人間の身体は感情の起伏でカロリー消費が可能なのか?
危言覈論(きげんかくろん)
→ 身の危険をかえりみず直言し、激しく議論すること。
激しく議論することと喧嘩をすることの区別がついていない人が多いように思う。
自分の身の危険をかえりみずに直言してくれる人がいたとしたら、あなたはどう感じるだろうか?
もちろん、感情に身を任せて、適当に直言している人は見破ることができるはずなので、信用している人からの直言に限らせてもらう。
恥部というか、傷口に塩を塗るようなことをされると、誰だって嫌になるし、人というのは感情の生き物だから、直言する人に嫌悪感を抱いても仕方がないと思う。
でも、本当はそういう人こそ大切にしなければいけない。
そりゃそうだ。
その人は、自分のことを想って直言してくれているわけで、そういう人が歳を重ねていくと減っていくことは多くの人が実感していることだろう。
つまり、苦言を呈してくれる人ほど大切にしなければならない。
あなたが熱意を以て発言するのはなぜか、よく考えて欲しい。
それは、その人のことを想っているからに他ならず、その言動はとてもエネルギーを消費していることに気づくだろう。
相手のことがどうでもよくなったら、そこに無駄なエネルギーと時間の浪費などするだろうか。
冷静に考えると当然のことなのだが、残念ながらいつもその感覚を持ち出すことができないのが人間というものだ。
直言はエネルギーを消費しているのか?
よく感情的になるとカロリーを消費するという話を聞く。
となると、怒りっぽい人はガリガリになってしまうということになるが、そんなこともないだろう。
実際にエビデンスがあるかを調べてみると、決定的なものが見つからなかった。
というか、よくよく考えると、なにもしなくてもカロリーは消費する。
ということは、感情的になるとカロリー消費が激しくなるという理論となるわけだが、その決定的なエビデンスも私には見つけることができなかった。
ということで、カロリー消費とエネルギー消費がイコールの概念ではないが、少なくとも直言することでカロリー消費をしているということにはならないという結論になる。
とはいえ、感情による実際のカロリー消費をする場合、どの程度なのか参考までに列挙していこう。
叱るという感情によるカロリー消費目安
明確なエビデンスが発見できなかったので、情報源はあえて掲載しないというスタンスで書かせてもらう。
つまり、参考までということで読み進めてもらいたい。
ザッと調べたところによると、こういう理論らしい。
まず、叱るという感情についてだ。
誰かを叱っている間は興奮状態となり、副腎髄質より分泌されるホルモンであるアドレナリンが分泌される。
このことで、脳を著しく活性化し短時間のうちに大きなカロリーを消費させることができるという。
ただし、アドレナリンの上昇に身を任せ相手に怒りの感情をがむしゃらにぶつけるだけでは消費カロリーはもちろん、自身の立場においても効率的な行動とはいえない。
厳しさと思いやりのバランスや怒り表現をきちんと考慮しながら叱ることが、大きくカロリー消費をすることに繋がるという考え方だ。
ちなみに、30分叱ることで男性が消費するカロリーは99キロカロリー、女性は85キロカロリーだそうだ。
そして、アドレナリンの分泌をコントロールし、脳を効率的に活性化させてやることが消費カロリーを上げるポイントになるという。
5分程度といった短時間であればアドレナリンを分泌し続け、興奮状態を継続させてやる方が消費カロリーを多く消費させることができる。
それ以上の時間をかけて叱るという行動を行うのであれば、興奮状態から冷静状態、そしてまた興奮状態といった具合に感情に起伏をもたせた方が脳を効率的に活性化させることができる。
上手くいけば、10分につきプラス15~20キロカロリーほど多く消費カロリーを増やすことができるという試算もある。
叱られるという受け身によるカロリー消費目安
次に、受け身側の叱られるということでもカロリー消費ができるという説についても書いていこう。
叱る行動と違い基本的に受け身状態が求められるためカロリー消費量は抑え気味になると思われがちだ。
しかし、発声による発散がなくひたすら忍耐といった行為は、一時も休むことなく脳はフル活動状態で大きな負担がかかっているという。
つまり、実は叱る行動よりも叱られる消費カロリーの方が大きなものになるという考え方だ。
ただし、つらいからといって無心で逃避状態を貫いてしまうのは、有益な行為とはいえない。
怒られながらも相手の話をしっかり聞き、ミスの改善策や対処法を考えながらの忍耐時間を過ごすことが消費カロリーを上げるポイントになるそうだ。
ちなみに、30分叱られることで男性が消費するカロリーは104キロカロリー、女性は90キロカロリーだという。
注意したいのは、怒られているときの姿勢に意識を持つことだ。
叱られている場面でラフな姿勢をとることは難しいと思うが、ただ直立に姿勢を正すだけではなく全身に少しの力を加え緊張状態の維持が肝になるそうだ。
相手の発する言葉に緊張状態の体が敏感に反応し、不動状態にも関わらず筋肉運動同様の負荷が掛かり飛躍的に消費カロリーがアップするという。
上手くいけば、10分につきプラス15〜25キロカロリーほど多く消費カロリーを増やすことができるという試算もある。
さらにもう1つ。
叱られながらも相手の話をしっかりと聞き、ミスの改善策や対処法を考えながらの忍耐時間を過ごし脳を継続的に活性化させてやることも重要だ。
思考状態により脳活動を促し10分につき10〜20キロカロリーの消費が期待できるという。
また、緊張状態の姿勢による身体活動と連動させることによる相乗効果で、さらに効果は上昇し10分でプラス20〜35キロカロリーほど多く消費カロリーを増やすことができるという試算もある。
まとめ
仮に感情によるカロリー消費にエビデンスが揃ったとしても、それはカロリー消費の目線で語っているだけだ。
怒りに身を任せた叱るという行為は他の部分での欠損が出てきそうだし、叱られるという状態がずっと続くことが健全だとは思えない。
ましてや、定期的なダイエット手法として使えるものでもない。
やはりカロリー消費という昨今のブームにだけとらわれるのではなく、様々な方面からのエビデンスを重視すべきである。
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植田 振一郎 Twitter
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