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起業家精神をもつ子供達は幸福感も高くなる!/平井由紀子さん(株式会社セルフウイング 代表取締役)

平井由紀子さん プロフィール

株式会社セルフウイング代表取締役
起業家教育研究家

早稲田大学商学部在学中にアメリカに留学、卒業。 留学関連企業を経て、アメリカの教育ベンチャー日本法人に転職、Managing Directorを務める。 在職中、早稲田大学アジア太平洋研究科に入学。
2000年、早稲田大学発ベンチャーとして2000年に 株式会社セルフウイングを設立。 2008年、起業家教育にて中小企業長官表彰を受賞。
2011年、日本で初めて早期起業家教育の研究で博士課程修了し学術博士号を取得。
2016年、ベトナムにSELFWING VIET NAM CO.,LTDを設立。ベトナムダナン市の発展に貢献したとして、 ダナン市政府より多数表彰。

(豊田)
こんにちは!スパイスアップ・ジャパン代表の豊田圭一です。

「人事」のHRと「トランスフォーメーション」のXを掛け合わせて「HR-X」と名付けた当チャンネルは、「トランスフォーメーション人材で組織を変革する」をスローガンに、「人事」と「トランスフォーメーション」、つまり「変革」というキーワードで様々な取り組みをしているゲストをお迎えしてお話を伺っていきたいと思います。

さて、最近、「変革!」「変革!」と言われますが、変革の時代に必要な力はなんでしょうか?

一つのキーワードは、失敗を恐れずに新しいことにチャレンジをしようとするアントレプレナーシップ、つまり起業家精神ではないかと思っています。

そこで今回のゲスト、Ms. Xには、早期起業家教育の研究家で、株式会社セルフウイング代表取締役の平井由紀子さんをお迎えしました。

平井さん、こんにちは!よろしくお願いします。

(平井さん)
こんにちは!よろしくお願いします。

(豊田)
平井さんとは随分長くお付き合いさせていただいていますけど、改めて自己紹介をお願いしてもいいでしょうか?

(平井さん)
はい、もちろんです。
耳慣れない言葉かもしれないですが、早期起業家教育の研究を始めて21年になります。

(豊田)
研究家ですね!

(平井さん)
でもバックグラウンドは日本の会社に10年勤めて、その後外資系に5年勤めまして、外資系にいるときに「早期起業家教育」というのに出会いまして、社会人大学院生になりました。
そこでの研究が終わって、2000年に今の日本の法人セルフウイングを創業しました。
もう1個チャレンジしようかなということで、2016年に紆余曲折ありましたが、ベトナム・ダナンという土地にご縁をいただいて、今は幼児教育と教育施設を運営しております。
そんなことをしておりますが、どうぞよろしくお願いします。

(豊田)
はい、よろしくお願いします。
セルフウイングさんを立ち上げてから、もう21年になるんですね。
長く早期起業家教育をやってらっしゃいますけど、そもそも早期起業家教育に興味を持つきっかけはどこにあったんですか?

早期起業家教育に興味を持ったキッカケ

(平井さん)
はい、外資系企業で新規事業の担当だったんですね。
新規事業やっているときに、なかなか新規事業が立ち上がらないとか、そもそも創業するなんて危ないからやめなさい!というのが当時の社会環境だったんですね。
銀行に行って、新しい会社を分社化するんですけどというと、資本金をお預かりするためには実績が必要とか言われたんですが、いやいや今から実績を作るって言ってるんだ!みたいなやり取りがあって、外資だったのでオーナーも株主もアメリカ人なので、「平井、この国大変だね。お金貸してくれじゃなく、預けるのすらダメか。。」みたいなところから、「たくさん創業者が出ている国ではどうなっているんですか?」と聞いたら、「小学校の時からそんなこと身近にあるから別に当たり前なんだよ」という発言に興味を持ったので、早期起業家教育の研究を始めました。

(豊田)
それ、国はどこですか?アメリカですか?

