赤ちゃんを救おうとする映画 『ギヴァー/記憶を注ぐ者』『七人の侍』
昨日、
映画『ギヴァー/記憶を注ぐ者』を観ました。
原作の小説を2年くらい前に読んでいます。
その時の読後感がとても良かったのです。
原作の印象を保ちたくて、
映画を直ぐには観ませんでした。
❄️
個人的な感想ですが、
『ギヴァー』は原作の方が怖かったです。
迫りくる『注射』の恐怖とか、
徐々に『解放』の意味が分かって来る感じとか。
それでも今回映画版を観て、
はじめてそういう設定だったのか!と驚いた部分がありました。
『天候操作』されているところでした。
(表向きの理由は)飢饉が起きないよう、気象がコントロールされている近未来という舞台設定だったんです。
だからこそ、
コントロールされている結界の外の世界に雪があるというのが、大きな意味を持つんですね。なるほど。
薬物で精神の『高揚』を押さえこまれてきた
主人公ジョナスに
新鮮な感覚を与えてくれるのが雪の冷たさ、
冬の寒さだったんです。
原作の方は、
抑圧され麻痺させられた精神状態
支配コントロールされている色ない世界
ここに
色彩や光がチラチラっと現れる描写がとても
素晴らしかったです。
映画版もそこは美しく描かれていたと思います。
映画版の方は、観ているうちに映画『ガタカ』と映画『ミッドサマー』を思い出していました。
支配コントロールする側の長老会のカルトぶりが強調されていたように思います。
しょっちゅう儀式をしています。
やけに『三角』が強調されていた映画でした。
儀式でも三角モチーフが満載で、
コントロールされている街の中心にも三角の場所があります。
極めつけは支配されている場所の結界にそびえ立つのは『三角岩』なんです。
ビルマの竪琴の原作の三角山を思い出してしまいました。
支配の象徴が『三角』
これが映画版では強調されていました。
❄️
結局、ギヴァーってどんな物語なの?と
誰かに聞かれて説明するとしたら
(後先考えずに)『赤ちゃんを救おうとする話』だよ。
と答えると思います。
黒澤明監督の『七人の侍』
この映画を語り尽くすことは出来ないですが
もしかしたら、
『七人の侍』ってどんな物語なの?と聞かれた時に
印象的なシーンをひとつ挙げるなら
菊千代(三船敏郎)が赤ちゃんを救うシーンを思い出し
後先考えずに赤ちゃんを救おうとする物語だよと言えるのかも知れません。
ギヴァーのジョナスにしろ、
七人の侍の菊千代にせよ
信念と元気がある主人公はいいですね。
結界や古い因習、壁を乗り越えていく力を感じました。
映画版ギヴァーでは、ガブリエルという赤ちゃんが出てきます。
発育が悪く夜泣きがひどいので『解放』対象に選ばれてしまうのですが、
映画の中では、ジョナスと一緒に大脱走します。バイクに乗りスーパージャンプをし、岩だらけの荒野をゆき、空を飛び、滝壺に落ち、雪の中で、元気に泣き叫びます。これにはビックリです。
こんな元気な赤ちゃんいる? 赤ちゃんのスーパーアクションに大爆笑でした。
❄️
切なさの意味
注ぐほどに
愛
❄️
赤ちゃんを救いたい
その気持ちを感じるのです。
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