見出し画像

効果の高い方法を厳選!英会話短期習得法

はじめに

私は現在グローバル金融機関で海外拠点を管理しているアラフィフのおじさんです。留学や駐在等の経験のない私が、日々海外拠点の外国人の同僚と英語でコミュニケーションを取れるようになるまで、色々試行錯誤を重ねて様々な学習法を試してきました。その結果、無理無駄を極限まで省き、ストレスフリーで、効果の高い方法のみの、誰でもできる英会話最短上達法を編み出しました。私は東大英文科卒にも関わらず、一言も英語がしゃべれないまま社会人になり、(英語知識が既にゼロクリアされた)中堅に差し掛かったところで業務上必要に迫られて英語学習を再開してから10年以上試行錯誤してきました。もし自分がこの方法に初めから取り組んでいたら、恐らく1~2か月くらいで効果が見え始め、半年~1年くらいの間で今と同じレベルに到達できただろうな、と思います。この勉強法は年代に関わらず普遍性があると思いますので、どの年代の方にも、またビジネスパーソンに限らず学生の方等にもおすすめできます。少しでもご参考になれば幸いです。


ステップは2つのみで、1. 基礎固め、2. 実戦練習、です。1は①英文法、②ボキャブラリー、③リーディング、④ライティング、2はもちろん①スピーキングと②リスニングになります。全体を通じて意識して頂きたいのは、「重箱の隅」「沼」にハマるといった間違った、残念な努力をしないこと、「タイパ」「割り切り」、学習継続のために「とにかくハードルを下げる」といった正しい努力をする、です。それでは以下で順に説明していきたいと思います。

1. 基礎固め期間(2週間~1か月)

私の持論の1つは、TOEIC高スコアは必ずしも英会話力とイコールではない、です。TOEIC高スコアで英語を喋れない人をたくさん知っています。かつての自分もそうでした。逆に帰国子女等で英語ペラペラの人でもTOEICのスコアは案外高くない人もいます。帰国子女の方は日常的に生の英語を使う環境で過ごしてこられたので、改めてTOEICなどの試験勉強をする必要もないのでしょうね。
私の持論のもう1つは、上記と逆説的に聞こえるかも知れませんが、英語圏での在住経験のない私を含むドメスティックな日本人の場合、TOEIC等で一定程度のスコア(に相当する英語力)は必須ということです。いくら英会話レッスンを受けても、英語力の最低限の基礎・土台がしっかりしていないと短期間での英会話力の向上は難しいと思います。
私の場合は、英会話力向上に本格的に取り組む前に1か月間集中してTOEICのための猛勉強をし、結果スコアを270点アップさせたことでしっかりとした英語の土台が出来たように思います。TOEICのスコアを短期間で上げたい方は、私の別の記事”1か月で270点スコアアップ!TOEIC超タイパ・戦略的勉強法(復刻版)”もよろしければご参照ください。なおすでにTOEICのスコアで700点台後半以上を持っている方は、基礎固めのフェーズ、特に英文法の部分はスルーする、あるいは並行して取り組んで頂いても結構だと思います。ただ語彙力アップや読解力向上に終わりはないと思います。前置きが長くなりましたが、以下で基礎固めのメニューを述べます。

①英文法:基本5文型だけでいい

社会人になり英語を使わない期間が10年を超えると、ほぼほぼ英語力はゼロクリアされてしまいます。私は基本的な英文法のテキストの通読から再スタートをしました。通読というのがポイントで、精読はしていません。例えば、「仮定法過去完了」ですとか、定冠詞「the」と不定冠詞「a」の使い分けといった「重箱の隅」「沼」にハマると、それだけで時間が無駄に過ぎていきますので、細かい論点は捨てます。大雑把に言えば、基本5文型とあとは簡単な疑問文、時制(現在・過去・未来)等がしっかり理解できれば、記憶の奥底からひっぱり出せればそれで良いと思います。なおテキストについては合う合わないがあると思いますので、ご自身が使いやすいと思うものを選んで頂ければと思います。

