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よく使われるリサーチ方法~デプスインタビュー

リサーチ方法について、もう一つだけ、非常によく使われている方法に触れておきます。

 デプスインタビューと言います。
 対象者と聞き手による一対一の調査方法です。
 
「インタビュー」は意味がわかると思いますが、「デプス」とは、英語で「ディープ」の名詞形で「深いところ」の意味。つまり、深いところまで掘り下げて話を聞くということです。

心理や行動の背景を探る時
仮説を立てる段階で方向性やアイデアを集める時
大規模なサーベイ調査を行う前に設問の内容や項目を精査する時

このような目的で使われます。

 メリットとしては、消費者の心理や行動に関して詳しい情報を得ることができます。
 記入してもらうアンケート調査とは違って、もう少し知りたい部分は、その場で質問を追加して掘り下げることができます。話の流れの中で、行動を細かく尋ねていくと、本人が無意識にやっていることが明らかになったりもします。
 また一対一でじっくり聞くので、潜在的なニーズがわかったり、人前では話しにくいセンシティブな内容についても聞けます。
 他の人がいなくて、一人でいるので本音を引き出したり、そのことを話す時の表情を見ることもしやすいです。

 一方、デメリットとしては、まず、聞き手の技量が調査の結果に大きく影響します。
 その場で相手の反応を見ながら進めていくとか、話しやすい雰囲気をつくるとか、思い切って踏み込んだ質問をするとか、予想外の回答が来た時にどう進めるかとか。用意された質問のリストをただ順番に聞いていくだけでは、深い所には達しません。デプスインタビューではありません。
 また、対象者は一人なので、インタビューの仕方によっては、バイアス(偏見)がかかってしまう可能性もあります。そして、他の方法よりも時間やコストがかかります。

 スポーツビジネスに関するところで例を挙げると、なぜその試合に来場したのかとか、なぜそのチームやその選手のファンになったのかとか、なぜその商品を買ったのかとかを、デプスインタビューで聞き出すことによって、それをさらに生み出す打ち手に反映させることができるでしょう。

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