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報道の自由の根底にあるものは?

前回話した「表現の自由」についてもう少し掘り下げます。少々難しい話になってしまいますが、大事なことです。

「表現の自由」とは、すべての見解を検閲されたり、規制されたりすることなく、表明できる権利のことです。個人が表現したり、発表したりする自由だけでなく、報道、出版、放送などの組織による自由も含まれます。

歴史を振り返ると、「表現の自由」の重要性については、主に三人の識者が主張し、社会に浸透するのに大きな役割を果たしたと見られています。

1600年代に活躍したイギリスの思想家で詩人の、ジョン・ミルトンは、その作品において、表現の自由の重要性を説きました。知識が国民の生活をよりよいものにし、検閲は影響を与える考えが広がっていくのを制限する、と考えました。

こうした考えを引き継いだのが1800年代に、「自由論」を発表した、イギリスの哲学者、ジョン・スチュアート・ミルです。自由は個人の発展に必要不可欠なものという前提に立ち、もし政府や世論によって、制限されると自らの心の中に持っている判断力を行使できないこと、そして、それは社会のにとって不利益である、と考えました。つまり、本当に人間らしくあるためには、自由に考えて話せることが必要ということです。

さらに、アメリカ連邦裁判所裁判官のオリバー・ウェンデル・ホームズ・ジュニアに引き継がれて、アメリカ連邦最高裁の理論になります。
ホームズは、「真理の最良の判定基準は、市場における競争のなかで、みずからを容認させる力をその思想が持っているかである」と述べて、いわゆる「思想の自由市場論」の重要性を力説しました。

(参考ページはこちらこちら

国民は、自由に話し、読み、聞くことで、自分を表現することができ、それによって社会に貢献できる。報道の自由の根底にあるのは、国民にいろいろな考えを知らせることで、この機能を果たものと考えられています。
アメリカ合衆国憲法修正第1条は、国民に情報を提供することによって、政府の監視役としての義務を果たすために必要な報道機関の保護を認めています。これは、「本当に知らされた国民だけが、教養ある決定を下すことができる」という考えに基づくもので、報道の役割は、敵対的なことをしてくる可能性のある政府や、国民の関心事である問題を明らかにすることです。

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