②ボキャブラリー:BGMに乗って快適に

合わせて、会話でよく使われる語彙をできるだけ身に着けることが不可欠です。私も英単語集を繰り返し回しました。英単語集を回すという言わば「筋トレ」を継続するのは、実際なかなか精神力のいることです。私の場合はこのハードルを下げるため、音声付きの単語集を活用していました。今ですと、アルクのキクタンがいいと思います。キクタンは音声付きの単語集で、独特でノリのいいBGM(チャンツ)に乗って発音される英単語を耳から聞きながら、同時に目で単語集を読み進めます。この、学習しているという負担感をあまり感じることもなく、音楽に乗せられてどんどん進めていくことが最大のメリットです。また聴覚と視覚の両方を使うことで、暗記効率も高まります。また私の場合は、チャンツの速度が遅いと感じて、タイパの観点から音声の速度を×2.0~2.5にセットして高速で回します。周囲に人がいないところでしたら、視覚・聴覚に加えて自分の口で発音をしながら五感を駆使して取り組むとさらに暗記効率が高まるのではないかと思います(私は電車の中で学習することが多かったので実際にはできませんが)。なお、書きながら覚えることは私はおすすめしません。時間がかかりますし、継続のための精神的なハードルが上がる一方で、英語を手書きするシーンはほとんどないからです。あとは、ボキャブラリーも、完璧主義で必死で覚えなければいけないと自分の中でハードルを上げると、「重箱の隅」「沼」にハマり、精神的に苦しくなりますので、自身の感覚でこんな単語必要ないよと思うものは適宜スルーしつつ、チャンツに乗って淡々とルーティンをこなすイメージで継続しましょう。

③リーディング:易しい英文でいい

リーディングは、英文法力と語彙力の掛け算であり、かつリスニング力の土台となる部分だと思います。TOEICで高スコアを取るためには、大量のあらゆるジャンルの文章を読みこなす速読力が求められます。私の場合、TOEICの練習問題を数多く読み解く中で、読解力・速読力を向上させることができました。英文レベル的にはそれほど難解でもなく相応のレベルであるTOEICの練習の中で向上させるという感覚で十分です。逆にTIMEやNewsweek、Japan Timesといった語彙レベルが必要以上に高く高尚な英文雑誌・新聞にトライしても、英語が難解すぎてほぼ間違いなく挫折します。部屋に溜まっていく未読・未開封の紙束がストレスになるだけですので、これらは個人的にはおすすめしません。

④ライティング:やらなくていい

私は初期の頃、ライティングも必要だろうとかなり一生懸命取り組んでいました。例えば英語のSNSで毎日毎日で日記を付けていました。ただ結論からいいますと、かなりの労力をかけた割には、英会話力向上の観点からは大きな効果は得られなかったです。自分はもちろんですが、恐らくライティングをする際に多くの方は、まず日本語でコンテンツを考え、それを英語に翻訳したうえで文字にするというプロセスを踏んでいると思います。後述しますが、英会話においてはこの翻訳というプロセスがないため(英語で聞いて、英語で考えて、英語で話す)、ほとんど効果がないのだと思います。
もちろん、やって害のあるものではなく色々と得るものはあると思いますが、英会話力の短期向上の観点からは、あまりおすすめしません。

以上が1. 基礎固め期間の内容となります。なお。TOEICを受けてみることは必ずしも目的ではありませんが、実際に受験して高スコアをとる、あるいは何度か受けてスコアアップを確認することはモチベーションアップに繋がります。

2. 実戦練習期間(1か月後~)

それでは、ここから2.実戦練習期間の取組について述べていきます。実戦練習は「①スピーキング」「②リスニング」になります。この当たり前の練習で、以前の自身も含めたくさんの方が誤った、残念な努力をしてしまっています。「タイパ」「割り切り」「とにかくハードルを下げる」をキーワードに、正しい努力について説明していきます。

①スピーキング:1日10分で快適に

スピーキング力の向上は、シンプルに練習量に尽きます。先ほど少し述べましたが、外国人と英語で会話しているときに頭の中で、「相手の英語を聞き取る」→「日本語に翻訳して理解する」→「自分が話す内容を日本語で考える」→「英語に翻訳して相手に話す」というようなプロセスは、踏んでいません。英語で会話しているときは、基本的には日本語で考えるプロセスは介在していないので、脳の中で英語のまま聞き取り英語で思考する回路、そして思考した結果を確実にアウトプットする英語仕様の口を作っていく必要があります。そのためには継続的に一定量のトレーニング(スピーキング機会)を積む必要があります。この点はスピーキング機会を提供してくれる英会話学校を利用するのが現実的だと思います。以下で私がこれまで受講してきた学校を紹介します。なお結論から言いますと、これらの英会話学校の中でも、「ネイティブキャンプ(Native Camp)」が一番おすすめです。

