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今の生成AIは本当に社会に寄り添えているか。AIの社会実装の課題と対策

AIの技術は急速に進歩しています。この進化についていけず、AIに対する不安を感じる人も多いかもしれません。

Spiral.AI株式会社のCOO周は、AI技術に不安を抱く人が多いなかで、技術に依存したサービスを提供するだけではAIの社会実装を妨げる可能性があると指摘しています。現在、AIの急速な進化に不安が持たれていますが、その中でこそ人間主体のサービス提供をしていかなければなりません。

また、AI市場が成長するためには、AI業界全体がユーザー志向の社会実装を推進する必要があります。

この記事では、Spiral.AI株式会社COOの周氏にAIの社会実装に関する課題と対策について話を聞きました。

プロフィール

周 涵 / COO
大阪大学経済学部卒業。中国生まれの、日本育ち。日中英トリリンガル。 マッキンゼー・アンド・カンパニーにおいて、複数の国・地域に跨って、テクノロジーのビジネス活用に関する取り組みに従事。
その後、AIエンジニアリング事業に取り組むニューラルポケット株式会社に参画。営業/事業アライアンス/各種ビジネス領域の責任者である取締役COOとして、多くのの新規プロダクト・サービスの立ち上げをリード。
Xアカウント:https://twitter.com/zhouhan0122

技術に依存して社会への寄り添いを忘れているのではないか

— AIが社会に普及するために、現在課題だと思っていることはなんですか?

今のAI技術の進歩は間違いなくすごいのですが、その技術のすごさに依存しきっている面があると思うんですよね。技術がすごければ自然に社会に受け入れられると思い込んでいる節があると思っていて。

実際にAIのツールを紹介して、「今AIを使わないと乗り遅れるぞ」みたいに煽る人がいるじゃないですか。たしかに、AIを使ったほうが便利になるのも事実ですが、AIを使っていないことや世の中に普及していないことが、リテラシーが低いからだとか、捉え方がおかしいからだと決めつけるのは、必ずしも正しくないと思うんですよね。

— たしかに、今のAIの進化が早すぎて乗り遅れてしまうかも?という不安があります。

そうですよね。現在、多くのAI企業が社会を変えるとか革命を掲げています。しかし、本当に世の中を実際変えるべくユーザーに十分寄り添えているでしょうか。自戒を含め、今のAI業界だとユーザーに寄り添う部分が弱いと思うんですよね。

— ユーザーに寄り添う視点を持つことが、AIが社会に普及するために必要ということですね。

はい。もしユーザーに寄り添えることができていたら、AIはもっと普及していると思うんです。まだ十分に普及していないのには、必ず理由がある。その理由はAIを利用するユーザー側にも課題はあるかもしれませんが、AIを提供する企業側にも大きな課題があると思います。その課題を見つめる観点が欠落している状態では、どこかでAIの普及が止まってしまうのではないでしょうか。

AIを社会実装する鍵は「人間主体のサービス提供」


— AIの普及が止まってしまう壁を超えるためにはどうすればいいのでしょうか?

AIが普及するための壁を超えるためには、テクノロジー側にいる人間が修正しないといけない部分があるのだと思います。その観点を私達は忘れてはいけない。

今、AIの情報がひとり歩きして、「自分の仕事がなくなってしまうんじゃないか」「乗り遅れてしまうんじゃないか」など不安に思っている人もたくさんいらっしゃると思います。不安だけど、AIって正直よくわからないし、そんなに使ってみたいわけじゃないんだよなと悶々としている人もたくさんいる。

そんな方々のために、人間主体、人間本位でサービスを提供していかなければならないと思っています。

— 「人間主体」のサービス提供が、AIの社会実装に必要不可欠ということですね。

人間主体でサービスを提供していかないと、AIを社会実装できないと思うんですよね。社会って人間が構成している集合体なので、人間を主体としたサービスにしないと社会で受容されることはないと思う。技術的にいいものは作れるかもしれないけれども、社会に受容されないとそれは技術に関わる会社・組織の自己満足でしかなくなってしまいます。

技術の会社の自己満足を超えて、技術と縁遠い人でも「使える・使ってみたい」と思ってもらえるサービスにするには、人間主体じゃないとだめだと思うんです。

AIが再び冬の時代を迎えないために、業界全体で社会実装を進めていくべき


— まさにAI業界全体に必要な視点であると思います。

AI業界は、本来アーリーな領域なので、業界全体を盛り上げていかなければいけません。アーリーな領域ですが、無事花が開いたらとてつもなく市場が大きいのがわかりきっているマーケットです。

なので、Spiral.AIだけが勝つみたいなスタンスではなく、業界全体を盛り上げないといけないと思っています。僕はAI業界の可能性を強く信じています。信じているからこそ、再び冬の時代を絶対に迎えさせてはいけない。今の生成AI技術の持つポテンシャルは、冬の時代を迎えさせるにはあまりにももったいない、と思っています。

— 冬の時代を迎えさせないために、AI企業はどう考えていけばいいでしょうか。

これからは、AIに関わる事業者全員が視座を上げて、AIがいかにうまく社会に受容させるか・社会実装していくかというところに頭を捻るべきです。AIの社会実装を阻害するような動きは減らしていかなければ行けないと思っています。AIの社会実装を進め、社会実装を阻害する要素を減らしていけるような同志的な仲間を増やしていきたいと思っています。

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