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カードゲーム「スタータップス」をスタートアップスタジオ協会理事でやった結果

スタートアップスタジオをやっていると、「スタートアップ系の人は専門用語や独特のカルチャーが多くてとっつきにくい」と言われることがよくあります。

確かに、関わりのない人からするとなんだか怖くて意識が高いと思われてしまいがち。

今回は「そんなとっつきにくいスタートアップカルチャーに、手軽に触れてもらうにはどうすればいいか」を考えた結果、この秘密兵器にたどりつきました。

スタートアップのボードゲーム、その名も「スタータップス」

このスタートアップのゲームをみんなでやったら、手軽にスタートアップの知識やカルチャーに触れられるのではないでしょうか?

ということで、今回は、このゲームをやってもらうためだけに、渋谷にスタートアップスタジオ協会の理事たちを呼び寄せました。


※ここから本編が始まりますが、当日は永野さんが大遅刻しました。なので、永野さんはこの記事の途中から登場します。

ーー永野さんが大遅刻らしいので、先に来たメンバーでルールを確認していきましょう!

ルールの解説動画を観る坂東さんと兼城さん

坂東:全然わかんないなぁ

兼城:思ってたより複雑ですねぇ

ルールのわからなさに爆笑するふたり。
「えっこれなに?」「止めて!一旦止めて!」のふたり。


ーー簡単に言うと、6個の会社のうち一番成長しそうな会社に投資をするゲームです。うまく投資をして、最後に獲得ポイントが多かった人が勝ちになります。

坂東:獲得ポイントは、それぞれの会社の「リード投資家」しかもらえないんですよね

👉リード投資家:その会社に一番お金を払った投資家。

兼城:あとは、投資してることが周りにバレない方がいいんですよね

坂東:「独禁チップ」のことがよくわからないんですよ

これが独禁チップ。使い方はわからないけどとりあえずかわいい。

兼城:独禁チップは簡単ですよ。リード投資家は、投資しにくい代わりに金額の支払いも少ないんです。そのマークとして手元に置いておけばいいんです

ーー兼城さん、この短時間で複雑なルールをしっかり覚えている...!? 

坂東:すごい!!

兼城:いやでも、さっき動画でそのまま言ってましたよ

坂東:それはそうですけど、僕はすでに全然わからないんですよ。もう今日はこのまま帰りたいです。

ーーそしてここで永野さんが到着しました。

やっと到着した永野さん。もちろんルールは何も知らない。

ーーそれではメンバーがそろったので、ゲームを始めていきましょう!

まずは兼城さんのターン!

兼城:どこに投資しようかな

兼城さんはカードを引いて「エレファント・マーズ・トラベル」という宇宙系のスタートアップに投資。
その様子をものすごく険しい顔で見守る坂東さん。

坂東:うーん、なんだろ。もうだめだな?

ーー坂東さんルールがわからないからって諦めないで!がんばりましょう!

永野さんのターン。永野さんもルールをよく知らないままやっている。

永野:じゃあ、自分も「オクトコーヒー」という飲食系スタートアップに投資しようと思います

坂東:あの....そもそもこれって最後に一番投資してた人が勝つゲームなんですよね?

あらためてルールの確認をする坂東さん。

永野:そうですよ

坂東:でもよく考えたら「リード投資家しか儲からないマーケット」って恐ろしすぎないですか?

坂東さんの疑問から、急にスタジオ運営者ならではの会話が飛び交い始める

ーーそこ、スタートアップ関係者としては気になるポイントなんですね。

永野:確かに。しかも投資先は人気の会社なんですよ。これ、投資家じゃなくてプライベート・エクイティ・ファンドじゃないですか?

「スタータップス」が投資家ではなくプライベート・エクイティ・ファンドのゲームだと主張し始める永野さん
👉プライベート・エクイティ・ファンド:市場に公開されていない株を買う人達。大きい会社のリード投資家の座をねらうことが多い。

兼城:あー確かに。これはプライベート・エクイティのゲームですね

坂東:あと、山札をひくときにお金を払う必要もあるんですよね...?

永野:そうですね。でもそれはソーシング側の人件費なんだと思いますよ

坂東:あっなるほど!急にルールが覚えやすくなってきた!