(平井さん)
そうです、アメリカですね。

(豊田)
ちなみにアメリカでは早期起業家教育という言葉があるんですか?
それとも早期とかは関係ないんですか?

(平井さん)
私が知っている限りでは、関係ないですね。

(豊田)
じゃあ、早いうちからアントレプレナーシップを学べる環境、プログラムがあったりということなんですね。

(平井さん)
もう一大産業です。
私、視察に行ったときには"How to set up your own company for kids"みたいな教材がありとあらゆるところにありました。

(豊田)
そうなんですね。
さっき仰った話と同じように、私もスパイスアップ・ジャパンという会社を立ち上げるとき、口座開設すらできないですからね。

(平井さん)
そうですね、よく分かります。

(豊田)
実績は、、、立ち上げたばっかりなんですけどって言いながら。
色々難しいですよね。
平井さんにお聞きしたかったのが、早期起業家教育の前に起業家精神ってなんですか?

起業家精神とは?

(平井さん)
すごく難しいですよね。
子供の定義と大人の定義ってちょっと違うんですけど、アントレプレナーシップと言いますけど、起業家にだけ必要な精神ではなくて、「起業家的な考え方をしましょう!」ということなので、どの職業に就く人にも必要な精神ですよ!ということなんですが、言葉で言ってしまうと簡単なんですけど、今あることに満足しないで変革をしていきましょう!とか、古くは100年も前に創造的な破壊な言葉を仰ったシュンペーター先生もいらっしゃいますけど、創造的に破壊をしながら新しいものを作っていける人という風に考えていて、それを日本的に子供に落としていった時にどんなことをベースに作ることが一番いいのかしらということを研究しました。

(豊田)
僕は大学の時、経済学部の卒論がシュンペーターだったんですよ。

(平井さん)
素晴らしい!

(豊田)
その時、創造的破壊とかそういう話は聞きましたけど、とはいえ起業家精神を学ぶとか教育するとかって今でもなかなかできていないってことだと思うので、平井さんのやっている仕事って日本にとっても、あるいは日本だけじゃなく誰にとって重要なことかなという風に思っているんですけど、僕がすごく興味関心があるのは「それってどうやって身に付けることができるの?」っていうことはすごく聞きたいところだったんですね。

(平井さん)
そうですね、元々日本はとても起業家的な精神のある国と言われていたんですね。
それはやはりこれだけ自営業者が多い国で、100年企業が世界一多くてみたいな話になってくると、そうだったけど、国が発展していくと別に自分でやらなくても属する組織も増えてきたしってなって、ちょっと今は日本、「起業家精神お休みしてきた」という感じかなと思っているんですね。
当社では早期とは小学生(9歳)からと定義をしているんですけど、どうすることが一番良いんだろうということを色々試しました。
例えば起業家ゲームもあるし、起業家カードゲームもあるし、色々なものを試していって研究した1つが「実社会の人と接しているプログラムは効果が高い」です。
あと、子供だからといって子供用のプログラムではなくて、きちんと大人と同じことをやることで学習効果が高いみたいなものがいくつかあるんです。
今は会社を作ろうっといって、作るところから色々ステップがあって、最後決算をして、社会貢献までというプロセスをさせるんですけど、それは起業家教育だから会社の作り方を教えているということではないんです。

(豊田)
聞いていると、そんな風にやるんだ、そうなんだって思いながらもそんなことできるんですか?
子供向けに実際に会社を作ったり、運営したりとかってどうやってやってるのかなと思いまして。

