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curry menu archive 9 火鍋風カレー

9皿目は火鍋風カレーです。

白湯&麻辣、2種のあいがけカレー+副菜という構成でした。
白湯は鶏を使っていますので、鶏白湯です。
ラーメンや韓国料理などでおなじみですのでみなさんご存じかと思います。
麻辣はといえば、麻婆豆腐のあの感じです。
唐辛子のヒーヒー系の辛さと、花椒(ホアジャオ、中国山椒)のビリビリ系の辛さのセットですね。

この2種が対をなす、火鍋風カレーです。
火鍋についてWikiを引き、一部を抜粋します。


重慶の鍋料理(麻辣火鍋・鴛鴦火鍋)[編集]

重慶の鍋料理の中で、麻辣味をベースにしたスープはとても有名で、このスープを使う火鍋は麻辣火鍋(マーラーフオグオ)と呼ぶ。

本来はこれしかなく、1980年代から辛口苦手のお客様のために辛くないスープを加えた鴛鴦火鍋(ユアンヤンフオグオ)が開発された。鴛鴦火鍋の特徴は、仕切った金属製の丸鍋の中に太極図の陰陽ように見立つ枠があること。一つの空間の中に紅湯(ホンタン)と呼ばれる唐辛子山椒花椒で調味した麻辣スープを入り、もう一つの空間の中に白湯(バイタン)と呼ばれる塩味の豚骨スープを入りる。好みの食材を好みのスープに入れて、煮て食べる。

麻辣火鍋は中華圏の各地に広く浸透され、あまり辛くない香港式火鍋台湾式火鍋など有名な変種が存在し、中国式と香港式・台湾式の火鍋にバリエーションを見えることができる[5]。また、中国の「火鍋系」の鍋料理以外、いま他の国の鍋料理もこの鴛鴦火鍋の形式を真似することが多く、味の違い2種類のスープを一気に提供するという利点から考えているという。

内モンゴルの鍋料理(涮羊肉)[編集]

涮羊肉(中国語:涮羊肉拼音: shuàn yángròu)の歴史は古く、元王朝の時代に辿り着き、日本のしゃぶしゃぶのルーツという説もあるが、ハッキリとは分かっていない[6]。日本のしゃぶしゃぶは発祥地である内モンゴルではなく、既に北京で改造した北京風の涮羊肉をモデルにし、北京から日本の京都へ伝来したという[6]。鴛鴦火鍋のように骨のスープを使っているが、豚骨ではなく、山羊・羊の骨を使っている。2010年代以前、中国の涮羊肉の専門店は麻辣火鍋の専門店と比べると余りにも少ないが、2010年代以降中国のいたる都市で涮羊肉のブームが成形し、急速に中国全土で広まっていた。


現在の湾曲した仕切りの付いている赤と白の火鍋が生まれたのは、意外にも1980年代ということでした。
丁度キョンシーブームの頃ですので、太極図と同じ形の鍋が霊幻道士のVHSと共に世界へ広まっていったのかもしれません。
日本でも夢枕獏さんの小説、陰陽師がヒットしていました。
舞台は日本、平安時代の京都、呪いのパワーが最高潮の頃のお話です。
日本の中華料理屋に火鍋が登場したのもキョンシーや陰陽師が流行した頃なのでしょう。

izonの火鍋風カレーでは、麻辣、白湯、両方のカレーで薄切りのラム肉が使われました。
ラム肉しゃぶしゃぶのルーツはなんと、内モンゴルの涮羊肉という料理で、北京で魔改造され、京都(!)へ伝来したようです。
日本でしゃぶしゃぶといえば、透き通った和風出汁で、牛、豚、蟹、などをしゃぶしゃぶする、というイメージですが、その原典は白濁したスープでのラムしゃぶでした。

火鍋界隈の最新のトレンドがどこにあるのかはわかりませんが、izonが挑戦したのはカレー経由での原点回帰、火鍋のカレー的発展でした。

『ラム、キクラゲ、中華ゆば、ネギ、ニラ、しめじ入ってます。』
当時のインスタに、カレーの材料が書いてありました。
カレーというより、完全に鍋の材料です。

『副菜に干豆腐ときゅうりのナンプラー和え、ピータン、ザーサイ。』
副菜も書いてありました。
完全に中華料理です。

これらの原点的な食材に独自の解釈を加えてスパイスを調合し、独自のカレーへと発展させています。
見た目はライスに火鍋をかけただけのようですが、中身はオリジナルな仕様になっているのです。

メニューの命名にも迷った形跡がありました。
白湯&麻辣カレー、薬膳火鍋ラムしゃぶカレー、火鍋風カレーが候補に挙がっていました。

というのも、麻辣火鍋にせよ、涮羊肉にせよ、『肉+スパイス+煮る=○○』という公式に当てはまるからで、作られる場所が中国で、使っているスパイスが中国っぽいからカレーと呼ばないだけで、工程そのものはカレーだといえます。

火鍋が元々中国カレーなのだとすれば、名前の付けようがありません。
とはいえ、中国カレー、では何がなんだか伝わらないしどうしよう、そんなジレンマの中で、火鍋風カレー、というところに落ち着いたのではないでしょうか。

火鍋風カレーを直訳すると、中国カレーのようなカレー、となりますので、ヨシフジ的にも腑に落ちなかったのかもしれません。

こういった悩みはこの後、世界一周カレーで解消されていきますが、まだ先のお話です。

火鍋風カレーを食べた記憶のある方からのコメント、ご連絡をお待ちしております。
リアルな感想が発掘できれば随時追記予定です。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。
つづく。


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