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個人的に思いつたことメモ。リーマン三十数年 / たまに週末作家 / 慶応通信75秋学士…

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個人的に思いつたことメモ。リーマン三十数年 / たまに週末作家 / 慶応通信75秋学士文1 / ちょっとした難局とほどほどの孤独が好き。

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犬を棄てる ー自分とは何者かー

もう、遠い昔のことになるが、自分は犬を棄てた。 家で飼っていた雌犬が野良犬に種をつけられて子供を何匹も産み、更に悪いことに、産後の気性が荒いところ、通りがかりの人に噛みついてしまう。 これ以上飼っておけない、ということになり、殺処分のため祖父とともに犬の親子を役場に連れて行った。 家に帰ると、出かけていた母親が戻っていて、最後に何か食べさせてあげようかと、近くの商店で菓子パンを買い、二人で再び役場に向かった。 「ほら、パンだよ、食べろ」と、母親とパンをちぎって檻の中に入れると

    • ストーリー・テラーに憧れる。

      2008-03-02 01:09:44 テーマ:日記モード どうして、そんなトシになって作家なのか? たぶん、多くの人にはそれが理解できないだろう。 ネット上の小説投稿サイトを覗いてみても、その中心は十代後半から二十代だ。 そのことは、投稿された作品をちらっと読めばすぐにわかる。 そこには、人生に少々疲れたサラリーマンも、都会の片隅で葛藤しているOLの姿も、ない。 もちろん、話し始めたら複雑な過去をもつ、ビルのガードマンや地下街の掃除のおばちゃんも登場しない。 いい意味で

      • ハンドル・ネーム(1)

        ハンドル・ネーム、悠季(ゆうき)。 確か、この名前を初めて知ったのは、年末の慌ただしさが街に感じ始められた12月上旬のことだったと思う。 休日の午前中、自宅マンションの一室にあるノート・パソコンに向かい、始めてまだ間もないブログを更新した後、特にこれといったあてもなく新着ブログのページを行き当たりばったりに訪れていた時、偶然クリックしたブログの管理人の名前だった。 (男? それとも女? ちょっと変わった名前だな……) いつもなら、よほど興味のある記事でもない限り、ものの数秒

        • メガネ。(1)

          職場の部下がちょっとしたトラブルを起こし、その後始末で思いのほか帰宅が遅くなった日、電車の中でいつものようにドアの近くに立ち、ガラス越しに外を眺める。 一面をインクで塗りつぶしたような闇の中には、雑居ビルの屋上にある派手なネオンサイン、学習塾の窓から放たれる白々とした明かり、マンションのあちこちに灯る暖色系の明かりなど、数え切れない明かりが浮かび、それらは電車のカタンカタンという小気味よい音とともに流れていく。 一方、電車の中の人々は、外の世界にはまるで興味がない、といった様

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        犬を棄てる ー自分とは何者かー

          CDにも、A面B面を。

          (当時、レコードをなつかしがって書いたものですが、それに取って代わったCDも既に時代遅れのものになりつつありますね……) 2006-05-16 23:47:41 | なつかし70年代モード もう、知らない人もいるかもしれませんが、その昔、レコードというものには、A面とB面というのがありました。 つまり、表と裏の両方で音楽が聴けたのです。 なら、片面だけしか聴けないCDよりおトクじゃん!という若い人がいそうですが……。 それはともかく、そのころ、多くの人々は、レコード鑑賞と

          CDにも、A面B面を。

          オマケに戸惑う。

          (職場にお弁当を売りに来るおばちゃんが、ちょっと話しかけてきたり、フレンドリーになってきて、ああ、そういえばこんなこともあったよなあ、と以前の記事……) たまに職場近くのほか弁でお昼を買う。 注文するのは、大抵、幕の内とか、から揚げとか、カレーとかいった「すぐできる系」のお弁当。 カウンターでお弁当を受け取ると、さっさと店を出る。 ある日、いつものようにカレー弁当を注文し、しばらくして手渡された袋の中を見ると、なぜか、ごはんの上に、から揚げが一つのっかっていた。 (あらら、

          オマケに戸惑う。

          一枚の名刺。

          スナック、という場所に行かなくなって、ずいぶん経つ。 飲み会の2次会も、1次会と同じような「食べる系」の店に行くことが多い。 話を聞くと、今の若い人もそのほうがいいらしい。 もっとも、上の世代には、店のママさんとか、女性目当てに通う人もいるようだが、酔客とそれをチヤホヤしてくれる女性という、おカネを払うことで成り立つ男女関係を、それほど割り切って楽しめないことも、足が遠のいている理由の一つかもしれない。 しかし、そんな自分にも、スナックでのちょっとした思い出がある。 新入社

          一枚の名刺。

          今ごろ、ノルウェイの森。

          (まえがき、のようなもの) ここnoteが「猫を棄てる」の感想文の投稿先だったことで、その後もぽつぽつ記事をアップしています。 で、ついで、と言っちゃあーなんですが、「ノルウェイの森」についても昔、思ったことを書きとめていたので、振り返りのつもりで投稿します。 (2007-09-04) 最近、テレビとかで若い頃の出来事が、「これは、198×年のことでした……」などと紹介されると「ということは、何だ、昭和でいえば、〇〇年ということか……」と、和暦に置き換えた上で、「その頃、自

          今ごろ、ノルウェイの森。

          「死」をテーマに小説を書いてみたい。

          2010-03-07 23:57:56 そのうち、「死」をテーマに小説を書いてみたい、と考えている。 とはいっても、〇〇殺人事件、とかいう推理小説のたぐいではない。 人にとって、「死ぬ」とはいったいどういうことなのか、そして、どんな意味があるのか、そんなことを考える小説だ。 まあ、ふつう「死」というと、葬式とか、どうしても忌まわしいイメージがつきまとい、正直、自分も小説の中で登場人物を死なせるのはあまり気が進まない。(弱気) しかし、以前、ちょっとしたことから「死」をテー

          「死」をテーマに小説を書いてみたい。

          イゲンという化石

          さて! 今から遡ることン年前、某大臣が「女性は産むキカイ!」とイッタ、イワヌで、ヤメロ、ヤメヌの騒動となった件をご記憶であろうか? 当時はニュースや新聞はもとより、ワイドショーでも連日ネタにされたわけであるが、しかしこれはある意味、真実であって、しかも掃除・洗濯・炊事もこなす結構便利なキカイである、と内心では思いつつ、それを職場や家庭で口に出せない小心者の旦那衆!! ジェンダー・フリーなどという、心にもない言葉を口にしてフェミニストぶるのは構わぬが、しかし考えてみれば、かくい

          イゲンという化石

          後ろ姿。

          コミュニケーションが大切、とよく言われるが、では、いったい理想的なコミュニケーションとはどんなものかと訊かれると、わりに難しい。 風通しの良い職場環境の構築と上司による適切な声掛けである、いやいや、やっぱり飲みニュケーションだろ、と意見はいろいろあるだろう。 そんななか、とりあえず個人的な意見を言わせもらえるのなら、それは、ふだん何気なく交わす会話の中で、お互い考えたり考えさせられたりしながら、相手との距離を縮めていくこと、例えば、以前、同じ職場のSクンという若者と仕事の合間

          後ろ姿。