見出し画像

お薬カレンダーのその後の話

少し前に投稿した「目に見えない高次機能障害」についてその後の話。

お薬カレンダーを作成し現在も継続して内服管理を頑張っている患者さま
そんな昨日の朝

リハビリの時間になり居室に迎えに行き
挨拶したところ
「今日、薬の袋持って帰ってくるの忘れて食堂の机に置いたままにしてしまったと思うんだけど」
自分で問題が起きた場面を説明出来ている
(薬に対する意識が高く事後確認が出来ている)

私は「なるほど。気づいた時には片付いててどうにも出来なかったんですね。看護師に聞いてきますね」とスタッフステーションに尋ねに行くと

「あー。回収したよー!ちゃんと飲めてたよ」
と看護師さん

「空の薬包を持って帰るの忘れたみたいで混乱に繋がるといけないので本人に返却していいですか?」

「どーぞー」

何気なく済んだ会話だが
以前病棟のこの患者さまのお薬カレンダーについて流れを共有しています

本当なら食堂で返してあげて欲しかった
でも朝は一番忙しい時間帯で難しいのもわかる

「また忘れてたら渡してあげてくださいね」と依頼して患者さまの元へ戻ると

お薬カレンダーをじっと眺めている

「貰ってきましたよ、どうしたんですか?」

「何かね薬がおかしいから入れ替えたんだ」

入れ替えた?看護師がセットしてるからおかしい事はないはず

確認すると薬の日付が暦とズレている

ん?何故?

すると横に設置したカレンダーが来年のになっていた

「カレンダーどうしたんですか?」

「昨日新しいの渡されたから変えたんだ」

「前のは?」

「あるよ」と奥から出してきました

新しいのを渡された事で交換したらしい
カレンダー内のズレは1月の最終週に合わせて修正した様子

「まだね、年明けてないから新しいカレンダーは早いですね。前のに戻しましょう。」

「あっ!まだ12月だもんね」

「そうそう!だから薬も直しましょうか」

と一緒に直した所で
「あー!だからおかしかったのか。またおかしな事しちゃったな」

「こっちも混乱を招く事してしまってごめんなさいね」

カレンダーをそもそも渡すのが間違い
見当識も曖昧である患者さまに混乱を起こすきっかけを渡したようなもの

スタッフステーションに戻り
患者さま情報共有のための病棟ノートに
この事を記載し
「カレンダーは大晦日に渡し、渡す際には古いものを回収してください」
「薬包の持ち帰り忘れがある場合は渡してあげてください」
「内服セット時には出来るだけ一緒に行い自身で入れ替えたりしないように声かけをお願いします」
とお願い事を書いておきました

患者さまには
「看護師さんが組んでくれたお薬に間違いはないので入れ替えたりしないようにしてください。迷いやおかしいなと思ったらスタッフにまず相談してみましょうね」と説明し
お薬カレンダーの上部に吹き抜けを貼り注意書きしておきました。


高次機能障害について理解してもらうことは
非常に難しい
それぞれがいろんな仕事をしている中で配慮してもらうこと、協力してもらうには
十分な理解がないと中々難しい

そして環境設定し一旦落ち着くと「もう大丈夫」とみんな思いがち
目に見えないが故に患者さまの高次機能障害に対する意識も時間と共に薄れてしまう
「慣れ」が一番恐ろしいこと

現在退院後の訪看を依頼し
決まるのを待っている段階

この事後、MSWへ訪看が決まったら情報共有したいので連絡お願いします
とお願いしました


来年は少しでも高次機能障害について
周囲に理解してもらえるように
今以上に頑張りたいと決意した昨日でした。

今年も残りわずか
みなさんいい仕事納めになりますように。

               me;でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?