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【サスペンス】最近見た映画の話。【ホラー】

やっほー。私です。
今回も最近見た映画の話をするよ。前回と同じく超個人的視点での感想なので、全然違う感想の人もいると思うけど、人の感性ってそれぞれだから。
ね。

あとネタバレを含んでいますので、これから見る人は注意。


■キャラクター ★★★★☆(星4)

サスペンス映画です。主演は菅田将暉、そして存在感抜群の殺人鬼役はまさかのSEKAI NO OWARIのFukase。
その他に高畑充希、中村獅童、小栗旬などが出演していてキャスティングが豪華。

・あらすじ

菅田将暉演じる漫画家志望の山城がたまたま殺人現場を目撃してしまうところから物語は始まる。
山城は優れた画力の持ち主だが、控えめでお人好しな俗に言う「いい人」で、サスペンスものの漫画を描いているのにキャラクターに魅力がない。アシスタントを担当している漫画家からも「あいつはお人好しのいいヤツだから、悪人が描けない。それが致命的だ」と評価されていた。

そんな山城はたまたま居合わせた殺人現場で、殺人犯・両角を目撃する。
だが山城は警察にそのことを言わず、それどころか両角をモデルにした殺人鬼・ダガーを主役としたサスペンス漫画「34」を制作。これがとんでもないヒットを叩き出す。
夢の売れっ子作家になった山城だが、やがて「34」の内容通りに連続殺人が発生する。


・菅田将暉をFukaseが食った!

Fukaseが期待以上の演技力を発揮していて、その存在感たるや主演の菅田将暉を食ってしまっている。
まさかFukaseがこれほどの才能を発揮するとは思わなかった。

なんかちょっと失礼な言い方だけど、「こういうサイコ野郎って本当にいそうだな…」って思う。
Fukaseのビジュアルがこれまたこのストーリーに絶妙に合っている。彼があのビジュアルだからオファーされたんじゃなかろうか。
それくらい両角のキャラクターとFukaseのビジュアルがマッチしている

山城が描く漫画「34」の劇中漫画は江野スミさんが担当しており、その抜群の画力によって素晴らしい完成度に仕上がっている。
Fukaseを見事に漫画のキャラクターとして描きあげていて素晴らしい。
いやもう本当に「34」として発売してほしい。
ちなみに山城がアシスタントをしている漫画家・本庄の劇中漫画は「ライチ☆光クラブ」でお馴染みの古屋兎丸さんが担当しており、劇中漫画だけでも超絶豪華である。

全体的にFukaseのキャラクター性というか、絶妙な二次元っぽさを彼が持っているからこそこの映画は成り立っている気がする。
まさに「キャラクター」というタイトルに相応しい。


・山城は「いい人」なのか?

個人的に山城は「いい人面してるだけ」であって、これっぽっちも善人ではないと思う。
自分が魅力的なキャラクターを生み出せずに才能を持て余していたタイミングで殺人現場を目撃した山城。普通ならメンタルが弱っている時に殺人現場を見るなんて最悪だし、さらに殺人鬼の姿を目撃してるなんて怖すぎてすぐに警察に言うはずだ。だが山城はそれをネタにして漫画を描いてやろうと思い立ち、警察に犯人を見たことを言わないこれがそもそも常人の考えではない。

切羽詰まった人間は何でもするものなんだろうけど、それでも普通は「自分も犯人に顔を見られているかも」「だとしたら報復される可能性がある」「自分の身近なひとに危険が迫ったらどうしよう」と考えるはずで、そんなことを1ミリも考えずに「漫画のネタにしてやろう、実在の殺人鬼をモデルにすれば臨場感が出て魅力的なキャラクターが描けるはず」なんて思うのは、彼が先天的な善人などではないことを表していると思う。


・唯一の残念ポイント

主人公・山城を演じた菅田将暉も役にぴったりで、Fukaseは先述の通り素晴らしい。脇を固める俳優陣も豪華で華があるし、全体的な脚本や演出、進行もいい。
ただ唯一の残念ポイントは、殺人鬼・両角に関連する宗教に関する描写が不十分だったところ。

殺人鬼・両角は独特な宗教観を持つ新興宗教の信者の二世で、殺人にはそのことが深く関わっている。彼の価値観を歪ませて、最終的に殺人犯にしてしまった原因がこの宗教にあるのだが、そこの描写が薄い。
「なんか知らんけどこういう価値観の宗教なんです」で終わってしまい、急にそこだけ薄っぺらい仕上がりになっていたのが残念。
ただ、映画の2時間前後という時間の制約を考えるとここを掘り下げるのは難しいのかもしれない。
この残念さは「さんかく窓の外側は夜」と同じものを感じる。
この「さんかく窓の外側は夜」もメインキャラの背景に新興宗教が絡むのだが、同じように描写が薄い。
時間の都合上かなり難しいのはわかるけど、そこだけが残念だった。

