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パートナーと互いの故郷を訪ねよう

私の妻は中国人で、今年で結婚7年目になります。妻は社会人になると同時に単身来日し、何の因果か私と会うことになるのですが、育ってきた環境が完全に異なるので当初は相当コミュニケーションに苦労しました。その打開策としては一緒にムーミンのアニメを見るとかw旅行をするとか色々あるのですが、今回は結婚前に妻の故郷を訪ねた話と、私の故郷を訪ねた話をしようと思います。

下記の記事にもあるように、妻は中国の東北地方、瀋陽の出身です。先方の親へのご挨拶と旅行を兼ねて、実家は勿論その周辺の街や大連(瀋陽から電車で4時間)を案内してもらったことがありました。そして特に印象的だったのが、瀋陽の小学校、中学校、大連の大学を案内してもらったことです。

学校を巡りながら、どんな学生生活だったのかを話してもらいます。どうして日本で、ソフトウェア業界で働こうと思ったのか。そのルーツを意識しながら話を聞いていました。色々と将来の職業について選択肢がある中で、自分の好みで1つの進路を選ぶものだと私は思っていましたが、そもそも選択肢がそんなにないらしいのです。

瀋陽と言えば旧満州国であり、日本と関わりのある人が多く住んでいます。妻も例に漏れず、家族から日本のことを聞いて育つうちに、日本に行きたいと思うようになったようです。中国では色々と不自由なことが多く、中国は嫌いだと言っています(苦笑)。日本に行ける道は、庭師になるかw、ソフトウェアを学ぶかしかなかった。妻はやや芸術家肌で一匹狼風のところがあるので庭師も案外良かったんじゃないかと私は言いましたが、もちろん冗談です。庭師になっていたら少なくとも私と会うことはなかったでしょう。

なんにせよ、妻には選択肢がありませんでした。学校では、部活みたいなものもほぼなかったと言っています。それだけ受験競争が熾烈な社会だということです。それでもそういう環境なりに色々と思い出があり、学校の風景や小さい頃の写真と重ね合わせて話を聞くことによって、当時の情景が目に見えたような気がしました。

一方で私のほうは、小さい頃に何回か引っ越しをしています。生まれは東京の病院で、記憶はほぼないのですがロンドンに住んでいたことがあり、茨城県取手市(小学校低学年)、兵庫県三田市(2つの小学校を経験)、そして社会人からはまた東京です。ロンドンと茨城県については本当に記憶が希薄なので、私自身も新鮮な気持ちで楽しめるだろうということもあり、結婚後に妻を連れて旅行中に立ち寄ることにしました。

ロンドンでのことは、小さい頃から親に聞かされていた情報が頼りです。昔住んでいたという家に行ってみると、なんとまだ現存していました(写真を親に見てもらって判明、びっくり!)。あらゆる方向から家をジロジロ見たり写真を撮ったりしていると、そのへんにいた人から「この家を買うのかい?」と聞かれました(汗)こちらの人は古い家を大事にすると言いますから、この分だと町並み自体があまり変わっていないのかもしれません。周辺の風景を目に焼き付けながら、歩き回りました。

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ロンドン住居の最寄り駅周辺の風景

茨城県では、幼稚園と小学校を見に行きました。こちらは薄っすらと記憶があるので、色々説明しながら見て回ることができましたが、通学路の分からなさには呆れてしまいました。学校から辿っていけば昔住んでいた家も分かるだろうと思ったのですが、やはり小さい頃に歩いて見ていた風景と、車から見る風景では全く違うようです。まぁそれは残念でしたが、30年以上ぶりに見た校舎はほんとに懐かしかったです。忘れていたことも色々と思い出しました。

また、これは妻と行ったわけではありませんが、母方の祖父が台湾出身なので、家族で台湾旅行に訪れた際に祖父の生まれた家(があった場所)に行ったことがあります。祖父は、これからは中国の時代だと言っていました。そういうこともあってもともと中国には興味があり、ワイルド・スワンや、大地の子など好んで読んでいました。そういえば大地の子は山崎豊子の小説ですが、なぜか今頃になって漫画化されたようですね。

このように、パートナーの故郷ゆかりの作家や、その地域の歴史を勉強するのも楽しいです。むしろ自分の故郷を知ることのほうが難しいと思います。自分の故郷って生活レベルで体得してしまっているので説明するのも難しいし、歴史や制度など客観的なこととなると全然知らなかったりするものです。
だからパートナーのことをお互いが知るには、相手の故郷だけではなく自分の故郷にも興味を持つ必要があります。大人になった自分の知識を持って双方の故郷を見れば、ふたりとも気づかなかったことを再発見できるかもしれません。

今回の記事は、お題企画「#この街がすき」に投稿しています。パートナーや家族ゆかりの街は、それがどんな街であれ、自分にとっても重要なところです。行ってみて損はないので、皆さんもぜひ試してみてください。

ではでは。

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