「山札をひくときのお金=ソーシングの人件費」らしい。その説明は本当に覚えやすいのか。


坂東:でもその人件費を払うためのファンドのお金なんですけど...

坂東さんのお金。

坂東:僕のはもうないんですよね

ーーそんなことあります?!

兼城:ファンドの運営費が枯渇しそうだ...

坂東:そろそろLP営業しないといけないんです

👉LP営業:投資家に出資してくれる人(LP)を探す活動


ーーあと坂東さん、ひたすら同じところにだけ投資されてるんですよね

永野:こういう1社だけ投資する方、実際の投資家でもいますよね.

ーー永野さんは手持ちのカードを見た感じかなり強く見えますが、どういう戦略なんですか?

永野:そりゃあもう...

永野:”戦略なき投資”ですよ

兼城:スタジオ関係者から絶対に聞きたくない言葉ですね

ーー渾身のドヤ顔ですね。そして、ここで山札のカードがなくなったので終了です!!

結果は...

完全に「ルールを覚えている順」になった。

永野:デライト・ベンチャーズが2人いたのに負けてしまった...

坂東:人数はみらいスタジオの2倍なのにね。うち、生産性が悪いスタジオなのかなぁ

生産性が低いかもしれないスタジオのふたり。


坂東:1社、デッドロックになったのが痛かったですねー

👉デッドロック:株主がたくさんいて、経営の決定がうまくできなくなる状態のこと

永野:でも、次のゲームが本番ですよね??

力技で自分の負けをうやむやにしようとする永野さん
永野さんの誘導により突然スタートした”本番”(≒2回戦)

ーーあ、本当にもう1回やるんですね。

兼城:今回は違う戦略で行こうと思います

永野:僕もさっきとは違う方法でいこう

さっきより投資に慎重になっている兼城さん。

兼城:坂東さんから「ルールを覚えたぞ」って感じがするんですよね

ルールをマスターした空気が出ている坂東さん。


兼城:でも、投資先はさっきと一緒なんですよね

永野:毎回、僕と坂東さんは投資先が似てるんですよ

1回戦も2回戦も似たようなところに投資していたデライトのふたり。

永野:同じスタジオですからね

兼城:ゲームの投資先もちゃんとかぶるんですね

ーー(笑)2回目なので今度はサクサク終わりそうです。

兼城:最後に急いでいらないカードを捨てないと!

永野:これが「ダメージコントロール」ですね

👉ダメージコントロール:攻撃されたときのダメージやリスクを最小限にする事後処置のこと。スタートアップ用語ではないがよく使う。
最後のダメージコントロール。

ここで...

結果は...

坂東:大勝利ですね!大勝利!!!

ーーすごい!

永野:本当に圧勝だなぁ

兼城:うわー逆転されちゃった

坂東:これ、あれなんですよね

坂東:いきなりリード投資家になるんじゃなくて、2位あたりに隠れておくべきなんですよ

永野:急に語るじゃないですか

兼城:突然プロみたいなこといい出しましたね

本当に急に語りだした坂東さん

というわけで、最後は坂東さんが急に語りだして無事にゲームは終了しました。


今回のゲームに参加してもらったスタートアップスタジオはこちら!

■デライト・ベンチャーズ(坂東さん&永野さん)
日本における起業のハードルをとことん下げ、起業家が世界で活躍するのを全力で支援するベンチャーキャピタル。起業を当たり前のキャリアパスとし、成功者も失敗者も次々とチャレンジを続けられる社会を目指します。

■みらいスタジオ(兼城さん)
創業支援・成長支援の専門家。これまでに培った新規事業開発ノウハウや長年運営しているエンジニアコミュニティを活かしつつ、事業戦略の立案からプロダクト開発、EXITを目指したグロースまでを徹底的に支援するスタジオです。

気になるスタジオがあったら、ぜひ遊びに来てみてください!

スタートアップスタジオ協会とは、スタートアップスタジオ(同時多発的に複数の企業を立ち上げる組織)に関する発信や、起業に関するイベントの企画運営をしている団体です。
詳しくはこちら:


文・画像:まいしろ(Twitternote

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