【進路に悩む高校生必見!!経済学部で何を学ぶ?】8.データ・統計分析編
はじめに
今回は経済学部で勉強するデータ・統計分析についてどのようなことを学ぶか解説します。進路や学部選びに迷っている高校生、学問に興味のある大人の方に向けて、現役経済学部大学生が解説、紹介します。
データ・統計分析は1つの学問というよりかは、経済学部の学生が勉強するのに重要な内容をまとめたというものです。これから紹介する内容は計量経済学と似ているので、勉強して損はないです。
前回は金融論について紹介しました。他にもいろいろな学問を紹介しているのでぜひ見ていってください。
データ・統計分析はどういう学問?
データ分析と統計分析は、現代社会においてますます重要な役割を果たしています。ビジネス、政府、医療、教育、さらには個人の日常生活まで、様々な領域でデータと統計分析が活用され、意思決定の根拠となっています。
これらの分析には確率論や統計学といった知識を必要とします。また、計量経済学と密接に関わってくる分野なので経済学には必須な学問です。
具体的にどういう学問か見ていきましょう!
具体的に紹介:回帰分析・仮説検定
データ・統計分析とはどのような内容を扱うか説明します。
データ・統計分析では、数学や統計学のツールを使用して仮説を検証します。典型的な手法には、回帰分析、時系列分析、パネルデータ分析、統計的推定などがあります。また、計量経済学に重要な手法ともかかわっているので重要な学問です。
ここでは、単回帰分析というものについて紹介します。
単回帰分析とは
経済学では、関数を用いて様々な現象を分析します。たとえば、GDPと人々の消費活動に関係式を当てはめるとすると
消費額 = $${\alpha}$$× GDP + $${\beta}$$
のような一次関数の式で表します。 $${\alpha}$$が傾きで $${\beta}$$ が切片です。「消費額」と「GDP」といった量を測ることは統計的に可能ですが、傾きと切片を測ることは難しいです。
回帰分析では、実際の統計データを用いて$${\alpha}$$、 $${\beta}$$といった値を推定していきます。たとえば、以下のような散布図からいい感じに一次関数となる直線を推定するのです。
たとえば、こういう線が引けるでしょう。
このような、関数の関係を求めることを単回帰分析といいます。計量経済学はこういった技術を用いて分析を行っていきます。もう少し深堀しましょう。
最小二乗法
どうやって先程の直線を求めることができたかについてはある方法があります。それが最小二乗法という方法です。具体的なやり方を説明するには専門的すぎる内容なので、雰囲気だけをお届けします。
この図を見てください。赤線は実際の値と推定した直線の誤差を表します。この誤差が一番小さい直線となるときが推定したい直線であるとして計算をするのが最小二乗法といいます。
なぜ二乗するの?とか直線ではなく曲線では推測しないの?などといった内容も面白いので、ここでは扱いませんが大学に入学したら、ぜひ勉強してみてください!
仮説検定をしてみよう
統計的に集めたデータから様々なことを検証します。「新プロジェクトのおかげで売上が上がったのか」「新薬の効果はあったのか」などといったことを検証する際に、統計学が役立ちます。
仮説検定とは統計的手法を用いて、ある仮説が真であるかどうかを確認するための手法です。一般的に、研究者は2つの仮説を設定します。
仮説検定では、データを用いて帰無仮説を否定するかどうかを検討します。ここで、仮説検定の流れをざっくり説明します。
本当は、検定統計量とか棄却域などといった難しい概念を使いますが、ここでは割愛します。試しに、簡易版の仮説検定を見ていきましょう。
かなり、曖昧な流れですが仮説検定はこのような手順を踏みます。
統計学については既にまとめてありますので、興味を持った方はこちらからどうぞ!!本格的に仮説検定をまとめております。
まとめ:他にはこんなことを学ぶ
以上のことから、データ・統計分析というものがどういう学問か理解できたと思います。今回は単回帰分析を紹介しましたが、変数が増える重回帰分析というものもあったりします。仮説検定では平均以外の検定も行います。
他に大学で専門的に勉強しようとすると
クロス集計表の分析
区間推定
計量経済学
などといったことを学びます。
次は経済史を紹介します!
経済学部に進路を考えている方への1つのきっかけになればいいなと願っております。最後まで見ていただきありがとうございました。
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