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Googleを筆頭に密かに終了した歴代のサービスたち

空空寂寂(くうくうじゃくじゃく)
→ 無心なこと、また、無関心なこと。

人々の記憶とはいい加減なもので、いっときは盛り上がったとしても勝手に忘れ去られていくものだ。

とはいえ、いっときでも盛り上がったサービスであれば、全然幸せは方だといえる。

世の中には日々多くのサービスが生み出されているものの、話題にすら上がらないものがほとんどだからである。

それを当事者でない第三者が勝手に成功だとか失敗だと評価している。

最も悲しいことは、人々が無心なこと、つまり無関心なことなのである。

サービス終了が多いことで有名なGoogle

サービスが終了するというのは、スタートアップが主体だと思う人も多いかもしれない。

もちろん、資金が続かなかったり、そもそも認知させられなかったという原因もあるだろうが、大手企業もたくさんのサービス終了の歴史をくり返している。

その中でも有名なのが、Googleではないだろうか。

Googleといえば、検索サービスでもはやインフラといっていいほど、誰もが知っている企業だと思うが、一方で数々のサービスをリリースしては終了させることでも有名だ。

例えば、こんなサービスがある。

Googleビデオ

Googleビデオは、2005年1月25日に開始した無料動画共有サービスだ。

Googleは2006年に競合していたYouTubeを買収したため、Googleビデオの動画共有サービスをYouTubeに統合させることを決定し、2009年にGoogleビデオのアップロード機能を終了した。

Googleビデオにアップロードされていたムービーはしばらくは視聴可能だったが、2011年4月29日をもって再生も不可能になった。

Google Jaiku

TwitterのようなブログやSNSにわざわざエントリーとして書くほどではないような短い文章をネット上に投稿する、マイクロブログサービスに、Googleは進出を試みた。

そんな背景から、Googleは2007年にマイクロブログサービスのJaikuを買収し、Google Jaikuとしてサービスを提供した。

ただし、Twitterという強大なライバルに勝てることはできず、2012年1月15日をもってサービスを終了した。

Googleリーダー

Googleリーダーは2005年から提供されていたWebベースのRSSリーダーだったが、2013年7月1日でサービスを終了した。

サービス終了の理由は、Googleリーダーの利用者数が減少しているからというものと、Googleが少数の製品に注力していく方針をとったからの2点が挙げられている。

Picasa

もともとは、GoogleがブログサービスのBloggerに応用できる写真機能を拡充するために、2004年に買収したのが、Picasaだった。

Googleは10年以上に渡ってPicasaを開発し続けてきたが、2015年5月にGoogleフォトをリリースした。

Googleフォトに写真保存サービスを移行する方針から、Picasaはサービス終了が決定した。

Google Code

Google Codeは2006年に、オープンソースプロジェクトの支援を目的に開設されたプロジェクトホスティングサービスだ。

ところが、その後、GitHubなどのプロジェクトホスティングサービスが登場し、多くのユーザがそちらに流れていった

Google自身も2014年10月には自社のAPIをGitHubへ移行し、Google Code上でのプロジェクトを凍結している。

そして、2016年1月25日にGoogle Codeの閉鎖が決定した。

Google URL Shortener

2009年から提供されてきたURL短縮サービスのGoogle URL Shortenerは、長いURLをgoo.glというドメインで短くまとめることができるサービスだった。

2019年3月30日でサービスを終了し、Firebase Dynamic Linkに移行すると発表された。

過去にGoogle URL Shortenerで作成されていた短縮URLはそのまま継続して利用できるようになっている。

Google+

Google+はGoogleが提供していたSNSだ。

サービス開始当初は実名制だったが、後に実名でなくても利用できるようになった。

フレンドをサークルで分類すればクローズドなコミュニティも作成できることから、一部のユーザーからは根強い人気があった。

ところが、TwitterやFacebookといった他のSNSを圧倒することはできず、2018年10月に個人情報が流出したことをきっかけに、2019年8月でのサービス終了が告知された。

