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Chief Reliability Officerは何に責任をもつのか【CROインタビュー】

はじめまして、この度「Chief Reliability Officer(以下CRO)」という役割としてJoinしました篠原です。

このNoteで「What is the Chief Reliability Officer」という本題はもちろんですが、そもそも「誰だろう」「何してたんだろう」「どうしてSpirにJoinしたんだろう」も合わせてお話しながら、CROという役割に込めた思いをお話できればと思っています。

MF KESSAIのCTOとして組織をけん引

2017年3月に創業したマネーフォワードケッサイ(当時MF KESSAI)というマネーフォワードのグループ会社で、創業から退任までの約5年間、取締役CTOとして継続的に事業が成長し続けられる組織や文化、そして仕組みづくりを行ってきました。

と書いてますが初期から強いメンバーに恵まれた事もあり、プロダクト開発や運用に関しての技術的選択などを含む意思決定の多くは、とても早い段階で組織が自立して意思決定していける状態になってました。

篠原 祐貴 CRO(Chief Reliability Officer)
新卒でヤフー株式会社に入社後、いくつかのスタートアップにてCTOや技術部長などを努める。その後、マネーフォワードグループのマネーフォワードケッサイ株式会社(旧MF KESSAI)に創業CTOとして参画。CTOとしてマネジメント業務のみならず、ソフトウェアエンジニア、SRE、情シス、採用担当など幅広い課題に向き合って来た

また創業時からSREとCorporate Securityにも責任を持っており期を重ねる毎にプロダクトからそれぞれへ比率を移動させてきました。

SREチームにて、サービスの信頼性を高めつづける事を大前提として、NoOpsというMissionを掲げ横断的な仕組み化自動化などを推進してきました。

コーポレートセキュリティも兼任していたこともあり、AzureADをベースとしたらID基盤やJAMF/IntuneといったMDMを利用して、エンドポイント管理・運用の効率化なども行ってきました。このあたりにコミットしていた最大の理由としては、エンドポイントを取得してから開発環境構築までの速度をいかに高めていけるかが、端末交換や新メンバー受け入れなどの際の開発効率に直結するためです。プロダクトのテクノロジーだけではなく、組織のテクノロジーにもコミットする形で歩んできました。

そのため前述した通り、初期はプロダクトに関して多くの時間をコミットしましたが、後半はゼロトラストなどをはじめ全従業員がリモートワークでも安心して安全に、そして生産性高く働ける労働環境の構築や、情報システムなどの効率的な連携によるツールに振り回されずに業務に集中できる状況を作ることをとても大切に考えてきました。

見えてきた自分がやりたい、やるべきと思うこと

創業前から退任までの5年間で様々な課題に向き合い続けてきた中で、自分の中で今後何を大切にしていきたいのかなど考えるようになりました。

プロダクトがより多くのユーザ様(企業様)に利用していただける状態になるためには、プロダクトがより早く、より高い価値を生み出し続けることは当然、重要です。そのうえで、その価値を届けたりサポートしたりするセールス、マーケティング、CSが、より効率的に必要なデータにたどり着けること、つまり、一つ一つのアクションを高速化し、高品質化していくことはさらに重要だと考えています。

つまり、プロダクトデリバリーに関わるテクノロジーはもちろんですが、組織の様々なオペレーションに関わるテクノロジーに対しても、高いレベルでのソフトウェアエンジニアリングの投資をしていくことが、CTOの重要な役割だと僕自身は考えるようになりました。

プロダクトを通して生み出される価値がより速くより最大化していくことはとても重要です。しかしプロダクトに関わる一人ひとりのメンバーを通して会社を信頼できないと思われてしまえば、どんなに良い価値であっても利用していただけないリスクもある。そのため個人として次のキャリアを考える際には、プロダクトだけではなく、組織全体に対してのテクノロジー投資や文化作りを大切にして行動したいと思うようになったのです。

35歳で転職。次の5年10年どうするかを本気で悩む時間を作って考えた

2021年11月末の退任後すぐに退職したわけではなく、半年後の5月を退職日とすることは決めていました。その時点では次は決まっていませんでしたが、次にやりたいと思えることに出会えるまではのんびり考えようと思っていました。

