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スポーツで分析は当たり前?

現代における競技スポーツ

現代における競技スポーツでは、それぞれの競技の求める技術レベルが向上し、それに伴って各選手に対して求められる技術や競技力もこれまで以上に高いものとなって来ています。またチームを取り巻くサポート環境も著しく変化しており、競技をする上で関わる関係者や専門家も増えてきている状況です。
また、競技スポーツ自体のエンターテイメント性を求められるようになり、昨今のテクノロジーの進歩により、以前よりも簡単にデータを取得できるようになっていることと相まって、メディアでも様々な競技や選手に関するデータを見ることができるようになってきています。

相手もデータを知れる

簡単にデータが取得できるようになるということは、選手はもちろん、コーチトレーナーを始めとする、さまざまなチームや競技の関係者が考えるための材料を容易に入手できるなったということも意味します。これによって、選手のコンディションも予測が立てやすくなり、ある競技では試合中の心拍がメディアでリアルタイムに表示され、選手の負荷や状態もわかるようになってきました。また、撮影手法の進化に伴って、放送されている試合映像でも十分、分析に耐えうるものとなってきています。
少し前までは、自ら用意しておかないとできなかった事、知り得なかったこと、感覚的な理解しかしていなかったことが簡単に知り得てしまうということは、今までの情報や感覚、経験だけでは試合に勝利することが難しくなってきているとも言えます。

分析こそが情報戦のカギ

情報の入手が容易になってきている、つまり多くの情報を得ている状況で、そのまま活用しようとするのは、かえって混乱を招くだけになりかねません。だとすると、そのまま膨大な情報やデータをただ飲み込もうとするよりは、その膨大な情報の中から自分たちにとって必要な部分を抽出し、そしてより活用しやすい形に変化させることができたら、より勝利が近くなってくると言えます。これからの競技スポーツにおいては「分析」が重要なカギになってくると言えます。

漫然と行う分析はかえって危険

それだけ分析に対してのハードルが低くなってきているからこそ、闇雲に何でも分析すればいいというものでもありません。まずは綿密な計画と目的が必要です。なにが解決すべき課題で、どういった段階を踏んで目的達成まで持っていくのか、どういった情報もしくはデータが必要なのか、提供すべき相手は誰(選手、指導者、もしくは専門家なのか)なのか、このあたりをしっかりと考える必要があります。
また、分析したデータをフィードバックする際にも十分な注意が必要です。「分析したのだから全部見てほしい」、「まずは見てもらう」というような場面をよく目にします。分析した情報やデータは、もちろん基礎資料として戦術や状況、計画など様々な面で考える上で重要度の高いものであるのは事実です。
しかし、そのチーム、選手、指導者、スタッフがそれら情報を正しく理解できるかが重要になってきます。もし、正しく理解できないのであれば、それは提供すべきではありません。時間をかけ、情報やデータを集め、苦労した結果ではありますが、「見せない」「提供しない」というのも一つの重要な判断といえます。
データのフィードバックの中で最も怖いのが、分析結果を誤った認識のまま指導などを行ってしまう、「ミスリードの発生」です。どんなに良い内容でも、認識を間違ってしまうと、窮地に陥ってしまったり、取り返しのつかない事になってしまうことも考えられます。だからこそ、今のチームや選手を始めとする、フィードバックする相手のレベルを見極めなければならないのです。

分析が状況を変える

厳しいことを並べてきましたが、それだけ分析するということは重要であるということです。使い方を守り、ピンポイントに適合した内容を提示することができれば、窮地に陥っていた状況を一気に変えることができるのも事実です。だからこそ、分析を担う方々には、幅広い知見・知識と広い視野が必要だと言えます。そして、分析と一言で言っても、一人で全てができるわけでは有りません。チームや選手を取り巻く様々な関係者としっかりとコミュニケーションを取り、「連携する」ことが何よりも重要になってきます。
どんなに良い戦術が考えられても、その戦術を実行できるパフォーマンスが発揮できなければ意味はありません。パフォーマンスを発揮するためには、より強い肉体を作らなければなりません。極限の状況下で新たなことを実施するには、裏付けされた自信と強い精神力が必要です。そして何よりこれらを含めた状況や計画を立てることができるチームの信頼関係が必要です。
そして分析することが目的になってしまってもいけません。取り扱いがとても難しい事柄ではありますが、確実に今後の競技スポーツにおいて、必須事項であり,良い方向にも悪い方向にも簡単に転ばせてしまうことができるのが分析だと言えます。
分析をしている人、分析をこれから始めようと思ってる人はこれらを考えて、より多くの人が実行することができれば、スポーツ界はより速いスピードで進化していくと考えられます。


株式会社スポーツセンシング

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