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10.マサラペーストをつかってチャイを作ったらどうなるか?

こんにちは、旅するスパイスラバーちゃいまいです。
先日、マサラ友達のカレー哲学さんより、こんなご意見をいただきました。

「マサラペーストでチャイ作ったらどうなるんでしょうか。」

これまで、シロップやパウダーを使ったチャイを作ったことはあるけど、ペーストは試したことがありませんでした。

ということで、今回挑戦してみることにしました。

研究計画

◯目的
・マサラペースト*を使ったチャイの特徴を知る
◯研究手順
①A:ごく一般的な手順で作るチャイと、B:マサラペーストを使用する以外Aと同じ条件で作るチャイ、を用意する
②被験者3名による官能検査

*本記事におけるマサラペーストとは、乾燥したスパイスとフレッシュなスパイスまたは少量の液体を加えてペースト状にしたもののことを意味しています。様々な国の料理で類似のものが使われています。

研究実践

今回の目的はマサラペーストを使ったチャイの特徴を知ることなので、
材料や作り方といった条件は比較的一般的なものを選定しました。

<材料>
・茶葉(アッサムCTC) 大匙1
・水
・牛乳
・スパイス(生姜/カルダモン/クローブ/カシアシナモン)
・砂糖 小さじ2
<作り方>
A:ごく一般的な手順で作るチャイ
①スパイスグラインダーでスパイスをつぶす
②鍋に水と①を入れ、加熱する(弱火で1~2分)
③茶葉を加え、弱火~中火で煮出す(3分)
④牛乳を入れ、泡だった状態をキープ(中火で3分)
⑤濾して砂糖を入れる

B:マサラペーストを使用する以外Aと同じ条件で作るチャイ
①すり鉢でスパイスを練り、水分を加えてさらに練る(マサラペースト作り)
②①を鍋に入れ、加熱する(弱火で1~2分)
③~⑤はAと同様

チャイ作り

A:ごく一般的な手順で作るチャイ(以下、普通のチャイ)の方は、いつものごとくインドで買ったスパイスグラインダーでスパイスをつぶします。
B:マサラペーストのチャイ(以下、ペーストチャイ)は、すり鉢でスパイスを練っていきます。
本当は手間がかかるので電動のスパイスミルを使用したかったのですが諸事情につき使用できなかったため今回はすり鉢を使い手動でペーストを作りました。

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まずはスパイスをつぶしていきます。
ペーストの方は作るのにかなり時間がかかりました。
カシアシナモンを選択せず、セイロンシナモンでやっていればましだったのかもしれませんが、この状態に持っていくまでに15分程度かかりました。

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スパイスを煮出していきます。
ペーストチャイの方は先ほどの状態のものに水を加え、さらに練って伸ばした状態で鍋に加えました。
カシアシナモンの破片と、カルダモンのさやが擦り切れなかったのが分かりますね。あまりおいしそうな見た目ではない…。

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弱火で1~2分加熱した状態です。
両方とも香りが立ってきましたが、ペーストチャイの方が香りが強い印象です。そして灰汁や油?のようなものがかなり浮いてきました。
これはチャイ全体の味に関わってきそうです。

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茶葉を加えて弱火~中火で3分間煮出した状態です。
ペーストチャイの方はさらに灰汁がでました。

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牛乳を加えたところ、混ざり方に違いがでました。
普通のチャイは自然とぐるぐる動いて混ざっていく感じで、マサラペーストの方は入れた瞬間になじみ、ゆっくり流れができていました。

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牛乳を入れ、泡だった状態をキープしているところです。
普通のチャイの方は泡の上まで茶葉が来ていて、茶葉が躍っているのが分かります。
ペーストチャイの方は、泡の上部に細かく砕いたマサラの膜ができてしまっていて、茶葉が躍っている様子はあまり見えません。
これは茶葉の味の出具合に影響しそうです。

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煮終わった状態です。
普通のチャイは茶葉がしっかり踊っていたので、鍋内の側面にへばりついています。
一方ペーストチャイは茶葉が泡の上まで上がってこなかった影響で、側面へのへばりつきはあまり見られませんでした。掃除が少し楽でした。

比較

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ペーストチャイのほうが茶こしで濾しきれなかったスパイスが浮いているので見た目にも少し差が出ました。

味は、3名による官能検査の結果下記のような意見が出ました。
「マサラペーストをつかったチャイの方は漢方っぽい味がして飲みにくい」
マサラペーストをつかったチャイの方はよりツンとした味や苦みなどを感じる、複雑な味がする」

まとめ

マサラペーストを使ったチャイ作りにおいて得られた理解*は以下です。

・マサラペーストを手で作るのは大変、作るなら電動ミル使用がよい
・マサラペーストを作る際、どうしても手動で作るなら固いスパイスは避けたほうが良い
・マサラペーストを作る際、細かく砕いて練ることによりスパイスの様々な成分が出てくるためか、味が複雑になるが、それが飲みにくさや雑味につながる場合がある
・マサラペーストを使ったチャイは、煮出す際にできるマサラの膜により茶葉が躍れず、普通につくるチャイよりも茶葉の味がやや弱まる
・マサラペーストを使ったチャイは、普通のチャイよりも鍋が汚れないため鍋を洗うのは楽になる(ミルやすり鉢がよごれるので全体の洗い物が減るわけではない)

*実験回数2回、かつ被験対象が3人という状態の実験なので、あくまで参考情報です。科学的根拠はありません。

感想としては、マサラペーストを使ったチャイは、マサラを強く感じたい人は試してみる価値はあるかもしれませんが、万人受けはしない味だろうなと思いました。

あとがき


いかがでしたか。
今回は、マサラ友達のカレー哲学さんのリクエストにより普段とは違う作り方でチャイづくりに挑戦してみました。

今後も引き続き皆様のリクエストにもお応えしつつ研究を進めていこうと思います。

お読みいただきありがとうございました。
皆様のチャイライフが少しでも豊かになりますように。
それではまた。



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