子供向け起業家教育の工夫

(平井さん)
実はですね、大学院生と同じことを頑張っています。
ただ、教材とか言葉を子供語に翻訳をしたという風にだけ思っていて、そういう意味では1つにはよく「失敗を恐れずに行動しなさい」ということを言うんですけど、それってやってみないと分からないですよね。
会社を作るプロセスには当然不確実なことが起こるので、子供たちがそのプロセスをやると必ず失敗が起こるようにできているんですよ。
プログラムの中で必ず失敗するように設計されているので、そこで何度も良い失敗をすることによって、失敗を恐れなくなります。
それからビジネスは数字を使うので、大人が評価しないんです。
私が金賞を付けるわけではないです。
万国共通の数字で分かることと、それから会社には必ず役割がありますよね。
だから算数が得意な子は会計をやればいいし、絵を描くのが得意な子はポスター描けばいいしという、大人の言葉で言うとコンピテンシーと言うんですか。
自分の得意なところが必ず見つかるようになっていて、自己肯定感が高くなっていきます。

(豊田)
強みを活かして弱みを補い合うというチームで取り組みということですね。

(平井さん)
人事の皆さんが一連の流れを思い出す時に、そう言われてみたら毎日の会社の活動ってそうだよなっていうことだと思うんですね。
あと幸福感が強い子はチームワークを作りやすいという研究があって、人との違いが分かるので先ほど補い合うという言葉がありましたけど、チームワークが良い会社はP/Lが良いんですよ。

(豊田)
そうなんですね。それも研究で出ちゃってるって面白いですね。

(平井さん)
頑張りましたよ!

(豊田)
ちなみに平井さんがやっている早期起業家教育の中で、チームや組織を作る時は何人ぐらいでやるんですか?

(平井さん)
5人から6人ですが、その時に会社分裂したりもするわけですよ。
友達同士で嫌だといって、3人になったりすることもあるんですよ。
じゃあ、どうしようか?1人で2つやった方がいいのかなとか、隣の会社からスカウトしてこようとか、紆余曲折あるんですね。

(豊田)
その時、大人はどんなサポートをするんですか?

(平井さん)
素晴らしい!
なぜ子供が細かい事業計画をできるかというと、これまさしく大人がどういうサポートをするかによってというところがプログラム成功の秘訣なんですね。
ですから研究の結果、小学生以下で起業家的な精神を得た子供たちは、大人になってからの幸福感も生涯年収もいい結果が出るということは分かっているんですけど、それを支えるのは指導者、まさしく大人なんですね。

(豊田)
関わる大人の資質も問われそうですよね。

(平井さん)
大人の資質は問われますよ。
なので、前、人事部の方が子供を指導している社員の指導方法、コミュニケーションの取り方、モチベーションの持たせ方など全部チェックしていました。
子供を指導するってリーダーシップも必要だし、上辺だけ褒めたら絶対バレますからね。
そういうこと全てをちゃんと指導できることを人事部が見ていて、「この人にはこういう資質があるんだ」と大人も一緒に勉強できる、1粒で2度3度おいしいプログラムです。

(豊田)
9歳から上は何歳くらいまでやってるんですか?

(平井さん)
小中学生ぐらいまでです。
最初は社員教育から始まって、だんだん下に下げていったということがありますので、プログラム的には継続が大事なので、最近は小中学生に集中しているので、「リトルリーグは頑張っておくので、あとは甲子園はよろしくね!」と言って、高等教育の専門家にお繋ぎしています。

(豊田)
そうなんですね。
このチャンネルは、人事と変革がキーワードなのでどちらかというと大人向けの話なのですが、子供にも起業家精神、アントレプレナーシップは欲しいところだと思うんですが、大人も起業家教育で変わるものですか?
それはどうやったらいいのかなみたいなところはいかがでしょうか。

(平井さん)
良い質問ですね。
大人になっても、起業家教育っていくつかあって、非認知能力と言われる、点数では計れないメンタリティを育てる部分、それからもちろん起業の知識をやるものと、あとはスキルを教えることです。
私たちは「マインド」「ナレッジ」「スキル」の3つに分けて考えているんですけど、大人になってからできるベンチャー論、起業家論というのは知識とスキルを入れていくんですよね。
だけれども安心してください、非認知能力は大人になってからでも十分伸びます。

(豊田)
私でも付きますでしょうか?

