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脳を取り戻すための転職
前回の記事はこちら。
『さんすう』の時間です
弊社は全社員19名でした。1月に1人飛びました。2月に3人辞めました。3月に1人辞めたのと、1月に飛んだ人の退職意思が表明され退職が確定しました。4月は1人辞めて、5月は1人辞めつつパートさんが1人入社しました。6月は正社員が1人入社しました。さて、現在弊社は何名体制でしょう?
『さんすう』の教科書には決して載らないが、大人になって切実さをもって足し算引き算を使うのは、りんごとみかんをカゴに入れたり出したりする時じゃない。こういう時だ。
現在私の勤務先は多分14人の従業員で仕事を回している。
失った(のべ)5人分の業務のうち、2名分の業務がまるっと私に流れてきた。今年3月のことだ。
連鎖退職っていう言葉がある
連鎖退職っていう言葉があるそうだ。
連鎖退職とは、企業や特定の部署内で複数の従業員が相次いで退職することです。短期間のうちに複数人がいなくなってしまうため、残された従業員の業務負担が急激に増加します。すると生産性や業務品質の低下などを引き起こし、各所に影響が及ぶ悪循環に陥ってしまうのです。
連鎖退職が起こる原因として下記の5つが挙げられます。
1.労働環境への不満が蓄積
2.経営幹部やエース社員の離職
3.上司による不適切なマネジメント
4.人手不足による負荷の増大
5.従業員エンゲージメントの低下
最近こういうこと多いよなあ、と感じることをWeb検索をすると、もう《こういうこと》を表す言葉があるものだな。
さて、上記引用の原因1〜5はその通りだが、もうひとつ付け加えたい。
1〜5に耐え続け、勤続を続ける社員がいることだ。
即ちに、私のような人間が大勢いるから倒産して然る企業が倒産しないで存続していると言い換えることができると思うのだ。働けば働くほど、(社会的な)次世代に申し訳ないことをしていると思う。同時に(社会的な)前世代の人達を恨む。
こんな日本にしやがって。私もな。
変わる脳
ならば私がすべきことは転職だ。
自分のためにもなるし次世代のためにもなるし良いことしかない。でも私はそれができていない。
これまでブラック企業またはブラックに近いグレー企業に勤めていた友人たちに対して、私はこう言っていた。
「そんな会社早めに辞めたほうがいいよ」
そしてなぜさっさと辞めないのか、心底理解できなかった。仕事が好きだから?人手不足だから?いや、人手不足のなか自分や誰かが辞めたとしても、会社はなんだかんだ回ることを、この世の会社員たちはよく知っている。
それがどうして、今では私が友人や家族に「辞めた方がいいよ」「なんで辞めないの?」と言われているのだ。なんで。なんで状況を変えようとしないんだっけ。
その答えが自分でもわからなくて、公認心理師の資格を持つ産業カウンセラーに会いに行った。
私の勤務先は前述の通り小規模事業所なので、労働組合もない。産業カウンセラーもいない。なので外部のカウンセラーを探し、予約を入れたのだ。
カウンセラーに「なんで当事者になってみると辞められないんだろう?」と零した。
「深層心理では私が居なきゃだめだと思ってるんですよ」とか「深層心理ではヤメハラが怖いんですよ」とか言われるかと思った。
カウンセラーの返事は全然違うものだった。
「パワハラを受けている人は、正常な判断ができなくなっているんです」
「脳が変わっちゃうってことですか?」
「継続してパワハラを受けていて、かつ重症化すると、そうなる傾向があります」
だとすると、私の脳も変わり始めてるってことだ。
私は私の脳を取り戻せるのだろうか。
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