったり、寂しい気持ちになったり、なんだか書き起こせないような気持ちがいっぱいだった。

愛ちゃんが「この5人、6人で活動してきたものはずっと消えないので」って言ってくれて嬉しかった。「みんなで幸せになろうね」って言葉がなにより愛ちゃんらしさでありばっしょーらしさであり、この優しい空間の真ん中にある言葉だなって思った。
きーなちゃんのそらら評、「蒼良は冷静で真面目で公平で優しくて」って言葉の的確さが凄かった。特に「公平」ってなかなか人の性格を表現するときに使わない言葉だけど、そららにぴったりな、素敵な言葉だと思った。
「まだ一緒にやりたいことがいっぱいあった」「ばっしょーを続けてくれないのかなって思った」って赤裸々に語るちゃん瀬田に共感したし、切ない気持ちになった。
理子ちゃんが目に涙を溜めながらも最後まで気持ちを伝えきった姿に胸打たれて、「5人のばってん少女隊を愛してくれてありがとうございました」「蒼良、ばってん少女隊に入ってくれてありがとう」で一緒に泣いた。
そららの挨拶はどこまでもそらららしく、きーなちゃんが言ったように優しくて誠実だった。ネガティブな部分も包み隠さず、取り繕うことなく、等身大の気持ちを伝えてくれる言葉だった。
私はそらら推しではないけれど、そらら推しの人たちが「そらら推しで良かった」と思えたであろう、まっすぐであたたかい言葉でした。

「星野蒼良、ばってん少女隊、やりきりました!」

アイドル・星野蒼良の物語のピリオドに、これ以上の言葉はない。

MCを頑張る理子ちゃんの後ろで突然始まるハグ会、戸惑う理子ちゃんが可愛すぎる。でもちゃんと最後にハグしてもらう理子ちゃん可愛い。理子ちゃんをハグするそららはイケメンで最高だった。

今回のライブタイトル「私は私に期待大!」が歌詞に入っている『夢のキャンバス』が、5人のばっしょー最後の曲でした。
メンバーの表情が泣きそうになるのを見るにつけ、歌に涙声が混じるのを聴くにつけ、自分の視界も潤んでく。でも、そららは最後までずっと笑顔だったの、本当にカッコよかったな。

『Happy』をBGMに退場するのかと思ったら、そららだけが残って、ソロだと気づくまでに数秒かかった。
1部ではアンコールやらなかったけど、さすがに2部ではアンコールやるよね? 最後にもう一回『おっしょい!』やってブチあげて終わるよね?
そんな不安が杞憂で終わればよかったんだけれど、『Happy』のパフォーマンスを通して、ああ、そららはこの歌に全身全霊をかけて歌っている、これが最後の曲なんだ、アンコールはないんだってことを理解していった。

そららは最後まで優しかった。ゆっくりゆっくりステージを歩いて、客席一人一人と目を合わせ、手を振っていった。
曲の後奏で再び丁寧に感謝の言葉を述べ、頭を下げ、最後にマイクを外し「ありがとー!」と叫んで、そららはステージを去った。
「ありがとー!」と叫んだそららの顔、めちゃくちゃ良い顔だったなあ。


「以上を持ちまして、」
ああ、やっぱりアナウンスを流して、アンコールさせずに強制終了するやつだな、と理解した、瞬間、続いた言葉に絶句した。

「希山愛、上田理子、春乃きいな、瀬田さくら、星野蒼良、5人のばってん少女隊を終了致します」

なにこれ、って思った。崖から突き落とすような無慈悲な言葉だった。
アンコールなしで終わらせるにしたって、もう少し普通のアナウンスで良くない?アナウンス怖すぎるじゃん。……って、え、なに?

OiSaの衣装を着た、お面の6人が静かに出てきた。
そして始まる本日2度目の『OiSa』。マイクを持たず、音源が流れる中で踊りだけのパフォーマンス。
頭の後ろは手ぬぐいか頭巾のようなもので覆われていて、髪型を徹底的に隠している。その隙のなさが怖い。
お前は誰だ、と心がざわつく。
赤い布の面積が多い衣装が2人。こんなに赤が目立つ衣装だっけ?この2人が新メンバー?それとも、赤いお面の2人が新メンバー?
誰か1人でも、メンバーの誰かだと断定できるお面はいないか?必死に6人のパフォーマンスを目で追う。
推しの理子ちゃんが今日どう踊っていたか、が思い出せない。頭がついていかない。
理子ちゃん、どこにいるの。ここにはいないの?
目の前で踊る赤いお面の指先が綺麗だったこと。
その手先から腕にかけての踊りにキレがあったこと。

ほらね真っ当に生きてしまうから
満身創痍だ満身創痍だ
ほらね雑踏に消えてしまうから
半信半疑だ半信半疑だ

サビで腰に手を当てて身体を揺らす→手を胸元でバタバタ→膝下でバタバタさせる一連の振りが美しくて魅入ってしまったこと。
でも、それが「私の知ってるばっしょーのパフォーマンスじゃない」と心が拒絶しそうになったこと。
瀬田さくらパートで中央にいる子は、瀬田さくらか?別人か?分からない。なにも分からない。

