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スポーツ観戦における感動 8つの要素

「スポーツに関わる“常識破り”の価値を広めて、常識にする」を胸に、仕事をしています。

この「スポーツPR ミニミニ講義の実況中継」は
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「前例がない」「できるわけがない」「それはきれいごとだ」
などの声に負けずに挑戦している方に、ヒントになる考え方を伝えること
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を目的として、週に2,3本のペースで更新する

・スポーツ関連事業を行っている企業・組織で働く方
・スポーツ関連ビジネスの個人事業主
・現役アスリート、元アスリート

向けの短い講義です。
スポーツとは関係のない広報担当者から「スキ」をもらうこともあります。

なぜ、スポーツに関わる“常識破り”の価値を広めて、常識にしたいのか。

私はスポーツ記者を13年、その後、PR業に立場を変えて8年と、伝える仕事を20年以上続けています。その中で、言語化や仕組みづくりを進め、組織や個人が大切にしている理念が広まれば、“常識的にはありえない”ことも実現する場に立ち会ってきたからです。

例えば、私がかつて広報担当を務めた日本ブラインドサッカー協会は、前例のないスポンサーシップを行ったり、競技の価値を活かした教育プログラムや企業研修を開発し、言語化と仕組みづくりで、それらの価値が広まって、何万人もの人の心を動かすものとなりました。

この連載は、忙しいあなたが、3分以内で手軽に読んで変われるよう、ギュッと凝縮しています。価格以上の大きな効果につながる内容にしています。
移動中に読んでもいいですし、定期的な学びの時間として使って頂いてもいいです。あなたに合うスタイルでお楽しみください。

今回のテーマは「スポーツ観戦における感動 8つの要素」です。


以前にこちらで取り上げた「感動するスタジアムに欠かせない15のこと」(前編後編)が、非常に多くの方に読まれていることが分かりました。そこで今回は、感動を掘り下げ、別の研究を紹介したいと思います。

日本のスポーツ研究で感動を専門としている方といえば、東海大学体育学部講師の押見大地先生です。

押見先生は、研究により、スポーツにおける感動を8つの要素に分類しています(「スポーツ観戦における感動場面尺度」 2010年 押見大地、原田宗彦)。スポーツ観戦で、どのような場面で人が実際に感動するのか、ということを明らかにした研究はほとんどありませんでした。

今回は、その8つを紹介します。いつもより、長めになります。

①ドラマ的展開場面
- 応援しているチームが劇的な逆転勝ちをしたとき
- 応援しているチームが終了間際に逆転したとき
- 応援しているチームが優勝したとき

②卓越したプレー場面
- 卓越した個人プレーを見たとき
- 素晴らしい連携プレーを見たとき
- 素晴らしいゴールシーンを見たとき

③懸命な姿場面
- 最後まで必死に戦い抜く選手の姿を見たとき
- 応援しているチームが最後まで必死に頑張っているとき
- 応援している選手が最後まで必死に頑張っているとき

④劣勢からの活躍場面
- 控え選手が活躍しているとき
- 努力した人が活躍しているとき
- 苦難を乗り越えた選手が活躍しているとき

⑤共鳴・一体感場面
- 観客が熱狂的に応援しているのを見たとき
- 観客が懸命に応援しているのを見たとき
- 自分が会場全体と一体になって応援するとき
- 得点の際に自分も一緒に大声援に加わったとき
- 自分が他の観客と一体になって応援しているとき

⑥スタジアムライブ観戦場面
- 有名な選手を生で見たとき
- 有名なチームを生で見たとき
- 好きな選手を生で見たとき

⑦付加的要素場面
- 会場施設がとても美しかったとき
- 芝生の美しさに驚いたとき
- スタジアムの大きさに驚いたとき
- スタッフの対応が素晴らしかったとき

⑧ヒューマニティ場面
- 選手の何らかの物語(ストーリー)を共有できたとき
- インタビュー場面で選手が泣いているとき
- 負けた選手が気丈に振る舞っているとき
- 勝った選手が泣いているとき


言われてみれば、というものが並んでいるかと思います。
ここからは、私の持論になりますが、実務においては、これら研究の成果を頭に入れて、意識して取り組んでいるのかどうかで差が生まれてきます。

今回だと、①~④は選手や指導者が創り出しているものです。
入団する選手や指導者を選ぶ時に、これらの要素を体現できる人なのかを基準にすることができます。「感動するプレーを」のようなチームのスローガンを掲げているのを見かけますが、その「感動」が曖昧なまま仕事を進めているとしたら、どのように評価や改善をしていけばよいのでしょうか。

⑤~⑧は、どちらかと言うと、フロント・スタッフの側が創り出しているものです。
これも頭に入れておくと、例えば、⑧ヒューマニティ場面の具体例は、自前のSNSでの発信に活用することができます。

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