小学生「ナイキ厚底シューズは何故ダメなの?」
厚底シューズ問題について、小学生が楽しく理解できるようゲーム用語を使って説明してみました。「そもそもスポーツとは?」まで議論しています。親子の頭の体操にぜひ!
はじめに
こんにちは!スタスタCEOの鈴木孝一です。
東工大院卒、ITベンチャーを経て教育ベンチャー2社経営、趣味で器械体操やプレミアムテキーラのインストラクター、やりたいことが多すぎる幸せな人生を過ごしています。
さて今日は、ナイキ厚底シューズ問題から、そもそもスポーツって何だっけ?というのを親子の対話形式で考えてみました。
厚底シューズ履けばマラソン大会で優勝できる?
子:ねぇお父さん!厚底シューズ買ってくれない?
父:ナイキの?マラソン早くなるやつ?
子:そうそれ!マラソン大会で優勝したいんだ。
父:いまは何位くらいなの?
子:いまは10位くらい。
父:シューズのお陰で1位になれたとして、嬉しい?
子:嬉しいよ!そりゃ、シューズに頼らずに勝てたらもっと嬉しいけど。
父:シューズに頼らずに勝つにはどうすればいいと思う?
子:いっぱい走る練習をする。
父:うん。それから?
子:えー他になにかあるの?
父:今キミがマラソン大会で1位になるためにできることは、
1.厚底シューズを買うこと
2.いっぱい走る練習をすること
の2つがある、と思ってるのね。
子:うん。
父:で、シューズがあれば1位になれると思っている。
子:うん、箱根駅伝でも厚底シューズ履いてた人が新記録いっぱい出したんでしょ?
父:そうだね。でも良いシューズさえ履けば勝てると思っているなら、それは甘い。
厚底シューズは「すばやさ 1.3倍」
子:えー、なんで?
父:ゲームの装備品で例えたとしたら、厚底シューズは「すばやさ 1.3倍」みたいな装備品なんだよ。「すばやさ +100」とかじゃないんだ。
子:ん?どういうこと?
父:今のキミのすばやさが、仮に「10」だとしたら、厚底シューズを装備しても1.3倍の「13」にしかならないんだ。けっして「110」にはならない。それはイメージ湧く?
正 10 × 1.3 = 13
誤 10 + 100 = 110
子:うーん、言ってる意味は分かるけど。本当にそうなのかな?
父:じゃあ、キミのすばやさが10だとしたら、箱根駅伝の選手たちの素早さはどのくらいだと思う?
子:100くらい?
父:オッケー。じゃあ、すばやさ「10」のキミが「すばやさ+100」を装備すると合計110。すばやさ「100」の選手が裸足で走ったら100のまま。すばやさの数値で言ったらキミの方が勝ってるけど、本当に走って勝てると思う?
キミ 10 + 100 = 110
選手 100 + 0 = 100
子:無理だと思う。
父:どう考えても無理だよね。シューズは、自分本来の力を少しだけ増幅してくれるんだ。シューズの効果を得たかったら、まず自分のすばやさを上げないといけない。
キミ 10 × 1.3 = 13
選手 100 × 1.3 = 130
子:結局、いっぱい走るしかないってこと?
父:いっぱい走るのも大事だけど、きっと他にもあるよ。やるべきことは。
子:なになに?
父:ランニングフォーム、走る時の腕や脚の使い方、姿勢、視線、とか、結構大事だよ。
子:そうなの?教えて!
父:任せとけ!
厚底シューズはなぜ禁止?
子:でも世界大会とかでは厚底シューズは使用禁止になったんでしょ?「すばやさ 1.3倍」だったら、結局選手の力が大事だから別にいいんじゃないの?
父:禁止になるかもって話だったけど、結局ならないかもしれない。ルールを決める人たちも困ってるんだろうね。
子:もともとは、なんで禁止にしようとしてたの?
父:新記録が出すぎたんだね。長距離走の新記録出す人みんながナイキの厚底シューズ履いてるってなっちゃったから、道具の影響が大きすぎるんじゃないかって。
子:今までもシューズは改良されてきたんでしょ?
父:もちろん改良されてきたよ。「1.05倍」とか「1.12倍」とかのシューズを作ってたんじゃない?それがいきなり「1.3倍」とかできちゃって、新記録出すぎちゃってどうしよう、みたいな感じかな。あ、今更だけど、何倍とかいう数値は適当だよ。
子:少し良くなるのはいいけど、大幅に良くなるとダメってこと?それって変じゃない?
父:ね。そう言われても仕方ないよね。本来スポーツってのは昔から、道具の進化とは切っても切れない関係なんだ。たとえばキミがいま習っているテニス。昔は木のラケットを使ってたんだよ。今のカーボンのとかに比べると、重いし全然飛ばないし耐久性もなかった。
子:木のラケットは見たことないや。
父:道具の影響がもっとあるものだと、例えばボブスレーって知ってる?冬のオリンピックの競技。まあ簡単に言えば、ソリのレースだね。
子:あ、見たことあるかも。
父:ソリの性能でタイムが全然変わっちゃうから、イタリアはフェラーリ社、ドイツはBMW社、イギリスはマクラーレン社とかが作ってたりする。
子:ずるくない?スポーツって人間の肉体で勝負するもんじゃないの?
スポーツとは何か?
父:そう、そこなんだよ。そもそもスポーツって何を競ってるんだっけ?っていう根本のところを考えさせられる問題なんだよ。今回のナイキの厚底シューズ問題ってのは。
子:身体能力だけじゃなくて、他のものでも競っていいってこと?
父:スポーツって、実は思ったより幅広いんだ。「モータースポーツ」って聞いたことある?車とかバイクのレースは、モータースポーツって言うんだ。ドライバーの力はもちろんあるけど、どれだけ良いマシンを用意してメンテナンスして、というのも競い合う。
子:そうか確かに、F1ドライバーはスポーツ選手な気がするね。
父:それだけじゃなくて「マインドスポーツ」ってのもある。チェスとかカードゲームとか。脳を主に使うスポーツだね。脳も身体の一部でしょ?
子:確かに脳は身体の一部だけど。将棋の藤井聡太さんがスポーツ選手って言われたらピンとこないなぁ。
父:最近だと「eスポーツ」って言葉もある。格闘ゲームとかFPSゲームとか。脳と反射神経と手先の器用さとかが大事そうだね。
子:ゲームもスポーツなの!?
父:スポーツってのは結局、生きるのには必要不可欠ではない「趣味」の中で、「一定のルールで人と競い合う性質を持っているもの」なのかなぁ。
子:競い合わないといけないの?ジョギングとか誰とも競ってないけど、スポーツだよね?
父:たしかに・・・競わなくてもいいのか。そしたら、趣味=スポーツになってしまうね。切手収集もスポーツなのか??笑
子:よくわかんなくなっちゃったね!笑 もうこのお話しはおしまいにして、ランニングフォーム教えて!!
さいごに
いかがでしたでしょうか?「ナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%」通称厚底シューズの話から、そもそもスポーツとは?ということを考えてみました。
結論はありませんが「世の中には決まった正解なんかない」ということが、お子様に伝わればそれでOKだと私は考えています。
今回も最後までお読みいただきまして誠にありがとうございます。
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ではまた明日、お会いしましょう!
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