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「ゆずれない」のか「ゆずらない」のか論争

今日は北京オリンピックのフィギュアスケート男子FSを見ました。お目当ては羽生結弦選手です。私は彼が17歳の時に世界選手権で「ロミオとジュリエット」を滑り、初出場にして銅メダルに輝いてからのファンです。

もちろん宇野昌磨選手、鍵山優真選手の活躍もいつも楽しみにしています。銀メダル、銅メダルということで嬉しいです。そして金メダルのネイサン・チェン選手も応援している選手の一人です。

インタビューで「報われない努力だったかもしれませんが……」と言っていた羽生結弦選手でしたが、ISU公式大会でのクワッドアクセル世界初の認定という夢が叶いました。自分自身に打ち勝った姿を見届けて感動が止まらないです。

何故か私よりも母の方が泣いていました。

以降は演技前に書いた記事になります。


譲るか、譲らないか

今朝、母と二人で羽生結弦選手の話をしました。それは彼が「ゆずれない」のか「ゆずらない」のかという話です。話をしたと言っても、私が勝手に思いついて母に振ったものです。母は苦笑していました。

これは例の羽生ゆずれないという芸人の方に関しての話です。いろいろと問題があり、今は改名して違う名前で活動しているらしいです。実際に検索している人たちもこの二つの単語を混同しているらしく、「ゆずれない」「ゆずらない」の両方が候補に挙がってきていました。

この件について「ゆずれない」なのか、「ゆずらない」のかと芸人の名前を度忘れしていた私が実際どちらなのかを大真面目に考えてみたのです。


負けず嫌いのレベル

私は彼がとんでもなく負けず嫌いな性格だということを非常に評価しているし、気に入っています。好きな理由のひとつでもあります。もしかしたら演技以上に買っているのかもしれないと思うほどです。

今回SPで運悪く氷の穴にブレードがはまりこんでしまい、冒頭のジャンプがひとつ抜けてしまいました。その結果、暫定順位が8位という状態でのFSのスタートになります。

昨日FSでのプログラム構成が明らかになったのですが、それを見て思わずくすっと笑ってしまいました。それはやっぱり羽生結弦選手は最高だなあと思った瞬間でもあります。


勝ちに行くスタイル

元々構成されていたジャンプがさらに難度を増し、彼にとってできる最高難度とまで言われるプログラムに姿を変えていたのです。SPでの点差を挽回するためか、それともまだ勝ちを狙いに行っているのか――もちろん私は後者だと解釈しました。

以前も同じようなことがあったからです。それは昨年の世界選手権で、同じようにSPでライバルのネイサン・チェン選手に点差をつけられてしまったときのことでした。

このときの彼はきっと、逆転勝ちを狙いに行ったのだと私は考えました。そうでなければ難度を上げて点差を埋めようと試みることを考えるとは思えないからです。いえ、埋めようとしたのではないでしょう。抜き去りにいったのです。

これは彼にとっての勝つことへの執着、そして王者としてのプライドの高さを物語っているように思えました。男子フィギュアスケート界のキング、もしくはレジェンドと呼ばれているだけのことはあります。


信念か、意地なのか

さて、ようやく話は本題に入ります。彼は勝つことを「ゆずれない」のか、それとも「ゆずらない」のかという話です。これはただの私にとっての感覚なので違うと思う方もきっといるだろうとは思います。

「ゆずれない」という表現には意志の強さのようなものを感じます。そこには信念というものがあり、何としても自分はこの道を成し遂げるんだという響きがある気がするのです。

一方「ゆずらない」という表現だとすると、少し違った印象を持ちます。そこにはどこか子供っぽい意地のようなものを感じるのです。頑として譲らないといったような表現が脳裏をよぎるからです。

かつて私は彼のことを前者のように感じていました。けれども、実際には後者であったのではないかと考えています。それが先程の世界選手権での一幕で発覚したのではと思うのです。


魅力はギャップ

あくまでも私の中の話ではありますが、彼はきっと「ゆずらない」でしょう。口では自分らしい演技をだとか、四回転アクセルをと言っていますが、やはり勝つことも諦めていません。食らいつきに行っています。

もしそうだとしたらとても人間らしくていいです。全くいつも無茶して、というお母さんのような謎の人格が私の中に現れます。いえ、お母さんですと年齢的にどうかと思うので近所のお姉さん的な感覚だとでも言っておきます。

四回転アクセルを飛ぶということが彼にとっての集大成であるとかこだわりであるとすれば、勝つということは一体なんでしょうか。それが果たして王者としてのプライドなのか、緻密な計算の上に成り立つ美学なのか。

そんなことを考えるととてもわくわくするし、勝手にテンションが上がってしまいます。繊細で美しい、それでいて力強いスケーティングをする彼が普段はクールに振舞っているのに中身は熱いところがとても好きなのです。

勝つこと、こだわり、プライド、美学。もしかしたらそれは全てイコールで結ばれているのかもしれません。


羽生結弦選手が彼らしい、そして自分自身で納得できるような演技ができることを祈るばかりです――と優等生的に言いたいところですが、ファンとしてはやっぱり勝って欲しいですね。勝つことに対して貪欲な彼が好きですから。


ここまで読んで下さってありがとうございました。



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