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「命を区切られたとき、人は何を思い、いかに生きるのか」蜩ノ記より思い巡らす

『蜩ノ記』(ひぐらしのき)を読了したので読書メモ。
本作は、葉室麟による日本の時代小説です。
本作を1作目として全5作のシリーズになっています。 

『蜩ノ記』は江戸時代中期から後期にかけて九州の一隅で生を全うした、戸田秋谷という武士の「その日」までの軌跡を明らかにしている。

『蜩ノ記』解説より引用

江戸時代の話ということもあり、時代背景や登場人物などが少し難しく感じるところもありましたが、物語はとても読みやすかったです。

※以下ネタバレを(少し)含みます※

本の最後の解説ページに書いてある「その日」というのは「秋谷が切腹をしなければいけない日」であり、この記事のタイトル「命を区切られたとき、人は何を思い、いかに生きるのか」という言葉は本の帯に書かれていた言葉です。

本を読み進めていくにつれて分かってくる主人公秋谷の切腹の理由とその裏の策略、それに対する秋谷の受け止め方などが読みどころだと思いました。解説でも触れられていますが、まるで推理小説のような話の構成が面白かったです。

命が区切られたときというフレーズが自分の中でもやっと残り、考えさせられました。

命に終わりがあるということは皆分かりきっていますが、その終わりの日を知ってしまったら人はどう生きるのか検討も付きません。

物語での秋谷の生き方はとても素敵できれいだと感じたけれど、現代を生きる自分たちはそう生きるよう努めるのだろうか?そう思ってしまいます。

どう生きていくか考えるのはとても難しく、だからこそ日々の中では頭から追いやっているのかもしれない、そんな感想をもちました。

次作以降も読んでみたいです。


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