「ネイティブキャップ」:強くおすすめする
・受講形態:オンライン
・講師属性:フィリピン人(ネイティブオプションもあるが高額)
・講師と制度の人数:1対1
・費用負担:安い
・頻度:毎日1回
・レッスン時間:5分~(授業時間を自分で指定できる)
・レッスンの事前予約:不要(受けようと思えばすぐに受講できる)
・STAコメント:使い勝手がよく、受講継続の心理的ハードルが低い。

以下は、ご参考までに私が経験した順にその他の学校の特徴を述べます。読み飛ばして次のリスニングのセクションに進んで頂いて結構です。

「ベルリッツ」:あまりおすすめしない

・受講形態:対面が基本(オンラインもあり)
・講師属性:ネイティブ
・講師と制度の人数:1対1
・費用負担:非常に高い
・頻度:週1回(費用負担との兼ね合いからこのくらいが限界か)
・レッスン時間:45分くらい(記憶が曖昧)
・レッスンの事前予約:必要
・STAコメント:10年前頃に通学。当時は会社帰りの通学が大変でした。

「レアジョブ」:おすすめする
・受講形態:オンライン
・講師属性:フィリピン人
・講師と制度の人数:1対1
・費用負担:安い
・頻度:毎日1回
・レッスン時間:25分
・レッスンの事前予約:必要
・STAコメント:一番長く続けた学校。但し講師の質はピンキリ。

以下、補足コメントをします。
・受講形態については、とにかく通学は大変。オンライン一択です。
・ネイティブ講師にこだわる必要はなし。フィリピン人の発音は概ねクリアで、特段ストレスはありません。
・講師と生徒の人数比も1対1の一択です。上記以外に1対多のレッスンも経験しましたが、効果はありませんでした。
・レッスン時間については25分はやや長く、話すネタもなくなってきます。講師によっては沈黙が続くこともあり、それ自体が学習継続に向けたストレスになる可能性がありますので、10分程度で気づいたらもう終わりの時間、くらいが丁度いいと個人的には思います。
・あとはレッスンの事前予約が不要で、いつでも受講したくなったときに短時間(5分~)で受講でき、かつ1日のレッスン回数無制限の「ネイティブキャンプ」がもっともおすすめできます。事前予約不要というのは学習継続の観点からはとても重要です。レッスンは誰であっても若干の精神的ハードルがあり毎回勇気が必要です。やる気スイッチが入ったときにタイムラグなくスッと受講できるのは大きな利点です。また予約制の場合は、予約時間が近づいてくると、○時からレッスンだな、という微妙な緊張感やストレスがあります。ボディブローのようにこの心理的ストレスが蓄積してレッスンから遠ざかるリスクもあります。思い立ったらすぐ受講できることは重要です。
・レッスンの内容は、フリートーク、ニュース記事を用いたディスカッション、発音特化、TOEIC対策等様々なものがあり、本来はこれらを組み合わせて受講するのが良いと思いますが、予習が心理的ハードルになりますので、私はフリートーク中心です。内容もシンプルにその日の自身の1日の業務プランや結果を説明するといった内容が多いです。
発音は完全に割り切っていて、ジャパニーズイングリッシュでもいいと思っています。日本人には難しいとされる「L」と「R」の区別、あとは「B」「P」「H」、「D」「T」系の濁音・撥音、その他「M」「N」の発音にメリハリをつける等くらいです。会話の印象を概ね決めてしまう上記の10個くらいを意識していれば、発音が良さげに聞こえますし(笑)、ネイティブからも聞き直されたりすることはありません。相手も文脈で理解してくれるはずです。ここも完璧を目指さず、沼にハマらない正しい努力をしましょう。

②リスニング:目から鱗の上達法

私はこれまでも会社の国際会議などで、参加者のイギリス人やインド人の英語の発言(アクセント等が特徴的)が聞き取れず、半分も理解できていないのに司会進行しなければならないという、背筋が凍り、脂汗が流れる体験を何度もしてきました。
私も何もしてこなかったわけではなく、初期からポッドキャストでCNNやBBCのニュースを聞く等、色々試行錯誤してきたのですが、結局のところ、以下のような誤った、残念な努力をしてきたことが分かりました。