あともう一つツッコむとしたら、最終局面で山城と両角が対峙するシーン。
山城は自分の実家が最後のターゲットになるという最終話を描くことによって、両角を実家におびき寄せようと計画。
当然警備の警察が待機しており、実家にやってきた両角を逮捕する算段だったが、両角は山城の実家ではなく妊娠中の山城の妻を襲いにかかる。
「だって一番大切なのは実家の方の家族じゃなくて自分で築いた家族でしょ」ってことなんだけど、妻がいる山城の家は警備ゼロ

いやいやいやいや!!おかしいだろ!!!!!
いくら実家におびき寄せたとしても、サイコのやることなんだから素直に実家に凸するとは考えにくいことくらいわかるじゃん。
仮に両角が素直に引っかかって実家にやって来たとしても、山城の妻に警備をつけないのは流石におかしすぎる。
いやあっさり捕まったらストーリーが成り立たないからそうしたのはわかるんだけど、普通に考えれば山城の妻に警備をつけないのはおかしすぎる


とまあ色々書きましたが、総評としては期待以上の仕上がりだったので星4。

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■ウィリーズ・ワンダーランド ★★★★☆(星4)

原題はWilly's Wonderland。
主演はニコラス・ケイジ。最初はよくある設定のしょうもないホラーかと思ったけど、まさかの方向に展開して驚愕。

・あらすじ

ある男(ニコラス・ケイジ)が車を走らせていると、道に置かれたスパイクのせいでタイヤがパンクしてしまう。立ち往生しているとお喋りなおっさん・ジェドが通りかかり、車を直してくれるという。
費用として現金で約10万円を請求されるが、ATMは壊れているし手持ちの現金もあまりない。するとジェドが「働き口を紹介してやるから、そこで働いて払ってくれ」と言い出す。
ジェドに紹介された仕事はもはや廃墟の遊園地「ウィリーズ・ワンダーランド」での清掃。支配人のテックス曰く「施設を再開したいから、一晩掃除してくれれば修理代を全額肩代わりする」とのこと。
男は承諾し、一晩だけウィリーズ・ワンダーランドで働くことになるが…。


・ホラーなのにまさかのコメディ

まず斬新なのが、あのニコラス・ケイジに一切セリフがないというところ。
めちゃくちゃ寡黙で尋常じゃないレベルの無口という役柄で、本当に一切セリフがない。ちなみに役の名前も出てこない

そんなニコラス・ケイジ演じる男は一定の時間で仕事(掃除)と休憩を狂いなく繰り返すのだが、その丁寧な仕事っぷりときたらプロの清掃業か?と思うレベル。
そんな男に突如園内のロボット(アニマトロニクス)が襲いかかってくる
なんで機械が襲ってくるのかというと、そのロボには悪魔崇拝者たちの魂が入っているから。どこかで聞いた話だと思いませんか。
そう、「チャイルド・プレイ」と同じ設定

「チャイルド・プレイ」は黒魔術の知識があった殺人鬼が死ぬ間際に黒魔術によって人形に自分の魂をうつしたことで殺人人形・チャッキーが爆誕するのだが、こちらは悪魔崇拝の殺人集団が複数体のロボットに魂をうつしたことで、まさかの殺人ロボット軍団が爆誕してしまう。

が、「チャイルド・プレイ」と決定的に違うのは、主人公のニコラス・ケイジがメンタルもフィジカルも異常なほど強いこと。
襲ってきたアニマトロニクス達を容赦なくボッコボコに殴り倒し、返り血ならぬ返りオイルを浴びるシーンは笑ってしまった。

そしてこの男、どんな緊迫した状況でも絶対に仕事と休憩の間隔を崩さない。もはやどっちがロボットなんだと言いたくなる。


・ホラーのお約束が笑える

さて、もう一つの見どころは「ホラー映画あるある」を完全にネタとしてぶっこんでいるところ。

・準主演のグループ内の女に惚れてる男がいる
→あるあるだよね。その子の言いなりになっちゃう男。

・自己主張の強い女に振り回されるグループメンバー
→この映画もリブという女(準主演)に友人たちが振り回されます。

・強いのかと思いきや序盤で死ぬ男メンバー
→パッと見屈強そうなやつ最初に殺られがち。

・カップルいきなりセックスしがち
→なんでこの状況でムラムラした??なんで今ヤろうと思った?

・そのカップル死にがち
→もちろん行為中に殺られる。超恥ずかしい。

…とまあ、こすり倒されてきた「ホラー映画あるある」をネタ的にぶっこんでいるのでそこも笑える。


ホラーなのに笑える展開と、ニコラス・ケイジの怪演が面白すぎたので総評としては星4。
チカチカするシーンがあるので、気分悪くならないように(ポリゴンショックにならないように)気をつけてください。


さて、今回は夏なのでちょっと怖いのを紹介しました。
両方ともアマプラで見られます(2022年7月現在)。
夏休みは映画を見よう!!

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