例えばMeetyでページを公開して色々な企業の方と出会ったり、知り合いの繋がりでお話を伺ったりするなど、本当に色々な手段で、「どんな事業が世の中に存在しているのか」「自分の中で大切だと思う価値観は何か」「どんな会社(フェーズ、規模、メンバー、文化)」など、「次」を決めるために、自分の中での「次」に対しての考えを整理し続けていました。

Spirが「レッドオーシャン」でどう戦うのか興味を持った

最終的にはSpirにJoinしたのですが、最初は色々お話させてもらった企業様の中の一社でした。それこそMeety経由で、大山(CEO)から連絡をもらった事がきっかけです。

前職で、採用で発生する日程調整オペレーションを効率化する際にCalendlyを導入していたので、Spirの事はβローンチしたときから知ってはいました。

最近ではGoogleカレンダーからも日程調整機能が登場するなど、競合も多くレッドオーシャンだろうなくらいに感じていました。だからこそ、逆に、どうして日程調整なのか、そして今後レッドオーシャンの中でどのように戦って行くのか気になっていたので、Meetyで聞いてみようくらいの気持ちでした。

僕の中ではこれまでの役割にこだわりは無かったので、役割の話ではなく、何をするか、どうやったら今の会社で実現できるか、そしてそれは本当に今のフェーズで投資する必要がある事なのかを、Spirを含めた数社様とお話してきました。

グローバル化の本気度をCTOに感じた

Spirのメンバーや大山と色々話を重ねていく中で、現時点ではPLG型で投資をしていくこと、グローバル化を早期実現することが、このレッドオーシャンの中を生き抜き、そして飛び抜けていくためには必要という話を受け、とてもSpirへの関心が強くなりました。

それは思いだけではなく採用にも現れており、グローバルなテック企業になっていくために、CTOとしてIzzyを採用するなど本気度が伝わってきました。それ以外では10名と少ない企業、まだシード期など様々な小さい要因はありますが、僕が最終的にSpirに決めた理由は、このCTOの採用がとても大きいと思っています。

Chief Reliability Officerに込めた想いと実現したい世界観

PLG/SLGどちらであっても、プロダクトで戦うのですから、プロダクト自体の価値向上や変化の速さはとても重要です。

いずれはSLGとのハイブリットな状態にはなる可能性もありますが、現時点としてはユニバーサルに使われるPLGプロダクトにしていくことを会社としてメッセージを発信してしていることもあり、採用でもプロダクトに関わる観点に多く投資をしています。

だからこそ、Spirの価値は強くなり続けると信じています。ただ一方で、個人利用していた人や少人数で利用していた組織が、徐々に規模が拡大していくことになると、そもそもSpirという会社は信頼できるできるのか?という点が大切になってきます。

プロダクトがどんなに良くても、Spirで働く一人一人が信頼できない状態だったり、組織が信頼できない状態だと、信頼できない会社のプロダクトを会社として導入できないと判断をされてしまうことは不可避でしょう。

毎週木曜はオフィス出社日。この日はCTOのizzyと向かい合わせで

プロダクトの価値の最大化はCTOのIzzyが実現してくれると信じているので、僕は、これまでの経験を全て生かし、その価値を信頼してもらえる状態に作っていこうと考えました。

タイトルを付けない判断もありましたが、会社として信頼へのコミットが大切だと考えていることを対外的に発信していく目的も兼ねて、Reliabilityに責任を持つ「Chief Reliability Officer」というタイトルにしました。

まずは信頼できる組織づくり

とはいえ、まだまだSpirは10名ほどの会社で、何も整っておらず、プロダクトも始まったばかりで課題は多い。プロダクトを成長させていくことが今は最重要。

SREとして、まずはDevSecOpsの整備と高速化を進め、サービスが信頼できる状態を築きあげていくこと、コーポレートセキュリティ領域にコミットして、会社全体が信頼される状態をつくりながらも、ひとりひとりの生産性が高まる土台や文化の初期段階をつくっていくことに取り組んでいきます。

採用情報はこちらから

https://support.spirinc.com/ja/recruit


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