①負荷の高いトレーニングをした方が効果があるだろうと仮定し、ポッドキャストのスピード設定を×1.2倍速や×1.5倍速にして聞いていた。
②通勤電車の中の時間を有効活用してリスニング練習をしていたが、走行音が邪魔で集中しずらく、また気が付いたら、すぐに仕事関連の別の考え事をしていまい、実際の全く練習になっていなかった。

ある時日本人のプロコーチのカウンセリングを受けていたことがあり、上記のお悩み相談をしてみたところ、自身のやり方、特に①は完全に間違いと指摘されました。コーチからは、シャドーイング(音声を聞きながら、並行して(0.5秒遅れでついていくイメージ)復唱する練習)を通常スピードの半分(×0.5倍速)でやるようにと、目から鱗の指示を受けました。コーチの意見を参考にし、以下のようなプログラムを組んで継続的に取り組んだところ、1か月を過ぎた頃から顕著な効果(通常スピードの英語ニュースが自然に聞き取れるように)が現れました。以下にシャドーイング練習プログラム(イメージ)を記載します。皆様の方で適宜アレンジしてみてください。

(トレーニングプログラムイメージ)
所要(練習)時間
1日15~30分程度

使用教材
・究極のビジネス英語リスニングvol.1(コーチ推薦のもの)
※ビジネスマンのサクセスストーリー仕立てで馴染みやすいです。

ウォーミングアップ(×1.0倍速)
・練習する文章の通読(内容理解)、通常のリスニング(×1.0倍速)

トレーニング1回目(×0.5~0.7倍速、慣れてきたら速度を上げていく):
・文章の区切り毎に音声を止め復唱×2回
・シャドーイング(音声を聞きながら0.5秒遅れで復唱する)×2回
・オーバーラッピング(音声を聞きつつその英文を読みながら、音声と同時に復唱)×2回

トレーニング2回目(×0.7~0.9倍速、慣れてきたら速度を上げていく):
・シャドーイング×1回、オーバーラッピング×1回

トレーニング仕上げ(×1.0倍速):
・オーバーラッピング×1回
※初めはついていけないがそれでもOK。徐々に慣れます。

以下、効果についてコメントします。
・シャドーイング練習は、聞き取った内容を即復唱しなければならないので、否が応でも聞き取りに集中しなればなりません。上記の「気が付いたらすぐに他の考え事」をしなくなり、学習効果があがりました。
・野球で例えますと、時速100㎞のボールが打てないバッターが、時速120㎞や150㎞のボールで練習をしても全く無意味だと思いますし、時速50㎞→70㎞→100㎞とより低い負荷から段階を上げて練習していくことが効果的であることが良く分かりました。
・なお倍速スピード設定について、×0.5倍速などは、初めは馬鹿にしているのか、とイラっと来るぐらい遅いですが、そこはぐっと堪えて何日か続けてみてください。そしてさすがにもういいだろうと思ったところで×0.6、×0.7と上げてください。
・ネイティブ特有の音が繋がるケースは、通常スピード(×1.0倍)ではなかなか聞き取れませんが、スピード設定を遅くして聞くことで、ああこんなふうに音がつながっているのか、と理解することができます。これを続けていくと、ポッドキャスト等のナレーションでも、曖昧な発音を曖昧なままで受け取り、内容を理解できるようになります。

さいごに

以上、簡単ですが、自身が英語学習で苦労・試行錯誤する中で、経験してきた学習法のなかから無駄を省き、高い効果が得られるものを紹介させて頂きました。なお、私を含め大半の日本人は、絶対的な英語力があるわけではありませんので、サボるとすぐに力は落ちます。心理的なハードルをできるだけ下げて、正しい方法で学習を継続していくことが最も大事だと思います。実際には、仕事等で切羽詰まった状況にならないと本腰を入れて学習に取り組めない部分は誰にでもあると思います(私もそうでした)。必要となった時にこの記事を思い出して頂き、一部でもご参考にしていただけましたら幸いです。ご健闘をお祈りしております!

STA

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?