……分からないまま、曲が終わり、パフォーマンスが終わり、6つのお面は何も語らずに去っていった。

静まり返った客席から、急にどよめきが上がって、振り向けばモニタに「新学期deshite」の文字と、6つのシルエットが映し出されていた。
新学期と呼ぶには、随分と不気味な演出でしたが。「新しいことが始まるんだ」と理解するには十分すぎるインパクトある演出だった。

規制退場のアナウンスが流れて、一旦座席についた。
『OiSa』前に流れた冷たい女声のアナウンスとは違い、平凡な男声のアナウンスだったから、今度こそ本当に終わったんだ、と思った。
はあぁ、と長いため息を一つ。硬直していた身体が脱力したのか、手足の震えを自覚した。
Twitterを開いてスクロールする、その指先も少しおぼつかない。
画面の向こうで見ていたオタク達の困惑や期待で混乱している様子を見て、共感して、少し落ち着いた。
自分もいくつかツイートをしているうち、退場する番になり、ふらふらと会場を後にした。
TSUTAYA O-EASTの階段は崖のように急勾配で、おぼつかない足取りで下るには転んでしまいそうな怖さがあった。

外に出るとまばらに雨が降っていて、傘をさすほどでもなかったから上着のフードを被って駅まで下って行った。
そんなじめじめとした空気が私の心のもやもやを加速させるようだった。

西垣有彩の話

一年前、ありっさがばっしょーを辞める、という発表があった日のことはもう覚えてません。忘れっぽい性格で良かったんだか、悪かったんだか……。
ただ、「もっと現場に行けばよかった」という後悔はたくさんしました。遠いから、お金ないから、って推しに手を抜いていた、と思う。
当時は特典会に参加することも怖がってたから、もっと早く、もっと全力で推せば良かったと、何回も思いました。
ライブ中ステージを駆け回るありっさが大好きだったから、ありっさのそんな姿を見られなくなることが本当に悲しかった。
ラストライブも有観客でできず、レッスン場で録られた映像が最後に観れた6人のライブになりました。

ありっさのいなくなった5人のばってん少女隊では、もともと顔が好きだった上田理子ちゃん推しになり、でも歌声はそららの方が好きだなと思ったり、でもやっぱり理子ちゃんのカッコいい表情と可愛い表情とのギャップたまんねーわ、とか思って、ゆるゆるとオタクを続けていました。

実は、3月28日のライブに、ありっさのタオルを持って行っていました。
NUMBER SHOT2019の少し前、横浜ベイホールのおっしょい祭りの頃から売ってたメンバーカラーとメンバーの名前入りのタオル。
おっしょい祭りは不参加だったのでそのときは買えず、買ったのは2019年末のスタダの通販一斉売りのときでした。
そしてそのタオルが届いた直後、コロナが流行り、3月に都内で開催予定だったばっしょーのライブは中止となり、ありっさの卒業が発表されました。

一度も現場に持っていけなかったタオル。
「5人のラストライブに、6人目がひょっこり、顔出したりしないかな」
「パフォーマンスはしなくていいから、一言、去年有観客できなかった分、なにか一言、言ってくれるサプライズとか、ないかな」
って正直思ってました。どんだけ未練タラタラなんだ。
とはいえ、メンバーにピンクのタオルを見られるのは申し訳ないというか失礼な気がしたので、ライブ中は椅子の下にしまって、万が一のときはいつでも出せるように……などと思ってました。

ライブの1部が終わった後、ばっしょーの公式Twitterに5人とありっさの写真が上がって、「ありっさ、来てるんだ!!!」ってとっても嬉しい気持ちになりました。
写真だけでもう嬉しくって、サプライズなんかなくても、6人が一緒のライブハウスにいた、その事実だけで十分だ、とも思いました。(でも一応万が一には備えておくんだけど)

結局、ライブにありっさは出てきませんでした。
でも、愛ちゃんが「この5人、6人で活動してきたものはずっと消えないので」って言ってくれたように、今日の5人のライブの中に、ありっさの痕跡は確かに残っていました。
だから5人のラストライブだけど、私にとっては「希山愛、上田理子、春乃きいな、瀬田さくら、西垣有彩、星野蒼良、6人のばってん少女隊の終わり」がここなんだ、と思いました。

その夜、上がったブログタイトルを見て、涙が止まりませんでした。
ベッドで一人、声上げながら泣いて、泣きながら全部読んだ。

オタクはこんなにも感情ぐちゃぐちゃになってるのに、ありっさのブログはいつも通り彼女の柔らかい言葉が並んでて、可愛くて愛おしかった。
ありっさが挙げてる『ジャン!ジャン!ジャン!』も『OTOMEdeshite』も、私もアルバム『ふぁん』の中で1番目と2番目に好きな曲だったから推し被りだねって嬉しくなった。

このブログを読んで、「本当に終わっちゃったんだな」って思った。
6人のばっしょー、本当に終わっちゃったんだ。
1年もの間、受け入れられなかった気持ちを、救ってくれたのはやっぱり推しの言葉だった。

2021.03.28 この日、私にとってのラストナンバーは『夢のキャンバス』でも『Happy』でも『OiSa』でもなくて、「誇らしくって」でした。

明日からの新学期、もう一度、6人のばってん少女隊を推そうって、今ならそう思える。


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