(平井さん)
もう十分あると思うんですけど(笑)
どういう風に付くかというのを検証したんですね。
この起業家教育を色々な国や地域で展開している時に、街の青年部とか保護者、学校の先生に指導者をやっていただきました。
その時に大人は自分でこういうプログラムを受けてもいいんですけど、逆に合う年齢になったら人に教えることを「Consulting based learning」と呼んでいるんですけど、人に教えることによって、グッと自信と非認知能力が伸びました。

(豊田)
人に教えるってなったら、その分自分も相当インプットしたり、教えるために考えたりしなければいけないので、教えることが1番学べますからね。

(平井さん)
そうですね。
新入社員からベテランまでの方に先生になってもらいましたけど、本当にどの人も柔らかい頭でご指導いただきました。

(豊田)
そうなんですね。
今、早期起業家教育にフォーカスしているから大人向けはやってらっしゃらないと思いますけど、講演とかでは大人向けにしていますよね?

(平井さん)
大人向けも、大学向けも、実はですね、例えば日本で1、2の技術を持っている町工場の社員研修とかは自分の勉強のために受けさせていただいているんです。職人さんの研修なので、とても楽しみにしています。

(豊田)
もう何歳になっても子供だろうが、成年だろうが、もっと上の方だろうがプロセスはちょっと違うかもしれないけど、起業家精神は大切なものだし、成長できますよね。

(平井さん)
成長できます。
なので、他の国ではお医者さんになる人でも、芸術家になる人でも、アントレプレナーシップという講座は受けます。
お医者さんなんて不確実性の中で生きていますから、何かあった時にすぐに自分で考えて対応するということが必要ですよねということで、一般教養みたいに誰でもいつでもどこでも気軽に受けていただければなと思っています。

(豊田)
そういう意味では誰にとっても必要な一般教養のような科目ですよ!と。
そのど真ん中でやっている平井さんですから、これからも色々教えていただきたいなと思います。

(平井さん)
とんでもない、子供は天使だとか思っていませんから。
いつでも真剣勝負で子供に試されているので、全然エンジェルじゃないなと思いながら、日々勉強しています。

(豊田)
分かりました。
平井さん、貴重な話、面白い話、興味ある話ありがとうございました。
さて、HR-Xではこれからも「人事」と「トランスフォーメーション」というキーワードで、様々なゲストをお呼びしてお届けしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

平井さん、改めまして今日はありがとうございました!

(平井さん)
ありがとうございました!

豊田圭一(株式会社スパイスアップ・ジャパン 代表取締役)
上智大学を卒業後、清水建設に入社。約3年の勤務後、海外留学コンサルティング事業で起業。以来、25年以上、グローバル教育事業に従事している。
現在、国内外で「グローバルマインドセット」や「変革マインドセット」を鍛える研修を実施する他、7ヶ国(インド、シンガポール、ベトナム、カンボジア、スリランカ、タイ、スペイン)にグループ会社があり、様々な事業を運営している。
2018年、スペインの大学院(IE)で世界最先端のリーダーシップ修士号を取得。
2020年に神田外語大学グローバル・リベラルアーツ学部の客員教授に就任。
著書は『とにかくすぐやる人の考え方・仕事のやり方』『ニューノーマル時代の適者生存』など全19冊。
早稲田大学トランスナショナルHRM研究所の招聘研究員、内閣府認証NPO留学協会の副理事長、レインボータウンFMのラジオ・パーソナリティも務めている。

豊田が2020年6月に出した著書『ニューノーマル時代の適者生存』

株式会社スパイスアップ・ジャパン
 公式ウェブサイト  https://spiceup.jp/
 公式フェイスブック https://www.facebook.com/SpiceUpJP/

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