終了していった歴代のサービスたち

Googleが終了したサービスの一部を取り上げたが、それだけでもこれだけある。

ここからも改めて、Googleという誰もが知っているような企業であっても必ずしもサービスが当てられるわけではないことがわかる。

では、他にどんなサービスがあるのか、比較的直近に終わったサービスを紹介しよう。

Origami Pay

Origami Payはキャッシュレス決済サービスの先駆けとして2015年にサービスを開始した。

コンビニや多くの飲食店、百貨店でも導入され、加盟店側もリーズナブルなコストで導入できることもメリットだった。

しかし、2020年2月にメルカリ子会社のメルペイが全株式を取得し、メルカリの傘下に入ることになった。

それに伴い、メルペイと統合され、Origamiは2020年9月30日に他の全サービスも終了した。

NEVERまとめ

NEVERまとめはユーザが記事を自由に投稿、無料で閲覧可能のまとめサイトとして利用できるサービスとして誕生した。

2009年にサービス開始以来、閲覧数に応じて報酬を支払うシステムを採用し、1,500万円以上を獲得するユーザが現れたということも話題になった。

11年間で1,718億ページビュー、総まとめ数が約180万まとめにのぼるなど大変な人気を集めた。

ところが、誰でも投稿できるため、無断転載や捏造などの温床であると問題視されていた。

2018年には複数の報道機関からの申し立てを受け、無断転載されていた画像約34万件が削除された。

2017年にはGoogleが検索エンジンのアルゴリズムを変更したことにより、まとめサイトの表示順位が下がった。

そんな背景から2020年9月30日にサービスを終了している。

C CHANNEL

C CHANNELはヘアメイクやファッション、料理レシピなど幅広く発信する女性向け動画メディアサービスとして登場した。

2015年の創業当時は縦型動画を閲覧可能なSNSが存在していなかったため、アプリサービスをメインとして開発がされた。

ところが、SNSでの動画閲覧が一般的となっており、自社アプリへの集客が伸びなくなった。

その後、InstagramやYoutubeなどのSNSアカウントからの情報配信に集中させるため、アプリサービスを終了させると2020年9月30日に発表した。

Amazonパントリー

2015年に提供開始されたAmazonパントリーは、トイレットペーパーや洗剤などの重くてかさばる日用品を、おまとめボックスと呼ばれる専用の段ボール箱で受け取れるのが特徴だった。

当初はプライム会員向けのサービスだったが、後に非会員でも利用可能になった。

アメリカでも同サービスが提供されていたが、コロナ禍で激増した需要に対応できなくなったため、2021年1月にサービスを終了した。

一方で、環境の異なる日本においては、サービスが浸透しなかったことを理由に2021年8月24日にサービスが終了した。

その理由とは、プライム会員であっても1箱あたり390円の手数料がかかる、通常注文とはまとめることができない、お急ぎ便が使えないといったものだ。

また、ネットスーパー感覚で利用でき最短2時間で届く、AmazonフレッシュなどのサービスとAmazonパントリーの持つ特徴が差別化しきれなかったことも終了した原因の1つだとされる。

ヤマト便

ヤマト便は、宅急便の規格を超えるサイズの荷物を配送するサービスとして誕生した。

これまで宅急便の規格を超える荷物の配送に利用されていたが、ヤマト便で扱っていたサイズを宅急便に新設することで、ヤマト便は廃止されることになった。

ヤマト便は宅急便と異なり、複数の荷物であっても1枚で配達可能、配達時間の指定ができないといったメリットとデメリットがあった。

ところが、大型の荷物も宅急便として送れるようになったことで日時指定が可能になったほか、クロネコメンバーズの割引制度や送り状発行サービスにも対応できるようになった。

そのため、2021年10月3日にヤマト便はサービスを終了した。

ただし、宅急便のサービス拡張により、総合的に見れば利便性は向上したといえる。

まとめ

冒頭に書いたが、人々の記憶とはいい加減なものだ。

勝手に盛り上がっては勝手に忘れ去っていく。

つまり、仮に大きく取り上げられたとして、その後に失敗というレッテルを貼られたとしても記憶に残ることはほとんどないということだ。

むしろ、話題になった時点で成功というべきで、時代は常にスピードを上げて変わっている。

私はどうせ忘れ去られるのであれば、人々の記憶に一瞬でも残るようなサービスを1つでも生み出したいと思う。

それがなによりも生きている証になるからである。


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植田 振一郎 Twitter

株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。